副業でも確定申告は必要?職種別の申告のポイントを解説

副業でも確定申告は必要?職種別の申告のポイントを解説

2018年に成立した「働き方改革」によって、最近は会社員として働きながら空いている時間に副業をしている人が増えているようです。

副業をしている人にとって、避けて通れないのが確定申告です。

この記事では、副業の確定申告の仕組み手順について徹底解説していきます。職種別の確定申告のポイントや、会社に副業がバレたくない場合の対処法などについても解説していくので、副業に興味がある方はぜひ参考にしてみてください!

副業でも年20万の所得を超えたら確定申告は必要

会社で働いて得た給料は会社の方で確定申告(年末調整)をしてくれるので、自分で申告する必要はありません。

しかし副業に関しては、年間の所得が20万円を超えた場合は、自ら確定申告をしなくてはいけません。

この「20万円ルール」は、副業がアルバイトやパートの場合と、それ以外の職種によって適用条件が異なります。それぞれの条件について、以下で解説します。

副業がアルバイト・パートの場合

本業が会社員の人が、休みの日に副業としてアルバイトやパートをする場合、アルバイトやパートの収入が年間に20万円以下であれば確定申告をする必要はありません。

副業がアルバイト・パート以外の場合(フリーライターやYouTuberなど)

副業がアルバイトやパート以外の場合、副業の所得が1年間に20万円以下であれば確定申告は不要です。

アルバイト・パートの場合は年間「収入」が課税対象となりましたが、それ以外の職種では「所得」が課税対象になります。

所得とは、売り上げから経費を差し引いた金額のことをいいます。たとえば、売り上げが1年間に50万円あったとしても、そのうち経費が35万円かかっていれば所得は15万円となるので、確定申告をする必要はありません。

副業は10種類ある所得税のうち、どれに分類される?

一口に所得といっても、その種類はさまざまです。所得は職種や形態によって、以下の10種類に分類されます。

所得の名称 主な内容
給与所得 勤務先から受け取る給料による所得。アルバイト、パートなど
事業所得 農業、漁業、卸売業、製造業、小売業、サービス業などの事業による所得
配当所得 株式の配当や投資信託による収益の分配などによる所得
利子所得 預貯金や公社債の利子や、公社債投資信託による収益の分配による所得
不動産所得 土地や建物などの不動産の貸付による所得
山林所得 山林を伐採して売却したり、立木のまま譲渡することによって生じる所得
譲渡所得 建物や土地、株式やゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生じる所得
退職所得 勤めている会社から受ける退職手当による所得
一時所得 懸賞や福引きの賞金や競馬の払戻金、生命保険の一時金などの一時的な所得
雑所得 上記9種類のいずれにも当たらない所得。ブログ収入、ネットオークションやフリマで得た収入、FXや仮想通貨の売買益、原稿料や講演料など

確定申告をするにあたって、まずは自分のしている副業が上記の所得のうちどれに該当するのかを調べる必要があります。一部例外はあるかもしれませんが、上記の所得のうち、大半の副業は給与所得雑所得(事業所得)に該当します。

なお、事業所得と雑所得の線引きは曖昧で、区別が非常にわかりづらくなっています。同じ副業をやっていても、人によっては雑所得として申告する人もいれば、事業所得として申告する人もいるようです。

ただ、事業所得として申告した方が、給与所得との損益通算ができたり、青色申告にすることで最大65万円の特別控除が受けられるなどのメリットがあるため、できれば事業所得として確定申告したいという人が多いようです。

ただし、事業所得として申告するためには、開業届青色申告承認申請書を納期までに提出し、税務署からその副業が「事業」であると認めてもらう必要があります。

職種別「確定申告のポイント」

確定申告は、所得の種類によって申告のポイントが異なります。そこで、職種別に確定申告時のポイントをまとめてみました。

アルバイト・パートが副業の場合(給与所得)

平日は会社員として働き、週末に副業としてアルバイトをしている場合、会社員の給与についてのみ年末調整の対象となり、アルバイト分は年末調整の対象外となります。

そして、アルバイトとして得ている収入が年間20万円を超えている場合は、自分で確定申告をしなくてはいけません。確定申告が必要な場合、会社員としての給与とアルバイトとしての収入を合算して給与所得の総額を申告する必要があります。

また、確定申告が不要な場合でも、給与から源泉徴収を差し引かれている場合は、確定申告をすることで所得税が還付されることがあります。

アフィリエイトやネットオークションが副業の場合(事業所得・雑所得)

ブログでアフィリエイト収入を得ている人や、ネットオークションで利益を得ている人は、事業所得または雑所得として確定申告をおこないます。

確定申告の書類を作成する際は、取引履歴や支払明細をもとに収入の記入漏れがないように気をつけましょう。また、ブログの更新などの作業を自宅でしている人は、家賃を按分して経費として計上することも可能です。

フリーライターが副業の場合(事業所得・雑所得)

フリーランスのライターやカメラマンの場合も、事業所得または雑所得として申告します。

これらの職種は打ち合わせや接待などが多いのが特徴的ですが、業務で要した交通費や飲食代は経費として計上することが可能です。経費として計上する場合は確定申告の際に必要になるので、領収書はきちんと保管しておきましょう。

FXトレーダーが副業の場合(雑所得)

FXのトレードで得た為替差益スワップポイントは、雑所得として計上します。

ただし、FXの取引で得た利益はほかの雑所得とは税制上の扱いが異なり、申告分離課税の対象となります。分離課税とは、ほかの所得と合算せずに、分離して税金を計算する制度のことです。

分離税とは反対に、ほかの所得と合計して税金を計算する制度を総合課税といいます。原則的には、所得は総合課税として計算されます。

しかし、株式や土地建物の譲渡所得など、一部の所得に関しては分離課税が適用されます。そして、課税所得が一定以下の人に関しては、分離課税として確定申告することで所得税が安くなる可能性が高くなります。

副業の確定申告のやり方

前章では、所得の種類と職種別の申告のポイントについて解説しました。

本章ではより具体的に、副業の確定申告に必要な書類や提出方法について解説していきます。

副業が「給与所得」の場合

アルバイトやパートなど副業の収入が給与所得の場合、確定申告には以下の書類が必要になります。

必要書類
  • 確定申告書Aまたは確定申告書B
  • 源泉徴収票
  • 身分証明書(運転免許証、パスポート、健康保険証のコピーなど)
  • マイナンバーカードもしくは通知カードのコピー
  • 各種控除(医療費控除、住宅ローン控除など)を受けるための証明書類

給与所得として確定申告する際は、源泉徴収票が必要になります。源泉徴収票は本業分と副業分の両方を揃え、申告書内の決められた箇所に添付します。

給与所得の場合、一部の例外を除いて申告書は「A」を使用します。申告書「B」は予定納税(※)や不動産所得などがある場合に使用します。

(※)前年度の所得税が15万円以上だった場合に前払いで納める税金

副業が「雑所得」の場合

アフィリエイターやFXトレーダーなど、副業が雑所得の場合も必要な書類は給与所得の場合と同じです。ただし、雑所得の場合、源泉徴収票は本業分だけ添付すれば問題ありません。

また、雑所得の場合は経費を申告することで控除を受けることができます。必要経費の金額を正確に記入するために、領収書はきちんと保管しておきましょう。

なお、確定申告書の提出方法としては、税務署窓口への持参郵送および電子申告(e-Tax)の3種類があります。

会社に副業がバレたくない場合の対処法

会社に副業をしていることを知られたくない場合は、申告書を作成する際に住民税の項目に気をつけなくてはいけません。

確定申告をすると、副業で得た所得に対して課税される住民税額が会社に通知されます。これにより、会社に副業をしていることがバレてしまうのです。

ただし、申告書の第二表にある「住民税に関する事項」で「自分で納付」にマルをつけることで、会社側に税額通知がいかなくなります。

住民税に関する事項
出典元:国税庁「住民税に関する事項を記入する」


勤務先に副業がバレたくない人は、「自分で納付」にマルを付けるのを忘れないようにしましょう。また、こちらにチェックを入れた場合、後日送付されてくる納付書を持って自分でコンビニなどで納付する必要があるのもお忘れなく。

なお、上記の方法が使えるのは副業が「雑所得」の場合に限ります。アルバイトやパートなど副業が「給与所得」の場合は、会社が従業員の住民税をまとめて納付してしまうので、必然的に副業をしていることがバレてしまいます。

副業の確定申告のやり方まとめ

副業の確定申告について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

最後に、特に重要なポイントをまとめてみました。

まとめ
  • 年間20万円を超える収入があると、副業でも確定申告が必要
  • 大半の副業は給与所得雑所得に分類される
  • 確定申告することで、払い過ぎた税金が還付されることがある
  • 雑所得は経費を申告することで控除を受けることができる
  • 会社に副業がバレたくない場合は住民税を「自分で納める」にマルをつける

副業の収入が年間20万円を超える場合、確定申告は必須です。確定申告をするには、まず自分がしている副業が給与所得なのか雑所得なのかを調べ、その所得に応じた申告方法をとる必要があります。

また、副業の収入から所得税が源泉徴収されている場合、確定申告をすることで税金が還付されることもあります。慣れるまで手間がかかり大変だと思いますが、確定申告は忘れずにおこないましょう。

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