確定申告について相談できる場所や方法は?有料や無料など相談の際の注意点もあわせて解説

確定申告について相談できる場所や方法は?有料や無料など相談の際の注意点もあわせて解説

給与以外に収入がある人や個人事業主、フリーランスの人などは、確定申告をおこなう必要があります。

しかし、確定申告をはじめておこなう人は、「申告書の書き方がわからない」や「控除される項目がわからない」など、何かと疑問が生まれますよね。

今回は、確定申告について相談できる場所について紹介していきます。相談する際の注意点も解説するので、参考にしてください。

確定申告の相談は税務署や役場などでできる

確定申告について相談できる場所には、税務署や自治体の役場、会計事務所などがあり、場所によって費用の有無が異なります。

費用がかかる場所と費用がかからない場所では、主に下記のような違いがあるので覚えておきましょう。

費用の有無と主な特徴
費用 特徴
無料 そこまで細かく教えてもらえない場合や個人と事業主によって対応が異なるケースもある
有料 個人や事業主に関係なく、細かく教えてもらうことができる

費用が無料の場合は、確定申告書の書き方や控除についてなどの一般的な内容のみのケースが多く、個人と事業主によって対応が変わることもあります。

一方、費用が有料の場合は、確定申告に関する一般的な内容はもちろん、節税などの細かい部分についても教えてもらうことが可能です。

また、確定申告をはじめておこなうという人は、何かとわからないことが多いと思うので、面談で相談が可能な場所を選ぶとよいでしょう。

確定申告のことを聞ける7つの相談先

確定申告について相談したいと考えている人は、具体的な場所について知りたいと思います。

ということで、ここでは、確定申告について相談ができる具体的な場所と各場所のメリットとデメリットを紹介します。それぞれ特徴が異なるので、自分の状況に合わせて選んでみてください。

①税務署

確定申告書の提出先となる税務署は、確定申告についての相談も受付けています。主なメリットとデメリットには下記のようなものがあります。

税務署の主なメリットとデメリット
メリット ・無料
・電話は匿名が可能
・1年中相談が可能
デメリット ・一般的な質問しか回答をもらえない
・開庁時間が決まっている

税務署は、確定申告についての相談を1年中受付けており、費用もかかりませんが、質問できる内容については、一般的なものになってしまうことを覚えておきましょう。

基本的に税務署は、税金を納めてもらいたいという考えが前提にあるので、当然ですが、節税対策などについては答えてもらうことは難しいでしょう。

また、税務署は開庁時間が決まって、事前の予約もできないので、確定申告についての相談者が多い場合は長時間待たされるというケースもあります。

とくに、確定申告の時期は混雑が予想されるので、電話もつながらないという可能性があることを覚えておきましょう。

②自治体の役場

住んでいる地域の役所役場は、確定申告の時期に限り専用の窓口を設けています。主なメリットとデメリットには下記のようなものがあります。

役所や役場の主なメリットとデメリット
メリット ・無料
・場所までの距離が比較的近い
デメリット ・一般的な質問しか回答をもらえない
・窓口が開設される時期が決まっている
・個人のみを対象としていることが多い

役所や役場の窓口は無料で利用でき、地域にもよりますが、窓口のほかに特設会場を設けるケースもあるため、相談場所までの距離が比較的近いケースが多いです。

一方、デメリットですが、確定申告については一般的な内容のみとなり、相談できる時期が確定申告の時期に限定されてしまいます。

また、基本的に個人の確定申告をメインとしている場合が多く、事業主などの確定申告には対応していないことが多くなることも覚えておきましょう。

ちなみに、役所や役場は、ふるさと納税、医療費控除、住宅ローン控除など、確定申告の控除に関することはわりと親切に教えてくれるケースが多いので、控除関係の相談をする場合はおすすめです。

③専門のウェブサイト

確定申告については、「税理士ドットコム」などのインターネット上にあるサイトでも投稿形式で質問することが可能です。主なメリットとデメリットには下記のようなものがあります。

専門ウェブサイトの主なメリットとデメリット
メリット ・無料
・24時間利用可能
・過去の質問を見ることが可能
デメリット ・回答が遅い場合がある
・ネット上に個人情報が載ってしまう可能性がある
・必ず回答をもらえるわけではない

専門ウェブサイトは、24時間無料で利用できるので、時間を気にせずに確定申告について質問ができるメリットがあります。

過去の質問内容を閲覧することも可能なので、同じような質問内容を見つけることができれば、すぐに疑問を解決することも可能です。

一方、デメリットとしては、投稿形式の質問になるため必ず回答を得られるわけではなく、回答に時間がかかってしまう可能性があります。

また、質問をする際は匿名でおこなうことができないため、個人が特定できるような内容を投稿しないように注意する必要があります。

④会計ソフトのサポートセンター

クラウド会計ソフトを利用して確定申告をおこなう人は、会計ソフトのサポートセンターで無料相談が可能です。

面談には対応していませんが、確定申告書の作成画面を見ながらチャットメール、電話で質問が可能なので、わからないところがあればその場で問題を解決できるメリットがあります。

専門家のサービスを受けることができるソフトもあるので、確定申告書を自分で作成したいという人にとってはおすすめです。

クラウド会計ソフトで人気のものは、「弥生会計」や「freee(フリー)」などがあり、ソフトによって利用金額が違うので、利用を検討する人は、自分に合ったソフトを選択してみてください。

⑤青色申告会

個人事業主などの青色申告書で確定申告をおこなう人は、「青色申告会」で相談することができます。

青色申告会は、青色申告をおこなう人たちで成立している組織なので、同じ立場の人が多いため親身に話を聞いてくれます。

また、税理士や弁護士などの専門家の紹介や専門家を招いた無料相談会の開催などもおこなっているので、個人事業主にとっては利用するメリットが多いです。

ただ、青色申告会に入会するためには、入会金月額費用がかかってしまうので、確定申告の相談のみという人は、それほどメリットがないことを覚えておきましょう。

⑥税理士会

確定申告の時期は、税理士会が支部ごとに相談会を実施しています。事前予約が必要になるものの、費用は無料ですし、面談、電話どちらの方法にも対応しています。

ただ、税理士会がおこなう相談会は、支部が管轄している地域の人のみの利用可能ということや相談時間が基本30分以内と短いというデメリットもあります。

また、予約は、「原則、先着順」となるため、相談できない場合があることも覚えておきましょう。

⑦個別の税理士に相談する

確定申告については、会計事務所などの税理士に相談することが可能です。個人で利用することはそれほど多くありませんが、一般的に個人事業主は、税理士に確定申告を頼んでいるケースが多いです。

主なメリットとデメリットには下記のようなものがあります。

税理士の主なメリットとデメリット
メリット ・個人、事業主どちらにも対応している
・詳しい内容を質問できる
・アポをとれば時間を選べる
・確定申告の代行をしてもらえる
デメリット 平均3万円から5万円の費用がかかる

税理士は、個人、事業者どちらにも対応していますし、税務署や役所では質問できない節税対策などの詳しい内容にも応じてくれます。

基本的にアポをとれば顧客の時間帯に合わせて対応してくれるので、時間を気にせずに相談が可能です。

また、別途費用がかかってしまいますが、確定申告の代行を頼むことも可能なので、忙しくて確定申告をする時間がない人にはおすすめとなっています。

唯一のデメリットは、費用がかかってしまう点です。確定申告の相談だけでも平均3万円から5万円の費用がかかりますし、確定申告の代行を頼んだ場合は、10万円以上かかることもあります。

確定申告の相談で覚えておきたい注意点

確定申告の相談ができる場所はさまざまあることがわかったと思いますが、基本的に確定申告の時期は混み合うので、できるだけ早めに対応するようにしましょう。

確定申告書の作成については年明けから可能ですし、税務署や税理士は1年中相談ができるので、可能であれば確定申告の時期になる前に話すことをおすすめします。

ちなみに、確定申告の時期は、毎年「2月16日から3月15日」となっているので、覚えておくとよいでしょう。

申告書の作成や確定申告は原則、本人がおこなうことに注意

確定申告に関することは、「原則、本人または税理士(税理士登録をおこなっている専門家)」がおこなうことを覚えておきましょう。

税務代理、税務書類の作成、税務相談は、税理士の独占業務となっているので、税理士または税理士登録をおこなっていない人が業務を担当することはできません。

ですので、確定申告が面倒だからといって、家族や知人に代行してもらうことがないようにしてください。

確定申告の相談をする方法のまとめ

確定申告の相談は、無料でおこなえる場所と有料の場所があります。それぞれメリットデメリットがあるので、自分に合った場所を選択してみてください。

また、確定申告の時期になると相談できる場所は基本的に混雑します。待ち時間も長くなってしまうので、できるだけ早めに相談することをおすすめします。

税務署などは、1年中対応しているので、可能であれば確定申告の時期になる前に済ませてしまいましょう。

この記事のまとめ
  • 無料で相談できる場所には「税務署」、「自治体の役所」などがある
  • 有料になるが、税理士は確定申告の相談のほかに代行も依頼できる
  • 相談は専門サイトや会計ソフトでも可能
  • 確定申告の時期は混雑するので、早めに相談する

食品や雑貨商品などを扱うライター・編集を経て、マネ会を担当。クレジットカードのポイント還元や特典だけでなく、各カード会社の戦略やマーケティングにも興味あり。普段使っているクレジットカードはJALカードで、実家への帰省の際には、貯めたマイルを特典航空券に交換している。ヤフオクやヤフーショッピングで買い物をする際には、ヤフーカードも使用。体を動かすことが好きで、定期的にジムで筋トレ。機会あれば、山へハイキングに出かけ、帰りの温泉を楽しむ。

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