住民税と所得税の違いって何?税金の支払いを意識することで生活が変わる

住民税と所得税の違いって何?税金の支払いを意識することで生活が変わる

住民税と所得税の違いを知りたい。住民税と所得税はいつ支払えばいいの。会社員は給料から天引きされる住民税と所得税ですが、フリーランスになると税金の支払いを意識しなければなりません。

こちらの記事では、住民税と所得税の違いを中心に、税金の支払いについて現役フリーランスである筆者が解説していきます。これからフリーランスになる人、会社員でも確定申告をする人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

住民税と所得税の違いとは

納税は国民の義務ですが、違いがわかりにくいのが住民税と所得税です。会社員の場合どちらも給料から天引きされますが、フリーランスの場合対象年度や税率の違いを把握しておかなければなりません。住民税と所得税の違いを理解すれば、節税にもつながりますよ。

主な違いを以下にまとめてみました。

住民税と所得税の主な違い
住民税と所得税の違い 住民税の場合 所得税の場合
国税か地方税か 地方税 国税
対象年度 前年 その年
税率 10% 5%~45%
(累進課税制度)
収入が少ないときの申告 必要 不要

住民税と所得税には、このような違いがあります。それでは詳しい内容を説明していきます。

地方税と国税の違い

住民税と所得税は住んでいる地域に納める地方税と、国に治める国税という違いがあります。住民税は地方税で、所得税は国税です。

それぞれ管轄が違うので、税金の使用用途も異なります。納める先が違うので、計算方法や納付方法も異なりますよ。

対象年度の違い

住民税は前年の所得、所得税はその年の所得に対して税金がかかります。細かな違いですが売り上げが変動する可能性のあるフリーランスは、この違いを覚えておかなければなりません。

例えば500万円の売り上げがあった翌年、売り上げが300万円に落ちたとします。その年に支払う住民税は前年の500万円が対象ですが、300万円の売り上げの中から、住民税を支払わなければなりません。

そのためフリーランスは売り上げがよかったとしても、税金のために資金に余裕を持たせる必要があります。思わぬ金額の税金支払いがあると、事業にも関わってきますよ。

税率の違い

住民税の税率は一律10%なのに対して、所得税は所得に応じて5%~45%で変動する累進課税制度が採用されています。所得税は所得が高くなればなるほど、税率が高くなります。

そのため所得が増えてきたら、所得税の計算は慎重におこないましょう。所得が低い基準で考えていると、所得税の支払いができなくなる可能性がありますよ。

住民税は所得が少なくとも申告が必要

収入が少ない場合所得税の申告は不要ですが、住民税にはそうした決まりがありません。そのため収入が少なくても、住んでいる市区町村に住民税の申告をする必要があります。

具体的な申告方法は、税務署に確定申告をすることです。所得税も同時に計算されます。収入がなければ手続きはすぐ終わるので、手続きを忘れないようにしましょう。

住民税と所得税の計算方法

住民税と所得税は納める先が違うので、計算方法が異なります。また会社員とフリーランスでも、納付方法が異なります。税金を間違いなく納めるためにも、計算方法と納付方法の違いを覚えておきましょう。

住民税と所得税の計算方法と納付方法の違い
計算方法と納付方法 住民税の場合 所得税の場合
納付する時期 6月に一括納付
もしくは年4回に分けて納付
3月15日までに一括納付
納付方法 納付書
インターネットバンキング
クレジットカード
口座振替
税務署で現金一括納付
口座振替
確定申告での還付 なし 支払いすぎていた場合
還付が受けられる
特別徴収
(給料からの天引き)
しなくてもよい しなければならない

会社員の場合給料から天引きされるケースがほとんど

会社員の場合、住民税・所得税ともに給料から天引きされるケースがほとんどです。会社からもらえる給与明細書には、住民税と所得税それぞれいくら引かれているのか、毎月記載されています。

一部の会社では住民税を自身で支払うこともありますが、会社員で住民税と所得税を意識することは少ないです。

パート・アルバイトの場合還付が受けられることもある

パート・アルバイトの場合、年収が103万円以下であれば所得税はかかりません。源泉徴収で所得税が天引きされている場合、確定申告をすれば支払いすぎた所得税が還付されます。

そのためパート・アルバイトをしている人は、自身の年収がいくらになるのか確認しておきましょう。支払いすぎた所得税があるのであれば、確定申告の手続きを進めましょう。

フリーランス・個人事業主の場合確定申告に基づいて算出される

フリーランスや個人事業主の場合は、確定申告で申告された所得に基づいて住民税と所得税の金額が決まります。そのため確定申告をしないと、正しい税金の金額がわかりません。住民税と所得税では控除額も異なるので、正確に計算をしましょう。

フリーランスが覚えておくべきポイントは、住民税と所得税は売り上げでなく所得に対して税金がかかること。所得とは収入から経費や控除額を引いた残りの金額のことです。

そのため経費や控除をうまく利用すれば、住民税と所得税の節税につながります。生命保険料控除や医療費控除など控除にはさまざまな項目があるので、覚えておくと節税が可能ですよ。

所得税は確定申告までに一括納付する

フリーランスは確定申告で所得税の計算をすると、支払うべき所得税の金額がわかります。所得税は確定申告の期日である3月15日までに、一括納付しなければなりません。支払い方法は税務署に現金で支払うか、口座振替です。

現金で支払う場合税務署に確定申告書を提出したタイミングで所得税も納付すると、手間が少ないのでおすすめです。口座振替は4月中旬ごろに、指定の口座から振替がおこなわれます。

いずれにせよ3月から4月には、所得税を一括納付しなければなりません。所得税はまとまった金額になることが多いので、支払いができるように備えておきましょう。

所得税を支払いすぎた場合還付が受けられる

確定申告で所得税の計算をしたとき、所得税を支払いすぎているケースがあります。フリーランスは報酬によって、源泉徴収を受けなければなりません。

源泉徴収される金額は一律で決まっていますが、所得税の税率は5%~45%の間で所得に応じて異なります。そのため人によっては源泉徴収で所得税を支払いすぎているケースがあり、その場合支払いすぎた所得税が還付されます。

還付金が支払われるタイミングは、提出後3週間~1カ月半後です。指定の口座に還付金が振り込まれるので、還付が受けられる人はしっかり確定申告をしましょう。

住民税は6月に一括納付もしくは年4回に分けて納付する

住民税は6月に一括納付するか、6月・8月・10月・1月の年4回に分けて納付するかのどちらかです。6月上旬に地方自治体から住民税の通知が郵送され、納付書も同封されています。納付書があればコンビニ・銀行・郵便局での支払いも可能です。

住民税の支払いは納付書での支払いのほかに、インターネットバンキング・クレジットカード・口座振替での支払いも可能です。ただしクレジットカードでの支払いは、自治体によっては対応していません。

所得税納付から少し経つと、住民税納付時期になります。所得税の支払いを終えたら、次は住民税支払いの準備をしましょう。

フリーランスが住民税・所得税を納税する際に気をつけること

筆者は大学を卒業後会社員を経て、フリーランスとして独立しました。フリーランス歴は7年ほどなのですが、その間まったく売り上げがない時期もありました。

ここからはそんな筆者が感じた、会社員とフリーランスの納税意識の違いを紹介していきます。またこれからフリーランスになる人のために、役立つ節税情報も紹介します。フリーランスにはさまざまな節税方法があるので、今後のためにもしっかり勉強していきましょう。

会社員時代は税金を気にすることがなかった

筆者は3年間会社員をしていましたが、その間税金を気にすることはありませんでした。会社が源泉徴収をしてくれるので、給与明細書も手取り金額を確認する程度。自分がどのくらい税金を支払っているのかも、よくわかっていませんでした。

生命保険に加入していたので年末調整に資料を提出していましたが、年によっては提出を忘れかけていたこともあります。会社がすべて対応してくれるので、税金に対する意識はかなり薄かったですね。

収入が少ない時は確定申告をして所得税・住民税の金額を下げる

そんな筆者が税金をはじめて意識したのは、フリーランスとして独立したときです。独立時はフリーランスは確定申告をしなければならない、くらいの知識しかありませんでした。

意気揚々と独立したのはいいですが、はじめは売り上げがなかなか作れずかなり苦労しました。収入がない時期もあったのですが、確定申告をすると所得税と住民税の金額を下げられることを知ります。

当時の私は収入がないので、確定申告をしなくていいと思っていました。しかし確定申告をすると、所得税の支払いは免除され住民税の支払いもかなり少額でした。フリーランスであれば収入が少なくても、確定申告はすべきだとこの時身をもって学びましたね。

フリーランスとして生計が立てられると自分で確定申告をする

収入がほとんどなかった時期を抜けて、現在はフリーランスとしてある程度の収入を得られるようになりました。この頃確定申告にはじめてしっかり向き合い、税金に対する意識もかなり持つようになります。

フリーランスとして売り上げが上がってくると、それに合わせて所得税の税率もアップします。税金の支払いが増えてしまうと自分が苦労するので、経費や控除について勉強しました。

そこで税金について知識があるかないかで、節税できる金額が大きく変わることを知ります。ここからは筆者のフリーランス経験から、住民税と所得税にどのように向き合っていくべきなのか解説していきます。

青色申告にすると控除額が増える

フリーランスの確定申告には、白色申告青色申告の2つの方法があります。白色申告の方が帳簿の記録は簡単ですが、節税効果が高いのは青色申告です。

青色申告をすると65万円の特別控除が受けられるので、白色申告と比べるとかなり大きな差になります。白色申告は控除が10万円で、住民税と所得税の納税額も減ってしまいます。

青色申告をするためには、開業後2カ月以内に青色申告承認申請書を提出しなければなりません。提出を忘れてしまうとその年は白色申告をしなければならないので、開業届と合わせて提出するようにしましょう。

確定申告時は会計ソフトを使うと楽

青色申告をする場合、複式簿記という形式で帳簿をつけなければなりません。白色申告の場合単式簿記という形式で、帳簿をつけるのであれば白色申告の方が楽です。手間を考えると青色申告を躊躇してしまうかもしれませんが、会計ソフトを使えば問題は解決します。

会計ソフトは売り上げや経費を入力すると、自動で複式簿記の作成をしてくれます。そのため白色申告をするときと、ほとんど手間はかわりません。

ちなみに筆者の場合会計ソフトへの入力は、半日あれば1年分の入力が完了します。入力後は自動で確定申告書類を作成してくれるので、印刷して税務署に持っていくだけです。会計ソフトを使うと簡単に確定申告ができるので、フリーランスであれば使うことをおすすめします。

いくら控除が受けられるかは常日頃から意識する

フリーランス・自営業の人は、いくら控除を受けられるのか常日頃から意識しておくことが大切です。控除をより受けられるのであれば、住民税・所得税の支払いが少なくてすみます。

青色申告の特別控除だけでなく、生命保険料控除・配偶者控除・医療費控除など、控除の項目はいくつかあります。控除が受けられる状況であっても、確定申告で控除の申請をしなければ意味がありません。

そのため確定申告前には、どんな控除項目があるのか勉強しておきましょう。控除と経費について把握しておくと、資金に余裕ができるメリットがありますよ。

ふるさと納税も活用しよう

住民税と所得税の支払いを減らすためには、控除をより多く受ける必要があります。控除にはいくつか項目がありますが、その中でも取り組みやすいのがふるさと納税です。

ふるさと納税は自分が選んだ地方自治体に寄付をすることで、返礼品がもらえる上寄付金を控除申請できます。つまりフリーランスにとっては控除額を増やしつつ、返礼品がもらえるというメリットがあります。

ふるさと納税の返礼品には肉・魚・野菜といった食品だけでなく、パソコン・炊飯器・宿泊券など自治体によってかなり個性があります。ちなみに筆者の場合、冷蔵庫いっぱいの食品を受け取っているので、食費の節約につながっています。ふるさと納税の返礼品を探すと、自分にとってプラスになる返礼品がきっと見つかりますよ。

住民税・所得税・保険料・年金の支払いシミュレーションが大切

この記事では住民税と所得税について解説をしましたが、フリーランスや自営業の人は国民健康保険料と国民年金の支払いもあります。そのため独立したての人は、税金・保険料・年金の支払いでかなり苦労します。

税金の支払いで苦しくなるのは、せっかく独立したのに何とも言えない思いになりますよね。税金の支払いは回避できませんが、節税することや支払いシミュレーションをしておくことは可能です。

税金関係の支払いがいついくらあるのかあらかじめ把握しておけば、今いくらのお金が使えるのかもわかってきます。資金繰りはフリーランスにとって大事な業務なので、しっかり対策して本業に打ち込みましょう。

住民税と所得税の違いまとめ

ここまで住民税と所得税の違いについて紹介しました。内容をまとめると以下のようになります。

まとめると
  • 住民税は地方税、所得税は国税
  • それぞれ納付方法と対象年度、税率が異なる
  • 収入が少ない人は所得税の申告は不要だが、住民税の申告は必要
  • フリーランスは確定申告の結果に基づいて住民税と所得税の金額がわかる
  • 所得税は3月までに一括納付、住民税は6月一括納付か年4回にわけての納付
  • 所得税を支払いすぎていた場合還付が受けられる
  • 控除について詳しくなることで住民税と所得税の支払いが減らせる


住民税と所得税にはいくつかの違いがあり、その違いを覚えておくと役立つことがあります。また納税や控除について意識すること、住民税と所得税の節税にもつながります。フリーランスであれば住民税と所得税についての知識を身につけていきましょう。

投資に失敗して借金500万円以上を抱え、その後自己破産を経験しました。自分がお金で大失敗した経験から、お金の正しい知識を勉強。フリーライターとして、クレジットカード・カードローン・債務整理ジャンルの豊富な執筆経験を持っています。経験に基づいた確かな記事を執筆することが、1番の武器です。趣味は食べ歩き・人狼ゲーム・麻雀。名古屋の美味しいグルメを紹介する「リュウジの名古屋グルメブログ」も運営しています。

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