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楽観相場から一転?!2018年日本の株式市場が天井を打った7つの兆候

楽観相場から一転?!2018年日本の株式市場が天井を打った7つの兆候

日本銀行の金融政策と、政府による大盤振る舞いな財政政策から、2018年も日本の株式市場は引き続き良好な状態になるだろうと予想されていました。

そのため、投資家の間では「日経平均株価は年内に3万円を超す」とまで言われていました。


ところが、2018年に入って株価は低迷し、力強く上昇するどころか、かえって大きく下落する日が多くなっています。

2018年に入ってからの株式市場に関するデータや取り巻く環境を見ていくと、日本株式市場の長期にわたった上昇トレンドは天井を打ったように見えます。



2018年、不穏な動きを見せている株式市場の兆候について解説します。

2月5日~2月9日の海外投資家の動きが激しい

1.2月5日~2月9日の海外投資家の動きが激しい株式市場の不穏な動きに見えるのが、2018年2月5日~2018年2月9日の海外投資家の売買代金がとてつもない金額になっている点です。

【投資部門別売買状況】(東京証券取引所発表)※売買代金、数字は億円

日付 日経平均株価 先週比 騰落率 海外投資家(買) 海外投資家(売) 海外投資家(差) 個人投資家(買)
2018/3/16 21676.51 207.31 0.97% 89,875 91,604 -1,728 25,652
2018/3/9 21469.2 287.56 1.36% 100,291 104,046 -3,754 27,733
2018/3/2 21181.64 -711.14 -3.25% 96,945 100,429 -3,484 31,703
2018/2/23 21892.78 172.53 0.79% 89,394 90,526 -1,132 28,201
2018/2/16 21720.25 337.63 1.58% 99,590 99,952 -362 24,068
2018/2/9 21382.62 -1891.91 -8.13% 155,092 161,538 -6,446 47,644
2018/2/2 23274.53 -357.35 -1.51% 116,920 120,446 -3,526 36,739
2018/1/26 23631.88 -176.18 -0.74% 98,045 101,605 -3,560 38,585
2018/1/19 23808.06 154.24 0.65% 98,892 101,115 -2,222 37,597
2018/1/12 23653.82 -60.71 -0.26% 83,804 84,120 -316 30,927
2018/1/5 23714.53 949.59 4.17% 46,623 41,772 4,851 13,371
2017/12/29 22764.94 22764.94
- 54,317 54,339 -22 28,406
日付 信託銀行(買) 信託銀行(売) 信託銀行(差) 投資信託(買) 投資信託(売) 投資信託(差)
2018/3/16 4,089 4,292 -203 2,933 2,176 757
2018/3/9 4,627 4,213 414 3,190 2,256 934
2018/3/2 4,584 4,852 -268 3,560 3,125 435
2018/2/23 4,209 3,076 1,133 3,147 2,735 412
2018/2/16 4,112 4,073 38 2,714 2,796 -82
2018/2/9 6,219 5,301 917 4,927 3,875 1,052
2018/2/2 6,356 4,569 1,787 4,025 2,703 1,322
2018/1/26 4,372 4,058 314 3,499 2,627 872
2018/1/19 4,896 4,391 505 3,382 3,434 -52
2018/1/12 3,696 3,817 -121 2,916 2,709 206
2018/1/5 1,568 1,533 36 1,616 1,184 432
2017/12/29 2,190 2,255 -66 1,989 1,687 302
日付 証券会社(買) 証券会社(売) 証券会社(差) 事業法人(買) 事業法人(売) 事業法人(差)
2018/3/16 823 766 57 1,701 1,608 94
2018/3/9 830 772 58 1,794 1,162 632
2018/3/2 836 761 75 2,155 1,282 873
2018/2/23 755 730 26 1,928 1,303 625
2018/2/16 830 798 32 2,350 983 1,367
2018/2/9 1,433 1,153 280 3,300 1,436 1,865
2018/2/2 1,234 1,202 32 1,798 1,318 480
2018/1/26 1,153 1,125 29 1,828 1,590 238
2018/1/19 1,091 1,145 -54 1,760 1,616 144
2018/1/12 816 837 -22 1,382 1,282 100
2018/1/5 407 507 -100 608 781 -173
2017/12/29 1,185 1,273 -88 850 908 -58
日付 日経平均株価 前日比
2月5日 22682.08 -592.45
2月6日 21610.24 -1071.84
2月7日 21645.37 35.13
2月8日 21890.86 245.49
2月9日
21382.62 -508.24

2月5日~2月9日の日経平均株価の推移

2月5日~2月9日は日経平均株価がNY市場につられて暴落を起こし、2016年以来の1,000円安以上を付けた日でした。

この週の海外投資家の動きは▲6,446億円と大きな売り越しになっていますが、過去のデータから、これは良くある数字であると言えます。

海外投資家の売り越し額よりも注目したいのは、買い注文金額と売り注文金額の異常な多さです。

2月5日~2月9日の海外投資家による買い注文額の金額は155,092億円、売り注文金額は161,538億円で、この数字は今までの過去最高を大きく更新する数字になっています。

2007年から売り注文金額が10兆円を超えた週ランキング
日付 日経平均株価 海外投資家売り注文 その週の海外投資家買い注文 差し引き
2018/2/9 21382.62 161,538 155,092 -6,446
2015/8/28 19136.32 138,606 131,536 -7,070
2017/11/10 22681.42 131,592 132,263 671
2017/11/17 22396.8 120,629 117,418 -3,211
2018/2/2 23274.53 120,446 116,920 -3,526
2016/2/5 16819.59 120,049 113,937 -6,112
2013/5/24 14612.45 116,955 116,911 -44
2017/12/1 22819.03 112,726 110,752
-1,974
2015/7/10 19779.83 105,004 100,621 -4,383
2016/2/19 15967.17 104,986 100,933 -4,053
2007/8/10 16764.09 104,824 102,745 -2,079
2017/12/8 22811.08 104,111 101,943 -2,168
2018/3/9 21469.2 104,046 100,291 -3,755
2013/5/31 13774.54 102,675 101,405 -1,270
2016/2/12 14952.61 102,473 96,738 -5,735
2016/1/29
17518.3 102,007 99,933 -2,074
2013/6/7 12877.53 101,697 103,305 1,608
2018/1/26 23631.88 101,605 98,045 -3,560
2018/1/19
23808.06 101,115 98,892 -2,223
2017/5/12 19883.9 101,040 106,642 5,602
2015/9/11 18264.22 100,702 90,354 -10,348
2018/3/2 21181.64 100,429 96,945 -3,484
2015/9/4 17792.16 100,342 95,525 -4,817

週間で16兆円という数字は圧倒的にトップで、2位の13.8兆円を大きく上回っています。

そもそも海外投資家からの注文が10兆円を超えること自体珍しく(過去546週の内、23週しかない)、一週間で海外投資家による16兆円という額の売り注文は、ものすごく膨大な注文量であり、異常事態であるとわかるでしょう。

海外投資家から大きな注文額が発生した事実から、今後の相場動向では2つのシナリオが想定できます。

一つ目は膨大な売りと買いで保有者が大きく入れ替わり、さらなる上昇への足掛かりとする見方です。

下がっていても売買が活発なときは次の相場への大きなエネルギーとなり、保有者が入れ替わったことにより、利食い売りが出にくくなります。

二つ目は売り時を探していた海外投資家からの売りが出て、相場の上昇は一旦お休みで天井を打ったとする考え方です。

ロウソクの最後の灯が明るくなるように、相場も天井を打つ時大きな売買が発生することがあります。

商いが活発であった時の株価で高値掴みをした人が多く発生したため、少し戻ると「やれやれの売り」に押されてしまい、なかなか本格的に上値を追う展開になりません。

2月の異常な相場が発生した以降も海外投資家の売りが止まらないことから、前者と後者どちらがより可能性が高いのかと言うと、後者の「相場が天井を打った」シナリオの方が可能性として高いのかもしれません。

海外勢の売り越しは現状、今まで乗り遅れていた個人投資家の大きな買い越しに吸収され、日経平均株価は2万円を維持しています。

しかし、個人投資家は少し戻るとすぐに逃げてしまう傾向がありますので、今後高値を再び追っていく展開は期待しづらくなっています。

為替投機筋の円売りポジションが激減

不穏な動きの2つ目として、シカゴ・マーカンタイル取引所が発表している投機筋のドル円売り越し額が直近大きく縮小していることが挙げられます。

日付 ドル円 円買い枚数 円売り枚数 差し引き
2018/3/20 106.37 47,902 69,901 -21,999
2018/3/13 106.92 44,296 123,835 -79,539
2018/3/6 106.18 50,057 136,902 -86,845
2018/2/27 107.34 44,539 141,190 -96,651
2018/2/20 107.28 45,634 153,972 -108,338
2018/2/13 107.81 42,299 157,808 -115,509
2018/2/6 109.58 39,108 151,984 -112,876
2018/1/30 108.81 47,828 162,524 -114,696
2018/1/23 110.32 37,260 160,130 -122,870
2018/1/16 110.63 38,152 157,502 -119,350
2018/1/9 112.6 37,376 162,912 -125,536
2018/1/2 112.57 39,592 161,358 -121,766
2017/12/26 113.18 44,269 160,355 -116,086

ドルをベースに発表された数字ですので、売り越し額が減少しているということは、「円売りドル買いポジションを持っている投機筋がポジションを解消した」ことになります。

つまり、円買いドル売りを行い始めたということになります。

なぜ、このような動きになっているのでしょうか。

昨年末113円台で推移していたドル円相場ですが、直近はアメリカの利上げペースが鈍化していることや、中国との貿易摩擦などのネガティブなニュースが発生しています。

ドル円相場も日本銀行の金融緩和政策継続の甲斐無く、105円台まで円高ドル安になっています(2018/3/28現在)。

シカゴ・マーカンタイル取引所の投機筋動向は、投機筋のポジションの解消から11.6万枚の売り超過から2.2万枚程度までショートポジションが減少しています。

2018年度の企業の想定為替レートは110円‐105円で設定している企業が多く、105円に近いところでドル円相場が定着してしまうと業績が下振れしてしまいます。

現行の予想PERは割安と考えているアナリストもいますが、予想PERに足元の為替の円高定着は入っていません。

このままの為替水準が続くと早晩企業収益が修正され、予想PERは割安ではなくなるでしょう。

トランプ政権発の通貨安政策の下では、日本銀行の金融緩和を吸収し、さらなる長期的な円高を招く可能性があります。

トランプ政権としては他に支持率を上げる手段も見当たらないことから、より一層『保護主義』に傾倒する可能性があります。

貿易摩擦をなくすためにドル安政策を据えて、今後はさらなる円高が進む可能性があり、為替の高止まりには警戒をしておく必要があります。

安倍政権の行く末が不透明

去年の衆院選挙も大勝し、今年の秋に予定されている自民党総裁選も3期連続で安倍総理が自民党総裁に再任されるシナリオでした。

しかし、森友問題で足元はゴタゴタしており、雲行きがかなり怪しくなっています。

安倍政権は、2013年に就任してから歴代総理在任日数ランキングの上位に入るほどの長期政権になっています。

本来政治に飽きやすい日本国民は現政権に飽きてしまっているので、支持率を戻すのはそう簡単ではありません(失業率と株価をみれば100点に近い政権ですが)。

「現在の総理が交代して次の総理になる」シナリオは、海外投資家にとっては不透明要因になります。

そのため、このシナリオ確率が高くなるほど海外投資家は売り方向に傾きます。

日本銀行は金融政策で年間6兆円のETFの買い入れを行うことにより、株価の下支えを行っています。

海外投資家はこの日本銀行が買入を行ってくれている現状を絶好の売り場を提供してくれているとみなす可能性があり、日本銀行が買い支えられないほどの売りが発生することも視野に入れなければいけません。

日本銀行と政府の蜜月関係が終わる可能性

アベノミクスの最大の経済政策である大胆な金融緩和は、安倍政権と日本銀行の蜜月関係の下でおこなわれてきました。

安倍政権の先行きが怪しくなると、日本銀行側の動きも鈍り大胆な金融緩和を行わなくなる可能性が高くなります。

内閣総理大臣が変わってしまうと、今まで通りの蜜月関係が終わり、それどころか政策変更を行うように言われるかもしれませんから、動きが鈍くなることは仕方ありません。

株価が下がると追加の金融緩和でETF買い入れ額の増額が期待できるのですが、蜜月関係が終了してしまうと、そこまで積極的に日本銀行は動いてこないと想定されます。

今回の2月~3月の暴落で日本銀行はかなりのETF購入に動いています(1月は4410億円、2月は5848億円、3月は3月28日現在で8081億円)。

年間6兆円のペース(ならして月間5000億円)でETFの買い入れを行う金融政策ですから、3月の購入金額は異常な数字で、蜜月関係が終わると全く動けなくなる可能性があります。

海外要因が騒がしい

2018年に入り、トランプ政権は中国との「貿易摩擦解消」に動き、貿易戦争の話が出てくるなど、海外情勢は大人しくありません。

NYダウも当たり前のように500ドルを超える暴落が起こっており、今後の先行きには不透明感が漂い続けます。さらに北朝鮮情勢が非核化に向けて軟化してしまったことも、株価にとってはマイナス材料です。

日本人にとって余りなじみがない考え方かもしれませんが、ほどよい冷戦状態は株価にとってプラスになるという考え方があります。

今までは北朝鮮とその後ろにある中国とアメリカがほどよい冷戦状態であったために、防衛ラインとなる日本の経済を活性化させるため、日本との貿易摩擦をアメリカは許していた部分がありました。

北朝鮮情勢が軟化している直近ではこれらの流れは変わり、トランプ大統領の「保護主義」は日本にも及ぶ可能性が出てきているのです。

具体的には、日本の自動車に対しての関税をかけることや、日本に対して「自国の為替を通貨安に持ってくるような過剰な金融緩和を止めるべきだ」と迫ってくることが予想されます。

日本の現在の貿易収支は黒字で完全に貿易摩擦が起きているため、「貿易赤字が激しいので金融緩和を行っている」という逃げ口上も使えません。
国内要因に加えて、海外要因もしばらく日本の株式市場に明るい見通しを立てることができないというのが現状です。

①株価が下がる

②GPIFの運用損などネガティブニュースを流す

③政権の支持率が下がり、更に不透明感が増す

④海外投資家がより売り姿勢になる

⑤さらに株価が下がる

日本の株式市場は、上記のような動きを良く見せ、直近の株式市場はこの動きに近くなっています。

裁定取引の動きが怪しい

雲行きが怪しい兆候として、日経平均株価の裁定取引(現物取引と先物取引の裁定)で買いポジションが膨らまず、売りポジションが膨らんでいるといった動きが挙げられます。
【昨年末からの上昇相場での裁定取引買いポジションと裁定取引売りポジション】

(東京証券取引所発表) 
日付 日経平均株価 先週比 騰落率 裁定買い残(億円) 先週比 裁定売り残(億円) 先週比
2018/3/23 20617.86 -1058.65 -4.88% 13,321 -2,019 10,243 1,087
2018/3/16 21676.51 207.31 0.97% 15,340 -480 9,156 878
2018/3/9 21469.2 287.56 1.36% 15,820 1,820 8,277 2,905
2018/3/2 21181.64 -711.14 -3.25% 14,000 -2,286 5,372 306
2018/2/23 21892.78 172.53 0.79% 16,286 577 5,066 709
2018/2/16 21720.25 337.63 1.58% 15,709 -1,689 4,357 7
2018/2/9 21382.62 -1891.91 -8.13% 17,398 -6,197 4,350 -290
2018/2/2 23274.53 -357.35 -1.51% 23,595 -4,741 4,640 213
2018/1/26 23631.88 -176.18 -0.74% 28,336 -215 4,427 20
2018/1/19 23808.06 154.24 0.65% 28,551 -894 4,406 -432
2018/1/12 23653.82 -60.71 -0.26% 29,445 -4,822 4,839 640
2018/1/5 23714.53 949.59 4.17% 34,267 1,956 4,199 477
2017/12/29 22764.94 -137.82 -0.60% 32,311 230 3,722 -246
2017/12/22 22902.76 349.54 1.55% 32,081 1,539 3,968 1,297
2017/12/15 22553.22 -257.86 -1.13% 30,542 -418 2,671 223
2017/12/8 22811.08 -7.95 -0.03% 30,960 573 2,448 1,222
2017/12/1 22819.03 268.18 1.19% 30,387 1,612 1,227 -1,327
2017/11/24 22550.85 154.05 0.69% 28,775 2,300 2,554 429
2017/11/17 22396.8 -284.62 -1.25% 26,475 -1,771 2,125 -707
2017/11/10 22681.42 142.3 0.63% 28,246 -873 2,832 470
2017/11/2 22539.12 530.67 2.41% 29,119 150 2,362 287
2017/10/27 22008.45 550.81 2.57% 28,969 1,990 2,075 280
2017/10/20 21457.64 302.46 1.43% 26,979 2,950 1,795 -884
2017/10/13 21155.18 464.47 2.24% 24,029 1,081 2,679 -2,290
2017/10/6 20690.71 334.43 1.64% 22,948 -1,810 4,969 760
2017/9/29 20356.28 59.83 0.29% 24,758 4,137 4,208 -513
2017/9/22 20296.45 386.95 1.94% 20,621 3,586 4,721 -840
2017/9/15 19909.5 634.68 3.29% 17,035 3,293 5,560 389
2017/9/8 19274.82 -416.65 -2.12% 13,742 -1,203 5,171 919
2017/9/1 19691.47 238.86 1.23% 14,945 569 4,252 1,312
2017/8/25
19452.61
-17.8 -0.09% 14,376 -794 2,940 688

裁定買い残高は現物買いの先物売りで行われます。 

株価が上昇する局面では現物を利食いせず、先物をSQ日以降でもロールオーバーしていくため、裁定買い残高は積みあがりやすくなります。

ところが、裁定買い残高は1月5日の3.4兆円をピークに減少を続けており、直近は1兆3千億円まで減少しています。

株価が戻り基調や落ち着きを取り戻すと、新たに裁定買いポジションを組む人が増えてもよさそうですが、直近の裁定買い残高は低空飛行を続けており、相場を戻す気配を感じさせなくなっています。



代わりに増加しているのは、3月23日時点で1兆243億円ある裁定取引の売り残高です。

裁定取引の売り残高は、先物買いの現物売りで行われます。

裁定取引の売りは、相場の先行きが怪しいときに増加する傾向があります。

裁定取引の売りポジションを作るには裁定取引の買いポジションを作る場合と異なり、現物を大量に空売りする必要があるため、ポジションは作りにくくなっています。

(※生損保など長期保有している金融機関から該当する株式を借り入れるので、借り入れコストが余分にかかってしまうため)それに加え、空売り規制に引っ掛からない様に売らなければいけないため、裁定取引の売り残高は普段であればそんなに増えません。

統計を取るようになってから、裁定買い残の売り残高が1兆円を超えたことは一度もなく、史上初となっています。

裁定取引の買い残高が相場が落ち着いてきても積みあがらない点や、裁定取引の売り残高が異常なほどの増加を見せているなどの点は、とても不気味な兆候と言えるでしょう。


株価が下がる事により負の連鎖に

3月23日に日経平均株価は安値20559.61円を付けています。

当面の下値の目途と言われていた20,500円手前まで来てしまいましたが、昨年末終値の22764.94円よりかなり下げた水準で推移しています。

株価が下がる大きな問題が出てきます。

それは、3月末の年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)の運用結果で悪い数字が出る点です。

最近のメディアはGPIFの運用益が大きく上がった時はさらっとしか報道しません。しかし、運用損が出たときはことさら不安を煽るように大きく報道しますので、以下のような負の連鎖が発生する可能性があります。

①株価が下がる

②GPIFの運用損などネガティブニュースを流す

③政権の支持率が下がり、更に不透明感が増す

④海外投資家がより売り姿勢になる

⑤さらに株価が下がる

日経平均株価は、弱気派のアナリストが予想していた下値目途20,500円で一度下げ止まった(3/28日現在 21031.31円)ように見えますが、4月以降GPIFの運用損が発表される時期に再び動揺を始める可能性があります。 

森友問題はいったん落ち着きを見せ始めています。

しかし、今まで株価上昇と好景気を演出することにより高支持率で安定した政権運営を行っていましたが、今後は今までの流れが逆転してしまうシナリオも考えられます。

上記で挙げた7つの兆候から考えて、日経平均株価の上昇トレンドは、いったん立ち止まって見直す時期に入っているのかもしれません。

もちろん相場は水物ですから、数か月後には何もなかったかのように高値を追っていく可能性もあります。

いろいろな兆候が多い2018年の相場、今までのような「何も考えないで買って持っておけばいい戦略」が通用しなくなってきているかもしれません。

足元の状況を良く見極めるようにするといいでしょう。

まとめ

  • 海外投資家は2018年2月5日~2月9日に大きく売買を行っており、海外投資家のスタンスが変わった兆候が見える
  • ドル円相場も投機筋の売り越し額が減り、状況が変わっている
  • 政権の行く末にも不透明感が強く、海外の市場も騒がしい
  • 裁定取引ポジションも不穏なポジションになっている
  • 日本の株式相場は天井になった可能性があり、今後注意が必要

著者:先ず隗より始めよ

現役金融マン。証券アナリストの資格あり。ちょっとマニアックな金融知識やニュースをわかりやすく書いていきます。

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