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外貨で運用、怖くない?外貨建て金融商品で気を付けるべきこと

外貨で運用、怖くない?外貨建て金融商品で気を付けるべきこと

近年、銀行の窓口などでも目にすることが増えてきた外貨預金や外貨建て保険。
国内金利が低迷している中で、こういった外貨建て金融商品は利率だけ見ると確かに魅力的な商品なような気もしてきます。

ただ、「外貨はリスクもあるって聞くし、ちょっと怖いな」という認識の方もいるのではないでしょうか?

「気になるけど、少し怖い」
今回は、そんな外貨建商品の世界を覗いてみてみましょう。

なぜ今、外貨建て金融商品なのか?

外貨建て金融商品のメリットは、なんと言っても高い金利です。
知っている方も多いでしょうが、現在日本の銀行の金利は驚くほど低くなっています。

あるメガバンクのHPを確認したところ、1年の定期預金利は0.01%となっていました(2017年2月2日時点)。

これは、通常の定期預金に100万円を1年間預けた場合、1年間でつく利息は100円しかないということです。

一方、同じ銀行の外貨建預金の金利を調べたところ、米ドル建ての外貨預金は1年の定期預金金利が0.5%でした(同じく2017年2月2日時点)。

つまり、同じ銀行に米ドルで1万ドル(1ドル=100円とすると100万円)預けると、1年間で5,000円の利息がつくということになります。

このように、金融機関の立場からすると、外貨建ての金融商品は円建ての定期預金などと比較して見栄えがいいという利点があります。

さらに、為替の取引にかかる手数料を取ることで手数料収入が見込めるという理由から、昨今金融機関が外貨建て商品の販売に力を入れているという実態があります。

また、外貨建ての商品は仕組みをしっかりと理解していれば消費者にとっても魅力的な商品です。

一般的には、外貨建ての金融商品は高い金利を期待できるのと同時に、為替の変動による資産増も期待できると言われています。

また、世界経済が複雑に絡みあう中で円の価値がいつ下がるかもわかりません。
そのような事態に備えて資産を一部外貨建てで保有しておくことで、リスクを分散することにもつながります。

ただ、あくまでも「仕組みをしっかりと理解していれば」という前提での話です。仕組みを理解していなければギャンブルと同じになってしまいます。

また、多くの外貨建ての商品が手数料などの関係でより複雑になっています。

そのため、外貨建てでの商品は「よくわからない」ものであり、「なんとなく危険で怖い」というイメージを持っている方も多いかもしれません。

外貨建金融商品の検討にあたっては、まずはどこが「よくわからない」のかをはっきりさせて、一つずつ疑問を解決していくことがとても重要です。

以下で、多くの方が「わかりにくい」と思っている部分を細かく見ていきましょう。

外貨建て金融商品の仕組みと商品内容

外貨建て金融商品の仕組み

そもそも外貨建て金融商品とは、外貨で運用することを目的として販売されている商品です。
外貨預金であれば日本円で普通預金口座や定期預金口座を持つのと同じように、「外貨(米ドルや豪ドルなど)で口座を持つ」といったものです。

金融機関は外貨を元手に、外国債券などの海外の金融商品で運用を行うため、金利が高くなります。
例えば、同じ10年国債であっても、日本国債は金利が0.105%であるのに対し米国債は2.476%となっています(2017年2月2日時点)。

つまり、円建てでそれぞれの国債を100万円(1ドル100円とした場合)で購入し、10年間ずっと1ドル100円であった場合、日本国債を購入した人は10年後には100万円が101万5,000円になるのに対して、米国債を購入した人は124万7,600円に増えることになります。

主な外貨建て金融商品の種類とその特徴

簡単に外貨建て金融商品の説明をしましたが、一口に外貨建て金融商品と言っても様々な種類があります。主な外貨建て金融商品の種類とその特徴は以下の通りです。

外貨預金・・・通常の銀行への預金を円ではなく外国通貨で預金をする金融商品。外貨建てで元本が保証されます。ただし、銀行が倒産した際に1,000万円まで預金が保護されるペイオフの対象にはなっていません。

外貨建保険・・・保険料を外貨建てで払い込み、外貨建てで運用する保険。一般的には、死亡時や年金受け取り時に、外貨建ての決まった金額が支払われるようになっています。商品によっては、中途解約時の債券価格の変動リスクを顧客が負う必要があるものもあります。

外貨建MMF・・・外国債券や短期債などで運用される投資信託。投資信託なので、元本保証はなく、債券価格が変動した場合のリスクを投資家が負う必要があります。

ここに書いた以外にも、直接外国債券などを購入するという方法でも同じような高い利回りの運用を行うことが期待できます。

通常、金融機関ごとに取り扱える商品が異なるため、異なる種類間での比較は自分で行う必要があります。
購入を決める際には、必ず自分自身で他の外貨建て金融商品の内容も調べたうえで、購入を決定することが大切です。

3.為替の仕組みと為替リスクを分散する方法

為替の仕組み

前の項で仕組みについて例示を示しました。その際に、「10年間ずっと1ドル100円であったならば」という前提で話をしましたが、実際には10年間ずっと1ドル100円であることはありません。

「1ドルを日本円に換算するといくらになるのか?」というのは日々変化します。「この1ドルを『いつ』日本円に換算するといくらになるか?」というのが、為替レートです。

「円高」「円安」とは何か

米ドルで見てみると、3年前の2014年1月1日の終値は1ドル=102円でした。
しかし、2017年1月1日の終値は1ドル(米ドル)=113円です。

この三年間で為替レートは上下しながらも、円安(ドルに対して、円の価値が下がっている)に推移しています。

この「円安」や「円高」というのが、どのように動くと円安で、どのように動くと円高なのかわからなくなる方がいます。

「単純に『1ドル』という『物』を買う時に、いくら払わなければならないか?」と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

2014年1月1日には、「1ドル」を買うのに、102円支払っていました。
しかし、2017年1月1日に「1ドル」を買うのには、113円支払わなければならないので、「1ドル」の値段が高くなったということです。

逆に言うと、「『1ドル』を買うのに余分にお金がかかるようになった(=円の価値が下がった)」ということなので「円が安くなった(=円安)」になったと考えることができます。

為替の影響

では、実際の数字で見てみると、為替の影響はどの程度あるのでしょうか。
なお、ここでは為替の変動による影響を見たいので、利息や手数料は考慮しません。また、小数点以下は切り捨てて考えています。

3年前の2014年に100万円を米ドルに交換して、外貨預金をしたとします。
2014年1月1日時点では1ドル=102円なので、100万円は9,803ドルと交換することができます。
これを、3年後2017年の1月1日に外貨預金から引き出し、円に換算します。
すると口座には、2014年に入金した9,803ドルが入っています。

2017年1月1日は1ドル=113円なので、9,803ドルは約110万7,700円に換算できます。
つまり、この三年間で最初の100万円が約110万円になったということです。

一方で、円高(ドルの価値が下がり円の価値が上がる)に推移することも考えられます。
例えば、2015年の7月1日の終値は1ドル=124円でした。
一方、2016年7月1日の終値は102円です。

したがって、2015年7月1日から2016年7月1日までの一年間で、22円、円高に推移しています。

2015年7月1日に100万円を米ドルに交換し外貨預金を始めたとします。
1ドル=124円なので、100万円は8,064ドルと交換することができます。

これを、1年度の2016年7月1日(1ドル=102円)に外貨預金から引き出し、日本円に換算すると約82万2,500円になります。

つまり、2015年7月1日に始めた外貨預金を2016年7月1日に引き出すと、もとの100万円から約17万7500円も損をしてしまうということです。

また、為替レートは社会情勢によって変動するため、動きが読みにくいという特徴があります。

そのため、外貨建て金融商品を購入する際には、
①利息を勘案した際に、為替レートがいくらになると損をするのか。
②利息を勘案した際に、為替レートがいくらまでであれば、期待する運用利回りが見込めるのか。
ということを把握しておくことが重要です。

為替リスクを分散する方法

個人的には、為替による利益に大きく期待するのは危険だと考えています。
外貨建て金融商品を購入するのであれば、高い利回りを取りにいく一方で、為替による利益・損失が極力小さくなるような投資を選択することをおすすめします。

先ほどの例示のように、ある時点で100万円をまとめて預ける方法は為替レートの変動を大きく受けてしまいます。

しかし、段階的に積み立てをすれば、引き出し時の為替レートが102円であったとしても、リスクを分散することができます。

例えば、1ドル=124円の時に外貨預金を始めて、10年後に1ドルが102円になっていたとします。
Aさんは、1ドル=124円の時に100万円を預けて、10年後に引き出したとします。

一方Bさんは、100万円を10万円ずつに分けて、毎年10万円ずつ積み立てをしていったとします。ここでも、為替の影響だけを見るため、利息は加味しないこととします。
二人の支払い総額と受け取り額は以下のようになります。

Aさん

・円建ての支払い総額:100万円(米ドル換算で約8,064ドル)
・元本に対する受け取り金額:約82万2,500円
・差額:約-17万7,500円

Bさん

Bさんは10万円ずつ積み立てをしているため、積み立て時点に応じてそれぞれ為替レートが異なってきます。それぞれ以下のレートで預け入れをしたとします。

《1年目:1ドル=124円、2年目:1ドル=130円、3年目:1ドル=126円、4年目:1ドル=121円、5年目:1ドル=118円、6年目:1ドル=113円、7年目:1ドル=106円、8年目:1ドル:110円、9年目:1ドル=100円、10年目:1ドル=101円》
※10年目は、10年目の初めの預入時が1ドル=101円、10年目の終わりの引出時が1ドル=102円だったとします。
・円建ての支払い総額:100万円(米ドル換算で8,767ドル)
・元本に対する受け取り金額:約89万4,200円
・差額:約-10万5,800円

この例で見ると、Aさんに比べてBさんの方が時期を分散して積み立てをした分、為替による損失が小さくなっています。

このように、徐々に積み立てをすることで為替レートの影響を分散することが出来ます。ただし、10年の間に極端な円安に陥るようなことがあれば、積み立て時期を分散したケースの方が損失が大きくなる可能性もあります。

そのため、自分で、どこで損益がわかれるのか、理解しておくことがとても重要です。また、積み立てのタイミングや引出、解約のタイミングを自分で図ることが出来る商品もあります。

そういった商品であれば、「円安時に積み立てをしない」、「円高時に引出・解約をしない」という選択も可能です。

手数料の仕組み

「手数料の形態や、どれくらいの手数料がかかるのか?」といったことは、各金融商品及び金融機関によって異なります。

主な外貨建て金融商品としては、外貨預金・外貨建保険・外貨建MMFなどがあると説明しましたが、これらの金融商品に共通して取られる手数料が為替手数料です。

為替手数料とは、日本円を外貨に交換する際、または外貨を日本円に交換する際にかかる手数料です。

外貨預金を行う場合などには、円を外貨に交換してから預け入れをし、外貨を円に交換して引き出しを行います。

そのため、必ずと言っていいほど外貨建て金融商品に為替手数料がかかってきます。
この為替手数料の仕組みは、どこの金融機関でもほぼ同じです。

米ドルであれば、1ドルを円に換算するごとに1円や数銭円といった為替手数料がかかってきます。

例えば、1米ドル=100円(TTM)の時に、100万円をドルに交換するとします。
為替手数料は1円です。為替手数料を加味すると、1米ドル=101円になるので、100万円は9,900米ドルと交換することができます。

逆に、この9,900米ドルを日本円に交換して引き出すとします。
同じく1米ドル=100円であれば、為替手数料を加味すると、1米ドル=99円になります。

9,900米ドルを日本円に交換すると98万100円になります。
つまり、往復で約20,000円の手数料が取られるということです。

各銀行のHPを確認したところ、ネット銀行の方が地方銀行やメガバンクと比較して為替手数料が安い傾向にあります。

メガバンクの手数料が1円であるのに対し、ネット銀行は25銭、ソニー銀行や新生銀行では15銭の手数料となっています。

為替手数料が1円の場合、円を外貨に交換しさらに外貨を円に交換することで、約1万9,900円の為替手数料がかかります。

為替手数料が15銭であれば、かかる手数料は約3,000円です。
この手数料も「どこの金融機関を選ぶか?」という大事なポイントになりますね。

為替以外にも、商品の特性から高い手数料を取られるケースもあります。
外貨建て保険の場合、死亡時に生命保険金を支払うような商品であれば、死亡保険部分の保険料も取られるようになっています。

為替以外の外貨建て金融商品であっても、購入する際は注意しておきましょう。

まとめ

外貨建ての金融商品に対しては、「よくわからないから怖くて手が出せない」という方もいらっしゃるかもしれません。

一方で、外貨建て金融商品には、外貨建て金融商品のメリットもあります。
正しくメリットやリスクを理解し、検討をすることが重要になってきます。

外貨建て金融商品のポイント

・種類が多岐にわたり、取り扱い金融機関がそれぞれ異なるため、積極的に情報収集をしたうえで、購入の検討をすることが必要。
・「利率が高い」というメリットがある一方で、為替の変動リスクがある。
・為替の変動リスクは、払い込み時期を分散させたり、引き出し・解約時期を調整することでコントロールすることが出来る。
・手数料は金融機関によって大きく異なるため、手数料体系にも注意する。

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