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出典:amazon

2019/01/20
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お父さん、頑張ってます。【お父さんのバックドロップ】

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子どもよりも子供っぽい「お父さん」たちの奮闘を描く短編集。笑いあり、涙あり、読みやすい文体で子どもにもオススメ。

目次

型破りなお父さん、揃ってます

 「お父さん」。
 そういわれて真っ先に思いつくお父さん像というのは、やはり自分のお父さんではないでしょうか。厳しいお父さん、優しいお父さん、亭主関白なお父さん、お母さんのお尻に敷かれているお父さん……。その人ごとにそれぞれ違う、お父さん像を持っていることと思います。
 
 この短編集は「お父さん」をテーマにしたものなのですが、ぱっと思いつくような「お父さん像」にあてはまるお父さんは一人もいません。みんな型破りなお父さんばかりです。ひょっとしたら、「こんなお父さんじゃなくてよかったなぁ」と思ってしまうかもしれません。
 しかしどこかしらみんな「いいお父さん」である部分を必ず持っています。お父さんもお父さんなりに悩み、考え、一生懸命です。
 思わず応援したくなる、お父さん、揃ってます。

お父さんのバックドロップ

 成績は常にクラスで3番以内、小学生にしては理屈っぽくて口が達者で、一部のクラスメイトからは「ガリ勉」なんて陰口をたたかれている下田くん。その下田くんに本を借りる約束をしていたタケルは、初めて下田くんの家にお邪魔しました。
 下田くんが本の説明をしようとすると、お母さんが大荷物で帰ってきます。お肉が2キロ、ジャガイモ4キロ、そんなにたくさん買ってきたのに「足りるかしら」と不安そうなお母さん。その様子に下田くんも不安な顔になり「ひょっとして、お父さん、帰ってくるの?」

 一緒にご飯を食べていったらいいというお母さんと、なんとかタケルを家に帰そうとする下田くん。どうやらタケルをお父さんに会わせたくないようなのですが、下田くんの奮闘むなしく、先にお父さんが帰ってきてしまいます。

 なんと下田くんのお父さんは、タケルも知っている悪役プロレスラーだったのでした。

お父さんのカッパ落語

 仁のお父さんは芽の出ない落語家。なにぶん売れていないので、寄席で落語をやるのは月に良くて2回、それ以外はヘルスセンターのイベントに出たり結婚式の司会をしたりしていますが、仕事があるのは月に10日くらいのもの。もっぱらお母さんが家計を支えている状態です。

 このお父さんがさすが落語家、「シャレのきつい」人物で、しょっちゅうイタズラをしては仁を困らせます。映画館の窓口では「落語家一枚」。デパートでは「絵にかいたような田舎者」の振りをしてエレベーターガールと乗客を笑わせる。一緒にいる仁としては、恥ずかしくってたまりません。

 そんなある日、なんとお父さんがテレビに出ることになりました。お父さんも一応芸能人なのに、クラスのだれもお父さんを知らないのを悔しく思っていた仁はうれしくてたまらず、クラス中にそのことを言いふらしました。
 しかしお父さんがテレビに出た翌日、仁は学校を休んでしまいます。
 それというのもお父さんはカッパの着ぐるみを着ていて、台詞は鳴き声が2回ほど。その声で辛うじて、仁にはそのカッパがお父さんだとわかったのでした。

 この番組はお父さんの師匠も見ていて、仁のいないところでこっそりと、お父さんを諭します。師匠も師匠で売れているとはいいがたいものですから、自分みたいになる前に、堅い仕事についてはどうかと。
 お父さんの出した答えは「あと一回だけ」。カッパになったテレビ局で開催される「お笑い新人賞」で、結果を出せなかったらすっぱりあきらめる。

 この日を境に、お父さんの真剣勝負が始まります。

お父さんのペット戦争

 ペットがいないということで、同級生の馬之助に馬鹿にされ続けてきたセミ丸。しかしそれも今日で終わりと、血統書付きのチワワを連れて意気揚々と道を行きます。馬之助の飼い犬は確かに立派な犬でしたが、あちらは雑種。今日こそ鼻を明かしてやると思っていたセミ丸でしたが、馬之助が連れていたのは、大きな土佐犬だったのです。

 これを皮切りに「どっちが珍しいペットを連れていくか」という意地の張り合いが勃発します。お父さん同士の確執も相まって、エスカレートする一方。
 セミ丸のお父さんは田中一郎、馬之助のお父さんは鈴木太郎。お手本のようなその名前で二人していじめられていたものの、そのせいで二人とも目立ちたがりで、人のしないことをしたがるようになってしまったとセミ丸のお父さんは語ります。
 そして今、セミ丸のお父さんは魚屋さんで、馬之助のお父さんは動物園の園長さん。「ペット戦争」は、どうやって終結を見るのでしょうか。

お父さんのロックンロール

 小筆ちゃんはとっても憂鬱。どのくらい憂鬱かというと、普段はしない買い食いをして、よろず屋のチヨノばあちゃんに驚かれるくらい憂鬱でした。
 チヨノばあちゃんも、そんな小筆ちゃんを見るのは初めて。ご近所で長い付き合いのよしみ、困ったことがあるなら話してごらんと言われるままに語りだした小筆ちゃんの悩みは、ほかでもないお父さんのことなのでした。

 小筆ちゃんのお父さんは、テレビ局で働いています。それを友達に話すとみんなあこがれの目をするのですが、当事者のお父さんにすると、あまり面白くない仕事の様子。その面白く無さをよそで発散しているのか、それとも元からそういうたちなのか、お父さんは「変人」でした。

 お父さんほどではないにしても、ちょっぴり「変人」なお母さんと一緒になって、帰ってくるたび玄関先でコントのようなやり取りを大声でするし、怪しげな健康食品の訪問販売が来れば、病人のふりをしてかつぐし……。
 そんなお父さんがあろうことか、家庭訪問の日に偶然休みを取っていたのでした。しかも小筆ちゃんの担任は、若い女の先生。お父さんは何かやらかす気満々で、嬉々として準備をしています。先生にお父さんの変なところを見られたら、もう学校にいけないと嘆く小筆ちゃんでしたが、彼女のためにチヨノばあちゃんが、一肌脱いでくれるとのことで……。

子どもと、子どもだった大人のために

 この本のあとがきは、子どもに向けて書かれています。
 「ぼくは小さいころ、早く大人になりたくてしかたがありませんでした」から始まる、優しい文章です。
 大人は子どもと全く違う存在ではなくて、子どもにいろいろなものがくっついてできたのが大人である、というくだりは、大人が読んでも納得です。
 
 この機会にあなたの周りの大人、あるいはあなた自身の中の「子ども」を、探してみてはいかがでしょうか。

参考元

  • ・お父さんのバックドロップ集英社

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