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出典:amazon

2017/04/06
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歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉~歌舞伎はこんなに面白い~

神と人とが織りなすスペクタクルエンターテインメント。古代の日本を舞台にしたロックでポップな「阿弖流為」から目が離せない。

目次

阿弖流為の時代

舞台は古代の日本。日本という概念がまだなく、大和朝廷が勢力を伸ばしつつあった頃、北の部族である蝦夷は、その勢いに飲まれまいと必死で抵抗していました。

阿弖流為は、古代史に名を遺す、蝦夷の族長です。日本の正史である『続日本紀』にも名を残しており、教科書や資料集にもその名が掲載されるようになってきました。
 
この阿弖流為よりも有名なのが、坂上田村麻呂で、大和朝廷側の人間として、蝦夷征伐に向かいました。

「歌舞伎NEXT阿弖流為」はこの蝦夷の族長阿弖流為と、大和朝廷から蝦夷征伐を任された坂上田村麻呂を巡る話となっています。

阿弖流為は「もののけ姫」アシタカの先祖?

スタジオジブリの作品「もののけ姫」の主人公アシタカヒコことアシタカは、北の地の果てに隠れ住む部族です。

映画の中で、「大和との戦いに敗れ五百十余年」と話していることや北の地に隠れ住んでいること、神を祀って不思議な呪いを行っていることなどを合わせて考えても、おそらく蝦夷の末裔であると考えられます。

阿弖流為はそれよりもさらに五百年程前、まだ神が力を持ち、神話の世界が生きていた頃の話です。

歌舞伎なのに言葉がわかりやすい?

歌舞伎と聞くと、「伝統芸能だから難しそう」「江戸時代の言葉とかわからない」という話をよく聞きますが、そんなことはありません。
 
そもそもこの「アテルイ」ですが、2002年に劇団☆新感線において、「作:中島かずき、演出:井上ひでのり、阿弖流為役:市川染五郎」というメンバーで行われた公演を歌舞伎化したものです。

歌舞伎は江戸時代に作られた古典的なものから、現代の作家さんによって作られた現代的なものまで幅広くあるのです。

現代の歌舞伎、新作歌舞伎は当然、現代の作家さんによって作られたものですから、言葉は現代語となっています。セリフがとてもわかりやすいのが特徴です。

役者さんが素敵

素敵な役者さんが勢揃いされており、間の取り方や、動きでの感情表現なども言うことなし。話にのめりこんで、泣いたり、笑ったりするほど疲れてしまうくらいです。

そんな中でも、メインキャストとなる3人をご紹介します。

阿弖流為

主人公・阿弖流為を演じるのは、市川染五郎丈です。
年齢を重ねていくにしたがって、ますます色気が出てきました。演技の幅も広がり、ますます素敵になっています。

顔貌も整っており、英雄阿弖流為にぴったりです。「歌舞伎の役が要求する身体的かつ芸風の条件」をニンと呼ぶのですが、まさしくニンにはまっているということができます。

坂上田村麻呂

阿弖流為の最大のライバルであり、大和朝廷から派遣される坂上田村麻呂を演じるのが、中村勘九郎丈です。

父である亡き勘三郎丈にますます似てきていますが、勘九郎丈は「阿弖流為」のような歴史ものがよく似合う大きな役者さんになりつつあります。
正々堂々としていて正義感が強く、阿弖流為のライバルであり友として演じられる坂上田村麻呂は見事という他ないでしょう。

立烏帽子/鈴鹿

阿弖流為の恋人は、中村七之助丈が演じます。
最近、菱川師宣の「見返り美人」的な和の色気があふれ出ていますよね。

カッコよくて美しい立烏帽子の役に、こちらもぴったりです。
大立ち回りの最中も、舞を舞う様に相手を倒していくのが圧巻です。

話の筋が面白い

物語は大和の都から始まります。
都では蝦夷の「立烏帽子党」を名乗る盗賊一味が人々を襲っていました。都の人々は蝦夷に対する嫌悪感が募らせていきます。そんな中、その盗賊を止める美しい舞姫が現れます。

彼女こそ「立烏帽子」。自分たちの名をかたる盗賊の正体を見極めるため、本物の立烏帽子の頭目が変装して紛れ込んでいたのです。

そこに都の役人として都を見回っていた坂上田村麻呂、そして、「北の狼」を名乗る謎の青年が現れます。

この立烏帽子と北の狼こそ、蝦夷の神・荒覇吐(あらはばき)の怒りをかい、故郷を追われてきた阿弖流為とその恋人でした。

ここで坂上田村麻呂と阿弖流為は相手を讃え、尊敬にも似た気持ちを抱き合います。
友情というべきものを感じますが、阿弖流為は大和と戦うため蝦夷に帰り、坂上田村麻呂は蝦夷征伐へ向かうこととなるのです。

シネマ歌舞伎で2017年7月に上映予定

歌舞伎の大原則を守りながらも、ロックになったり、ポップになったりするので目が離せません。
ストーリー展開やスケールの大きさも素晴らしく、それでいて、「日本人とは何なのか」を深く考えさせるものとなっています。

しかし、「阿弖流為が観たい」となったとき、歌舞伎の最大の弱点が立ちはだかります。
そう、いつでも観られるわけではないということです。

同じ役者さん、同じ場所、同じ月にやったとしても、同じものではない。
それが歌舞伎の魅力の一つであると同時に、弱点でもあります。
そうそう同じ演目を毎年やってくれるわけではありません。

それでは阿弖流為が観られないのかというと、実はそういうわけではないのです。

シネマ歌舞伎は、歌舞伎の演目の中でも数本を映画館で観ることができるという素敵な企画です。
2017年7月、「歌舞伎NEXT阿弖流為」が上映されます。期間が短いので、観たい方は要注意です。
 
この機会にぜひ、阿弖流為をご覧ください。

歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉 | 作品一覧 | シネマ歌舞伎 | 松竹 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/31/

歌舞伎の舞台公演をHDカメラで撮影し、映画館の大スクリーンでのデジタル上映で楽しむ、シネマ歌舞伎。まるで劇場の特等席で鑑賞しているかのような迫力で、豪華な俳優陣でお贈りする歌舞伎をご堪能いただけます。

参考元

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