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出典:amazon

2017/06/02
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囚われの姫に出来る事は「寝る事」だけ『魔王城でおやすみ』

ファンタジーでお約束なのは、「魔王vs勇者」の対決です。 そして、その対決を見守る囚われの美しき姫。 魔王に勝利した勇者には、囚われていた姫からの熱い愛が与えられるのが定番です。 でも、そんな最終決戦まで「囚われの姫」は何をしているのでしょう? そんな疑問に答えたマンガが、『魔王城でおやすみ』です。

目次

あらすじ

人と魔物が争いを繰り広げていた時代。
魔物の軍団を統べる「魔王」と「勇者」率いる人類は、絶え間なく戦いを繰り広げていた。

だが、魔王は、人類を統べる統一国家「カイミーン国」から、その姫「オーロラ・栖夜・リース・カイミーン」を誘拐する。
その後を追った「勇者」だが、魔王の牙城である「魔王城」までは数多くの妨害がありたどり着けない。

人質として魔王城に幽閉された姫、しかし、王族として公務に勤しむ多忙な生活から一転して「何もする事が無い」生活になり暇を持て余す。

「…寝る以外にする事が無い…」

そこで姫は、魔王城でより良い安眠を求めて創意工夫を開始した。

囚われた姫の日常

本作品は2016年から少年サンデーで開始されたショートコメディです。

ファンタジーではお決まりの設定である「囚われの姫」が、バイタリティ溢れた少女だったら…という設定で物語が展開します。

大事な価値がある人質という地位を武器に、主人公「オーロラ・栖夜・リース・カイミーン」通称「スヤリス姫」は好き放題に行動します。

口下手ですが、マイペースで行動派な性格なので魔王城の危険地帯にも侵入し、毒による麻痺を睡魔と勘違いして死亡する事もしばしば。

でも、ファンタジー世界なので死んでも「復活」してもらっています。

振り回される魔王達

ちょっと目を離すと檻から脱獄し、好き放題に魔王城で暴れる「スヤリス姫」に参っている魔王達。
あまりに手に負えないから姫の身柄を開放しようかと思い悩む程です。

この魔王を含む魔物達に、人類と雌雄を決する戦争中という雰囲気は皆無です。
魔王に至っては、魔王城へ向かおうとしている勇者の旅路を監視し、時には勇者達に有利になる様に誘導しています。

更には「フラグ管理」「戦闘バランス」と、宿敵である筈の勇者を気遣う様な指示やセリフも垣間見えます。
時には、有効なアイテムを勇者が入手できる様に計らったりと、どうにも「世界征服」には本腰ではない様子。

物語はコメディですが、それだけでは説明がつかない様な振る舞いが魔物達にはあります。
基本的に姫に対して友好的であり、姫の境遇を不憫に思い擁護する魔物も居ます。

深読みすると、単純に「魔王vs勇者」という図式のファンタジー世界というだけでなく、メタフィクション的な設定が存在する可能性を示唆しています。

さらに振り回されている「勇者」

本来ならばヒーローであり、物語の主人公である筈の「勇者」ですが、本作品の勇者は魔王などの回想で後ろ姿を見せたりしています。
しかも、助けられる立場の「スヤリス姫」からも名前すら憶えてもらっていない不運な存在です。

物語の「圏外」で頑張っているという事は魔物達の報告や魔王のセリフから伝わりますが、いまだ魔王城の居場所が特定できずに諸国をさ迷っている途中の様子。

魔王が勇者に対して仕組んだ試練の攻略に必要なアイテムを、スヤリス姫が快眠グッズへ流用して壊してしまう。
勇者抹殺に造った強力なロボットを、これまた安眠グッズ作りにいそしむスヤリス姫によって破壊する。

そうしたアクシデント(原因はほぼスヤリス姫)によって、魔王城へ到達するにはまだ時間がかかる様です。

物語に出る台詞などから「勇者」の現在を読み解くと、どうやら勇者はまだ新米の様子。
勇者には必須の聖剣や魔剣は所有しておらず、魔法使いや戦士などの仲間については言及されていません。
魔王とは対峙している様子ですが、まだ戦闘はしていない様です。

スヤリス姫を奪還する為に厳しい旅を続けている「勇者」ですが、魔王城で縦横無尽に暴れているスヤリス姫を見ていると、その境遇は不憫で、魔王討伐の旅路が徒労に終わらない事を祈らざるを得ません。

コメディとして、更にはマンガとしても、「快眠を探し求める」という新しいテーマの本作品。
ファンタジーに登場する武器やアイテムを上手く利用して、健やかな安眠を求めるスヤリス姫が活躍するストーリー。

眠れぬ夜にはピッタリの一作です。

参考元

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