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2019/04/24
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『ブルージャスミン』この美しくも残酷な映画で彼女が本当に大切にしていたものとは?

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2013年(日本では2014年)に公開された「ブルージャスミン」。監督はウディ・アレン、主演はケイト・ブランシェットが務めたこの作品は多くの賞を受賞しています。ウディ・アレンが描く美しい世界とは対照的に、悲しいほど残酷にも見える「ブルージャスミン」を今回は紹介します。

目次

『ブルージャスミン』のあらすじ

サンフランシスコに向かう機内のファーストクラス。美しく着飾ったジャスミンは隣席の老婦人に延々と自分のこれまでを語ります。

最初は微笑ましくジャスミンの話を聞いていた老婦人ですが、ジャスミンの一方的な話に段々とうんざりして、連絡先も交換せずに彼女の元を去って行きます。

かつてニューヨークで夫のハルと共にセレブな暮らしを送り、社交界の華と言われていたジャスミン。ところがある罪によりハルは逮捕され、全財産を失くした上に莫大な借金まで背負っていました。

すべてを失い、仕事の経験もないジャスミンは血の繋がっていない妹のジンジャーを頼ってサンフランシスコにやって来たのです。

ジンジャーと共同生活を送るようになっても、ジャスミンはかつての華やかな生活が忘れられず現実逃避にますます拍車がかかっていきます。

そんなある日、ジャスミンはパーティーで外交官のドワイトと出会い、自分のことを偽って婚約までこぎつけるのですが・・・。

『ブルージャスミン』のキャスト

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アカデミー賞主演女優賞を始め、多くの賞に輝いた「ブルージャスミン」のキャストをまとめてみました。

ジャスミン役はケイト・ブランシェット

主人公ジャスミンを演じるのは、1998年の「エリザベス」、2004年の「アビエイター」などでも多くの受賞歴があるケイト・ブランシェット。

セレブな生活から転落しても尚、過去が捨てきれないジャスミンを見事に演じたケイト・ブランシェットは、本作で待望のアカデミー賞主演女優賞を受賞しています。

ジャスミンの夫ハル役はアレック・ボールドウィン

ジャスミンの夫のハルは、ハンサムでタフな実業家。演じるのは、映画・ドラマ・コメディバラエティ番組と幅広く活躍しているアレック・ボールドウィンです。

一部では、ハルのモデルとなった人物は実業家でありNASDAQ(ナスダック)の元会長でもあったバーナード・L・マドフで、ジャスミンのモデルとなったのが彼の妻ではないかと言われています。

ただし、監督であるウディ・アレンはインタビューでこれを否定しています。

ジャスミンの妹ジンジャー役はサリー・ホーキンス

2008年公開の映画「ハッピー・ゴー・ラッキー」でゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞したサリー・ホーキンスが、ジャスミンの妹であるジンジャーを演じています。

サリー・ホーキンスは、2007年の映画「ウディ・アレンの夢と犯罪」にも出演していて、本作で再びウディ・アレンとタッグを組んでいます。

サリー・ホーキンスはイギリス出身であるため、英語の発音がアメリカのそれとは違っていたため、本作では発音指導を受けてこの役に挑んでいます。

『ブルージャスミン』の監督はウディ・アレン

「ブルージャスミン」の監督は、人間の心理描写においては天才と称されるウディ・アレンです。

賞嫌いなのに、ノミネート回数は最高記録

ウディ・アレンは、ノミネート・受賞も含め、これまでにアカデミー賞に24回も名前を連ねています。これは現在のところ、最高の記録となっています。

そんなウディ・アレンですが実は賞にはまったく興味がなく、「アニー・ホール」や「ハンナとその姉妹」、「ミッドナイト・イン・パリ」でアカデミー賞を受賞した際も授賞式を欠席しています。

今作の「ブルージャスミン」もアカデミー賞の脚本賞にノミネートされていますが、こちらも欠席しています。

賞嫌いと揶揄されるウディ・アレンは、かつて1度だけアカデミー賞の舞台に登場したことがあります。それが2002年に行われたアカデミー賞の授賞式です。
ウディ・アレンは「9.11アメリカ同時多発テロ」の犠牲者の追悼コーナーで、ニューヨークと映画に対する思いを述べています。

これまで授賞式にすら出席していなかったウディ・アレンの突然の登場に、観客はスタンディングオベーションで彼を迎え入れています。

最低賃金でも出演したい女優は後を絶たず

ウディ・アレンと言えば、出演者にはSAG(現在はSAG-AFTRA)が定めた最低賃金しか支払わないことも有名です。そんな条件であっても、彼の作品に出演を望む女優は後を絶ちません。

その理由の1つがウディ・アレンの作品から、アカデミー賞受賞者が多数出ていることが挙げられます。

古くは「アニー・ホール」でアカデミー主演女優賞を受賞したダイアン・キートン。アカデミー助演女優賞は、ミラ・ソルヴィノ、ダイアン・ウィースト、ペネロペ・クルスらが受賞しています。

本作でも、ケイト・ブランシェットがアカデミー主演女優賞を受賞し、サリー・ホーキンスも助演女優賞にノミネートされています。

ウディ・アレンはこの事に関して、インタビューで次のように話しています。

彼女らは僕の映画ではまったく稼げないが、僕の映画でオスカーを取れば、その後、ほかの人たちからごっそりお金をもらえるようになるよ

出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/saruwatariyuki/20140304-00033211/

女優の魅力を最大限に引き出す術に長けているからこその発言ですね。

『ブルージャスミン』の作中に何度も流れるあの曲は?

「ブルージャスミン」で何度となく流れる曲は、ジャズのスタンダードナンバーとして有名な「ブルームーン」です。

この曲は1934年に発表され、現在まで多くのミュージシャンがカバーしています。

ちなみに、ブルームーンとは次のことを指しています。

二分二至(春分・夏至・秋分・冬至)で区切られた季節の中に4回満月があるときに、その3つ目をブルームーンと呼んだ

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%B3

こちらの説に基づけば、次のブルームーンは2019年2月19日になるそうです。

数年に一度しか見られないことから転じて、「あまり起こり得ないこと」という意味で使われています。

何気なく使われている曲ですが、こちらの曲の歌詞と本作はまったく無関係というわけではないようです。理由が気になる方は、ぜひ「ブルームーン」の歌詞を調べてみてはどうでしょうか。

ジャスミンにとって大切なものとは?

スタイリッシュであり、エスプリの効いた作品が多いウディ・アレンのご多分に漏れず、「ブルージャスミン」も彼の王道を行くストーリーとなっています。

クロスするジャスミンの過去と現在、次第に心を病んでいくジャスミンの姿がどのように映るかは観客次第です。

この作品では、ただ単に一人の女性がセレブリティから落ちぶれていく様子を描いているだけでなく、虚栄とプライドを捨てきれないジャスミンが本当に望んでいた物、大切にしていた物が何かを問いかけています。

どのような答えが導き出されるか、そこはやはりウディ・アレンらしく最後は観客に委ねられています。

ジャスミンにとって大切なものは果たして何だったのでしょうか。

参考元

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