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2017/06/20
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魔法少女からの原点回帰コメディ「境界のミクリナ」

自由自在に魔法を使う少女という設定は、数多く存在します。 最近は、「魔法少女」と呼ばれるジャンルで括られ、大半がシリアスなストーリーです。 そんな中で本作品「境界のミクリナ」は、主人公ミクリナが魔法でトラブルを巻き起こすドタバタコメディです。

●あらすじ

中世ヨーロッパに起こった魔女裁判により、本物の魔女達は魔界へ移住していた。

迫害されながらもなお人間世界への復帰を望む魔女達は、幼いながらも精霊魔法の使い手である「魔女・ミクリナ」を先兵として派遣する。

しかし、現代世界の科学技術の前では、中世時代の魔法は時代遅れで効果なし。
途方に暮れていたミクリナは、独り暮らしの女子高生「榎本さん」の所へ転がり込む。

そして、魔界に住む魔女達の期待を一身背負ったミクリナは、あの手この手で世界征服を企てるのだ。

●魔法少女と呼ぶより、「魔女っ娘」と呼びたい主人公「ミクリナ」

・作者「松本ひで吉」

男性名ですが、実は女性マンガ家です。

女子高生がサバイバルゲームに参加するというオタクっぽい設定でありながら、少女マンガ雑誌の大手である「なかよし」に連載され、アニメ化もされたコメディ「さばげぶっ!!」が代表作です。
他にも、短時間アニメとしてフラッシュアニメ化もされた「ホントにあった霊媒先生」があります。

最近では、ツイッターでは自宅で飼育している犬と猫について、生態の違いを愉快に書いた作品が人気を集めています。

・魔法少女ではなく「魔女っ娘」

最近は魔法を使う少女を「魔法少女」と呼びます。
1980年代では、「魔女っ娘」と呼ばれていました。
実はこの「魔女っ娘」という言葉は「悪い魔女」を連想するとのことで、TVでは禁止用語にされた言葉です。

ただし、ジャンルとしての「魔女っ娘」は、ドジっ子でありながらも弱きを助ける姿を描いたコメディ作品が大半でした。
その後に登場する「魔法少女」は、「魔女っ娘」とは系統が違い、シリアスな物語が多くなります。

読者などが抱くイメージとして「魔女っ娘=コメディor子供向け」というのが一般的でした。
「魔法少女」では、物語をシリアスにすることで「魔女っ娘」のイメージを裏切り、読者へインパクトを与えています。

現在のアニメやマンガの大半は「魔法少女」が主流となっています。
「境界のミクリナ」は、そうしたシリアスなストーリーである「魔法少女」物と違ってコミカルな作品です。
「魔法少女」から原点回帰した「魔女っ娘」物と言える作品です。

・個性的なメインキャラクター

通常、こうしたコメディ作品では魔法使い側が世間知らずで傲慢、コントで言うならば「ボケ担当」となっています。
逆にそんな魔法使いの暴走を抑え、面倒を見る人間は「ツッコミ担当」なのがオーソドックスな役どころです。

しかし、本作品ではその役割を逆転させることで新しいストーリー展開を創っています。
世界征服を望みながらも、根は正直かつ素直で、社会に適合してゆくミクリナ。
それに対して、人間側の主人公「榎本さん」は後先を考えない性格です。

榎本さんが親から貰った生活資金を全て宝クジへつぎ込み、トラブルを引き起こす「ボケ」担当になることが多々あります。
そうかと思うと別の話では、現代社会に来て間もないミクリナが、「世間ずれ」で「ボケ」になる場合もあります。

ストーリー展開で役どころが変化するのも、この作品の魅力です。

・実はしっかり考証されています

作者の「松本ひで吉」は「ホントにあった霊媒先生」で、鳥取県境港市で行われている「妖怪検定」を受験。
さらには、水木しげる先生や京極夏彦と対談を行うなど、「その筋」の多くの人達とも交流があります。
本作品でも、中世時代の魔法の効果や、魔女の生態に関する記述が散見されます。

コメディ作品では、そうした考証よりも雰囲気を優先するものです。
別作品の「さばげぶっ!!」でも、モデルガンの仕様やサバイバルゲームでのルールや用語などが用いられています。
本作品でも、他のファンタジーに登場する派手なアクションの魔法ではなく、実際に中世から伝わる「地味な魔法」が多数登場します。

「松本ひで吉」はしっかりとした裏付けと取材で作り上げた設定によって、作品の独自性を際立たせています。

●まとめ

設定だけならば、オーソドックスな「ヘタレの侵略者」が悪戦苦闘するコメディです。

しかし、しっかりとした考証による魔女と魔法の設定や、特異で個性的なキャラクター達によって、独自の世界観とテンポを持つコメディ作品となっています。

参考元

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written by 悪魔ベリアル

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