日銀が大株主になっている銘柄特集

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日本銀行がETFの買入れを始めたのが2010年10月の金融緩和以降から続いており、今までにない方法で2010年11月から指数連動型のETFを購入し日本経済を刺激しています。金融緩和の施行当初は日経平均株価とTOPIXに連動するETFにのみの買付でしたがJPX日経インデックス400の追加や買付購入額の大幅な増額を決定したりしています。

今や日本銀行はETF市場での占有率が70%程にも上り、日本銀行は多くの日本企業の大株主になっています。そこで今回は日銀が大株主になっている銘柄一覧についてご説明させて頂きます。これから株式投資を始める方必見です。

【目次】

  • 日本銀行と株式の購入
  • 日本銀行が大株主になっている銘柄とは
  • 日本銀行が保有している銘柄での運用の注意点

1.日本銀行と株式の購入

日本銀行はETFの買付を行っているのになぜ大株主になっているのかをご説明させて頂きます。ETFとはExchangeTradedFundのことで一般的に上場投資信託のことを指します。このETFは特定の相場指標に連動するように設定されていて、証券取引所に上場しているため株式と同様にリアルタイムで自由に売買することができます。

このETFには日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)や特定業種などの株価指数連動型が主流になっています。株価指数連動型以外には金などの商品指数などに連動するものもあります。日本銀行では現在、主に①日経平均株価と②TOPIX連動型③JPX日経インデックス400のETFを購入しています。これらは株価指数連動型上場投資信託になります。

株価指数連動上場投資信託の特徴

一般的に銀行や証券会社で売られている投資信託とは異なった特徴があります。

・指値や成行注文ができる
・立会時間中であればいつでも自由に売買できる
・どの証券会社を通してでも売買することができる・買付手数料と売却手数料がかかる

以上が日銀が購入している株価指数連動上場投資信託の特徴です。日本銀行がどの指数をどのくらい購入しているのかは正確には発表されておらず、民間企業が試算を発表しているに留まっています。このため日本銀行がETFを購入すると言うことは間接的に個別株を購入していることと同じことになります。日経平均株価は東京証券取引所第一部上場銘柄から選定された225銘柄から構成されていて、TOPIXは東京証券取引所第一部上場の株式全ての銘柄が対象になっています。

日本銀行はなぜETFを購入するのか?

日本銀行はなぜETFを購入するのでしょうか?それは日本銀行は法律によって直接固有銘柄を買い付けることができないからです。

2.日本銀行が大株主になっている銘柄とは

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日本銀行のETF購入により大量保有している主な銘柄を説明します。

ファーストリテイリング 9983

世界第3位のSPA大手の㈱ファーストリテイリング。ユニクロやGUなどグローバルブランドを展開していて、本社は山口市佐山になっています。株価は46,900円(4月12日現在)で100株単位での購入のため最低でも47万円ほどかかります。

銘柄名 ㈱ファーストリテイリング 証券コード 9983
市場 東証一部 単元株数 100株
業種分類 小売業 株価(2018.4/12時点) 46,900円
連結事業 国内ユニクロ 海外ユニクロ
グローバルブランド
本社所在地 山口市

ファーストリテイリングは発行株の19.85%をETFによって保有されていて、日本銀行はそのうちの11.91%を間接的に保有しています。

アドバンテスト 6857

㈱アドバンテストとは半導体検査装置で世界シェアを誇っている企業でDREAM用に至っては世界第1位のシェアを獲得しています。電子ビーム露光装置や非メモリ用でも知られている企業になります。事業内容は半導体・部品テストシステム事業、メカトロニクス関連事業やサービス業などになり、1954年設立の老舗企業になります。

銘柄名 ㈱アドバンテスト 証券コード 6857
市場 東証一部 単元株数 100株
業種分類 電気機器 株価(2018.4/13時点) 2,295円
連結事業 半導体・部品テストシステム、
メカトロニクス関連、サービス
本社所在地 東京都千代田区

2017年8月時点での日本銀行の間接的な保有割合は17.6%にも上っており、このまま日銀が買付を続けると22年3月末時点では28.4%もの割合に上がります。

太陽誘電 6976

太陽誘電とは各種電子部品の開発や製造、販売などを行っている企業になります。1950年に設立されて本社を東京都中央区に構えています。セラミックコンデンサやインクダクタ、モバイル通信用デバイスやモジュール、エネルギーデバイスなどを生産しています。スマートフォンなどの通信機器や自動車などの産業機器、ノートパソコンやタブレットなどの情報機器など幅広い範囲で太陽誘電の製品が使われています。

銘柄名 太陽誘電㈱ 証券コード 6976
市場 東証一部 単元株数 100株
業種分類 電気機器 株価(2018.4/13時点) 1,908円
連結事業 コンデンサ51やフェライト、
応用製品や複合デバイスなど
本社所在地 東京都中央区

2017年度時点では日本銀行は間接的に15%ほどを保有していましたが、今後2022年には23%ほどに上昇すると予測されています。

TDK 6762

TDK㈱は東京都港区に本社を置く企業で、コンデンサやインダクタ(コイル)EMC対策製品や高周波製品、電圧・電流・温度保護素子、センサやセンサシステムトランスやマグネットなど様々製品の製造販売を行っています。設立は昭和10年の老舗で従業員は10万人ほどのグローバルカンパニーです。

格付け会社による格付けもA3(ムーディーズ)、A-(スタンダード&プアーズ)、A+(格付投資情報センター)となっており、全ての機関でA判定になっている信用度の高い企業です。

銘柄名 TDK㈱ 証券コード6762
市場 東証一部 単元株数 100株
業種分類 電気機器 株価(2018.4/13時点) 9,710円
連結事業 受動部品、磁気応用製品や
フィルム用製品など
本社所在地 東京都港区

2017年度では14%程の株をETFで保有しています、22年度には23%程まで日銀の占有率があがることになります。

住友大阪セメント 5253

住友大阪セメントは明治40年に創立された老舗の企業になります。東京に本社を置き、売上高はグループ会社などを合わせると平成28年度は2,341億円にもなります。事業内容はセメント関連をはじめ、鉱産品や建材、光電子や新材料関連など幅広いものになっています。セメントやコンクリートの開発や土壌汚染対策、電池材料などの研究開発にも力を入れている企業になります。

格付投資情報センター(R&I)ではA-(長期格付け)、日本格付研究所(JCR)ではAとされていて、安定した運営を行っている企業であると判定されています。

銘柄名 住友大阪セメント㈱ 証券コード 5232
市場 東証一部 単元株数 1000株
業種分類 ガラス・十石製品 株価(2018.4/17時点) 479円
連結事業 セメント、鉱産品
、新材料など
本社所在地 東京都千代田区

住友系の企業になり、国内シェアでは全国第3位を誇っています。産業廃棄物や副産物の受入れ処理を行っており、環境リサイクル関連でも実績がある企業になります。

コナミホールディングス㈱ 9766

1969年に創業されたデジタルエンタテイメントや健康サービス事業、ゲーム&システム事業、アミューズメント事業などを展開している企業になります。東京証券取引所とロンドン証券取引所に上場しており、社員数は連結で4,606人にも上ります。東京都赤坂に本社を置き、日本格付研究所(JCR)の長期格付けでは安定的なA判定を受けていて、長期投資を行いたい投資家に人気のある銘柄になっています。

コナミホールディングスは株式だけではなく社債も人気があります、無担保社債では利率が0.5%~0.65%と高い利率が設定されています。2017年度の売上高は2299億円でモバイルゲームや家庭用ゲーム、カードゲーム等のデジタルコンテンツの制作から販売までで売上高の46%を占めています。

銘柄名 コナミホールディングス㈱ 証券コード 9766
市場 東証一部 単元株数 100株
業種分類 ガラス・十石製品 株価(2018.4/17時点) 5,420円
連結事業 デジタルエンタテイメント、健康サービス、
ゲーミング&システム
本社所在地 東京都港区

スポーツクラブ施設の運営やフィットネス機器の製造販売などでも全国でシェアを誇っており、カジノマネジメントシステムの開発から製造販売サービスも手掛けています。

京セラ6971

京セラは京都市に1959年に設立された企業になります。グループ会社は京セラ㈱を含むと231社、グループ全体の従業員は7万人以上になっています。売上高の51%が機器・システム事業になっていてプリンターや複合機、ソリューションビジネスやスマートフォンなどの携帯電話や情報通信サービスが中心となっています。残りの50%が自動車部品や半導体関連部品、コンデンサやSAWデバイス、水晶デバイスなどの電子デバイス関連になっています。地域別の売上高は日本国内が42%、アメリカが16.1%、アジアで21.4%、ヨーロッパで16.5%となっています。

銘柄名 京セラ株式会社 証券コード 6971
市場 東証一部 単元株数 100株
業種分類 電気機器 株価(2018.4/17時点) 6,087円
連結事業 産業、自動車部品、
半導体関連、電子Dなど
本社所在地 京都市伏見区

株主優待は京セラグループの製品やサービスを株主価格で購入できるなどになっています。

日産化学工業 4021

日産化学工業とは明治20年(1887年)に設立された会社で東京都千代田区に本社を構えています。従業員は連結で2511名になっていて、化学品事業や機能性材料事業、農業化学品事業や医薬品事業、新しいビジネスに挑戦している新事業企画などを展開しています。

海外ではフランスのリヨンや韓国の平沢、米国のヒューストンに子会社を置いていて、国内の生産拠点は袖ヶ浦や埼玉、富山や名古屋、小野田工場になっています。営業利益は2011年以降緩やかに上昇しておりEPS(一株当たりの純利益)は2003年に46.21円だったものが2017年には179円にまで上昇しました。

売上高の半数以上が機能性材料事業と農業化学製品事業が占めています。製品では液晶ディスプレイ材料や半導体材料、無機コロイドや農薬、動物用薬品などが主力製品となっています。

銘柄名 日産化学工業株式会社 証券コード 4021
市場 東証一部 単元株数 100株
業種分類 化学 株価(2018.4/17時点) 4,720円
連結事業 化学品、機能性材料、
農業化学、医薬品、卸売
本社所在地 京都市伏見区

2018年度以降、配当性向を今までの30%から40%に段階的に引き上げ予定で、株主還元率は70%維持を目標設定しています。

コムシスホールディングス 1721

コムシスホールディングスは東京都品川区に本社を構えていて、平成15年9月29日に設立された歴史の浅い企業になっています。従業員は連結で1万人以上になっていて、連結での売上高は3,341億円(平成29年3月期)となっています、主要子会社には日本コムシス株式会社やサンワコムシスエンジニアリング株式会社、株式会社TOSYSや株式会社つうけんなどがあります。上場初値は666円でしたが現在は2,934円にも上昇しています。 

売上高の割合はNTT設備事業が55.2%と半数以上を占めており、その他は社会システム関連事業が20.1%、ITソリューション事業が16.5%、NCC設備事業が8.2%となっています。NTT設備事業とはNTTグループ向けの有線・無線ネットワークの構築のための電気通信設備工事になります。

銘柄名 コムシスホールディングス㈱ 証券コード 1721
市場 東証一部 単元株数 100株
業種分類 建設業 株価(2018.4/17時点) 2,934円
連結事業 日本シスコㇺ、サンワコムシステムG、
TOSYSG、つうけん、コムシス情報システム
本社所在地 東京都品川区

以上の銘柄を日銀が間接的に特に多く保有しています。

3.日本銀行が保有している銘柄での運用の注意点

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日本銀行の総裁の黒田氏の2期目がスタートして、金融緩和の続行が決定しましたが劇薬と言われている今回の金融緩和には問題点(副作用)があります。それが日本銀行が購入したETFをいつ売却するのか?という問題です。 

現在、日本銀行は年間約6兆円ペースでETFの買い付けを行っていますが、これは株式市場の4%もの数字になります。この買付を今後も同じように続けると19年度末には株式全体の5%にまで上昇することになります。つまり近い将来、日本銀行の売却の時期と同時に株価全体が下がる恐れがあると言うことになります。購入金額を減額しても株安をまねく懸念があるため注意しなくてはなりません。

個人でできる日銀保有株の投資のポイント

日本銀行が買入れを続行している間は株価の安定や上昇は期待できますが、問題は売却や購入額の減額に伴う株安リスクです。個人の投資家が日本銀行の保有銘柄で資産運用する場合は以下のポイントを抑えておくと良いでしょう。

・短期売買で銘柄を選ぶ
・配当金狙いで銘柄を選ぶ
・内部留保がある企業を選ぶ
・財務状況が良い企業を選ぶ
・本業以外にも成功している事業がある企業を選ぶ

などがポイントになっています。

短期売買で銘柄を選ぶ

日本銀行の買入れが続行していて、買い入れ額が安定している間は株高を利用して短期売買によって収益を上げることを目的とし、短期売買に向いている銘柄を選ぶこと。値動きが比較的大きい銘柄やトクヤマ4043など、もしくは売買高の大きな銘柄などで短期売買差益を狙う方法などもあります。いずれにしても短期売買なので日本銀行の動きを見ながら取引ができます。

配当狙いで銘柄を選ぶ

高配当を出す銘柄を選んで長期投資をすれば日本銀行の売却時や買付減額時の株安の際も損益を確定せず配当を得ることができます。売却してしまわないと損は確定しないので株を保有し続けることで株安のリスクに対応するという方法です。この場合は、ローリスク・ローリターンの銘柄を選ぶことが大切です。格付けの高い企業など信用度の高い銘柄を選ぶと良いでしょう。安定した収益を上げるインフラ系企業や景気に左右されにくい医療系の銘柄で高配当の株で保有しておくことをおすすめします。

内部留保がある企業を選ぶ

内部留保があるということは、その会社の預金がたくさん貯まっていることになります。そのため、株安になったとしても会社がお金を持っているため突然の倒産や破綻を起こしにくくなります。

財務状況が良い企業を選ぶ

財務状況が良い企業も株安に陥った場合に粘り強く持ちこたえてくれます。特に長期で投資を考えている場合は財務状況を予め確認しておくことをおすすめします。財務状況で重要なのは金融機関からの借りいれがどのくらいか(ないもしくは少ない方が○)、純資産や自己資本比率、1株あたりの純資産などが重要です。1株あたりの純資産はBPSと呼ばれるもので企業の安定性を測る指標になっていて、この数値が高い程企業が力を蓄えているとうことになります。

本業以外にも成功している事業がある企業を選ぶ

本業以外にも成功している事業がある企業も株安時の同時値崩れの際にも緩やかで底堅い動きをします。企業が本業以外の研究や開発を行っているか、もしくは既に実績を残しているかをあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

いかがでしたか。この記事が皆様の一助になれば幸いです。

著者:hironohikari

元大手証券会社で資産運用コンサルティングとして働いていました。現在は投資家兼金融ライターとして活動しています、皆様のお役に立てる記事を配信していきたいと思います。