【財務分析とは?】株式投資を成功させるために

f:id:hironohikari0913:20180317105825j:plain

株式投資はリターンが大きい反面、倒産や破綻した場合には株式はただの紙切れになってしまうというリスクがあります。

 

他の投資と違い、ある日突然保有している株式資産が0円になってしまうこともあります。

昨今ではデイトレードの様に短期間の売買で利益を重ねる方法も人気がありますが、株式投資はやはり中期から長期にかけて投資を行う方が結果的にリターンが大きくなることもあります。

 

但し、中長期投資ではその企業が中長期に渡って利益を出し続けることができることと、健全な財務状況であることが必要になってきます。そこで今回は「成功する株式投資のための財務分析とは?」についてご説明させて頂きます。

 

  <目次>

 

 

1.財務諸表分析とは?

 

財務諸表とは企業が定められた期間の財務状況や経営の成績を複式簿記で示したものになり、決算書とも呼ばれています。この財務諸表を分析することによって企業の倒産リスクや収益力、事業の将来性や会社の資産や適正な株価などがわかります。

 

財務諸表とは、

・貸借対照表

・損益計算書

・キャッシュフロー計算書

 

などになっています。しかし、この財務諸表の数字がたとえ悪くても将来的に業績が回復して数字が良くなることもあれば、現在数字が良くても将来的に悪くなることもあります。

 

一概に財務諸表が会社の未来を決めるとは言えませんが、会社の現状を数字で知ることができます。

株を買う前に投資家が確認できる資料が「決算短信」と「有価証券報告書」になります。

 

決算短信とは決算の発表の際に出される資料のことで、有価証券報告書の方が詳しく情報が記載されています。この決算短信と有価証券報告書は貸借対照表と損益計算書、キャッシュフロー計算書をもとに作成されています。

 

簡単に目を通したい場合は決算短信、株価の分析などに活用したい場合は有価証券報告書を見ると良いです。決算短信には今期の予測なども記載されています。

 

決算短信

有価証券報告書

発表が有価証券報告書よりも早く、今期の予測と要約が記載されているため読みやすい。

決算短信よりも詳しく情報が記載されている。

 

<財務諸表>

貸借対照表

企業の資産の情報や、資産と負債の差額の純資産の明細も記載されている。バランスシートとも呼ばれている

損益計算書

一定期間の収益を表したもの。売上高からコストを引いた収益を示す。

キャッシュフロー計算書

企業の活動を営業活動と財務活動と投資の3つに分けて一定期間の現金収支で計算している。現金の流れが把握できる。

 

決算短信

 

決算短信は証券会社や企業のホームページで確認することができます。決算短信で確認しておくべき項目は連結業績と連結財政状況そして連結キャッシュフローの状況になります。連結業績では売上高と営業利益、経常利益、そして出来れば直近の数年分の動きを確認すると良いです。

 

1株あたり四半期純利益や自己資金利益率(ROE)も確認すると良いです。ROEは自己資本に対する収益の高さを表したもので、数字が高いほど収益率が良く、数字が低いほど収益率が低いことになります。

 

連結財務状況で見るべきポイントは自己資本比率になります。この自己資本比率が高いほど資金に余裕があることになります。60%以上になると財務状況が良い状態になっているため、将来的にM&Aや自社株買などが起こる可能性もあります。

 

連結キャッシュフローでは営業活動によるキャッシュ・フローに着目しましょう。この営業活動キャッシュフローの黒字の数字が高いと本業が順調に運営されていることになります。

 

2.貸借対照表とは?

f:id:hironohikari0913:20180317105848j:plain

 

貸借対照表とは資産と負債について詳しく書かれているものになります。この貸借対照表では一定期間内の企業の財務状況を確認することができ、負債と資産を対照して報告しています。貸借対照表は資産の部と負債及び純資産の部に分かれています。

 

<貸借対照表>

資産の部

負債及び純資産の部

流動資産

容易に現金化できる資産

流動負債

近々返済しなければならない負債

固定資産

現金化が難しい資産

固定負債

支払までに1年以上の期間がある負債

資産合計

流動資産と固定資産の合計

負債合計

流動負債と固定負債の合計

 

資本金

事業資金の元手

純資産合計

資本金と資本余剰金、利益余剰金の合計

負債・純資産合計

負債と純資産の合計

 

以上が貸借対照表に記載されている項目です。流動資産とは現金や定期預金、株式など簡単に売却できる証券などが当てはまります。その他には入金予定がある受取手形や売掛金、貸倒引当金や前払金、棚卸資産とよばれる製品の在庫や原材料などもあります。

 

固定資産には不動産や機械、のれん、特許権やリース資産など「すぐに現金化できるものではないが会社の資産になっているもの」が当てはまります。

 

資産の部を見る場合は、数字で目に見える資産があるのはもちろんですが、固定資産など目に見えない会社の資産にも目を向けると良いです。例えば、企業のM&Aなどでは特許権やソフトウェア、のれんなど経済的効果が高い物が得られることもあります。

 

とくにのれんは目に見えない会社の資産になるため金額に換算しにくいですが、中長期の視点で会社の成長を見ていく場合には重要なポイントになります。

 

負債の部

 

負債の部の流動負債とは、差し迫って支払わなければならない負債のことになります。投資家に支払う社債の償還などもこれにあたります。

 

短期(1年以内の返済)の買入れ金は流動負債、1年以上後の返済の借入金は固定負債に分類されることになります。

 

その他には未払い費用や前受金、引当金(将来、支払う必要がでてくる可能性がある金額)などもあります。固定負債には長期の借入金や社債の償還に伴う支払、退職給付引当金なども該当します。

 

3.損益計算書とは?

 

損益計算書とはその事業年度の経営成績を報告したものになります。損益計算書には売上高、営業利益、経常利益、当期純利益が記載されています。

 

売上総利益が粗利益とよばれる売上高から売上原価を引いた数字になります。営業利益と呼ばれるものが営業活動で得た利益になります。営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費という式になり、会社の本業となる部分でいくら利益を出したかが分かります。

 

販売費や一般管理費にはその年度の営業活動に必要なコストだけではなく宣伝広告費や人件費、研究開発費などの先行投資が目的のコストも含まれることになります。

 

営業外収益には受取利息や受取配当金、有価証券の評価益と売却益、為替差益や不動産賃貸収入などが含まれます。利仰臥位費用には支払利息や有価証券の評価損と売却損、為替差損などが含まれています。

 

経常利益とは?

 

経常利益もしくは経常損失は営業利益と営業外収益から営業外費用を引いた数字になります。この経常利益の推移の状態で事業の採算が合っているかが分かります。

 

この損益計算書では企業の事業の収益率を見ることができ、本業以外の資産運用がうまくいっているかどうかを見ることができます。

 

為替損益を見ることによって、為替レートの変動の影響の受けやすさなども見ることができます。不動産賃貸収入などの収益がある場合は、景気の変動に強いとも読み取ることができます。

 

4.キャッシュフローとは?

f:id:hironohikari0913:20180317105908j:plain

 

将来性をみるにはキャッシュフロー計算書をみると良いでしょう。キャッシュフロー計算書には営業と投資、財務の現金収支を見ることができます。

 

キャッシュフロー計算書は、

①営業活動によるキャッシュフロー

②投資活動によるキャッシュ・フロー

③財務活動によるキャッシュフロー

に分かれています。

 

一般的に企業経営が安定している企業は②がマイナスであっても、①はプラスになっています。

 

5.財務分析のまとめ

 

企業の財務分析を見ることでその会社の株式が投資に値するかどうかの投資尺度を図ることができます。特に重要な尺度を以下にまとめてみました。

 

株価収益率(PER)

企業の収益率に着目した投資尺度になります。株価÷1株あたりの税引後の利益で計算することができます。一般的に同業他社や過去の数字と比較してPERが高い場合は株価は割高、低い場合は割安になります。PERは1株当たりの純利益、もしくは1株当たりの利益と言われる場合もあります。

 

株価純資産倍率(PBR)

企業の純資産価値に着目した投資尺度で、PERと同様に同業他社や過去の数値と比較してこの数字が高いと株価が割高で低いと割安となります。株価÷1株あたりの純資産で計算します。

 

配当利回り

配当利回りは投資金額に対する配当金の割合を示すもので、

1株あたりの配当金÷株価×100

で計算します。

 

配当性向

企業の利益に対してどれくらいの配当を行っているかを表す数字です。この数字が高いと投資家への還元率が高い会社になります。1株当たりの配当金÷1株当たりの税引後利益×100で表します。

 

このようにどの企業の株式を購入するかを財務分析によって選ぶことは中期や長期投資を行う上では大切です。

 

いかがでしたか。この記事が皆様の一助になれば幸いです。

 

著者:hironohikari

前職では大手証券会社のコンサルティング業務に携わり、現在は金融ライター兼トレーダーとして活動しています。皆様のお役に立てる情報を発信していきたいと思います。

無題ドキュメント