投資歴20年の私が米国株の魅力について大いに語ります

投資歴20年の私が米国株の魅力について大いに語ります

「たぱぞうの米国株投資」というブログを書いている、たぱぞうです。日本株から米国株にしてから気づいたこと。それは、「成長国市場が最強」ということ。その良さを広く伝えるために、米国ETFや米国個別株を中心とした記事を書いています。

投資には勝てる投資と勝てない投資があります。自明の理ではありますが、最初にこれを知っておかないと、いくら研究したり、大金を投じたりしたとしても効率よく勝ちを拾っていくことができないです。



私たちの多くは凡人です。これに対して、投資の世界において有名になるのは天才的な才覚を持つ人たちです。そういう才人たちが成功体験をもとに、雑誌や書籍で紹介されています。



例えば小型の個別株投資やFXでの大きなレバレッジで資産を伸ばす人たちは、才能がある人たちです。当たれば短期間で億単位の資産を築くことができます。



しかし、そのほとんどの例において私たちが真似をすることはできません。繰り返しますが、私たちの多くは凡人だからです。では、凡人なりの投資術とはどのような投資になるのでしょうか。



それは米国株投資だと私は考えます。理由は2つあります。



1. 米国自体が成長国である2. 株式投資の法整備が進んでいる



では、この2点を物語る米国株指数のチャートを見てみましょう。

チャートが物語る、右肩上がりの米国株投資

以下で示しているのは、米国株指数で代表的な「S&P 500」のチャートです。
正式名称は、「Standard & Poor's 500 Stock Index」といい、スタンダード&プアーズ社による、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している代表的な500銘柄を抽出した株価指数です。


出典:www.multpl.com「S&P 500 Historical Prices」 

このグラフを見ても分かるように、すでに100年以上にわたって上昇を続けています。また、この間において、3年以上前年比マイナスだったのは3回しかありません。



その3回のうち2回は1929年10月24日に始まった「暗黒の木曜日」、いわゆる世界大恐慌後の混乱によるものです。第二次世界大戦後は1回、2000年のITバブル崩壊にともなうものです。



世界大恐慌の後、回復に少々時間がかかっています。S&P 500の水準が暴落前に戻るのは1950年代ですが、第二次世界大戦後の幾多の経済危機は数年で回復しています。



100年に一度と言われた2008年のリーマンショックでさえも、2013年にはリーマンショック以前の高値を更新。たった5年で元の右肩上がりの推移に戻ったのです。



参考までに、日経平均株価の長期チャートを見てみましょう。

過去、日本も高度成長期は右肩上がりでした。しかし、バブル絶頂期の1989年以降は緩やかな下降を描いています。バブル崩壊までの日本市場は大きな成長性があり、好調でした。



バブルが崩壊するまでは日本株のほうが米国株よりもリターンにおいて優れていたのです。これは年率で10%近くにもなるGDP成長率、団塊世代や団塊ジュニア世代の爆発的な人口の増加が市場としての魅力をもっていたからです。



しかし、現在はすでに人口は減少に転じ、経済成長率は時にマイナスにもなるという時代になっています。とはいえ、このところの日銀のETF買い入れなどで指数は盛り返してきています。

また、東証全体の時価総額はバブル期以来となる600兆円超えを果たしており、2017年現在、非常に好調と言ってよいでしょう。しかしながら、それでもTOPIXや日経平均の指数を買っておけば安心とは言い難いです。それは上記の長期チャートを見ても明らかでしょう。



誰でもできる投資というのは、市場全体が上昇している、つまり市場に連動する指数を買うということです。となると、S&P 500連動の指数への投資をはじめとする米国株ETF((米国市場での上場投資信託))への投資が最適だと私は考えています。



個別株は個別の企業業績に成績が左右されます。しかし、米国株市場全体をカバーしうるETFならば、リターンは必ずしも劇的ではありませんが、比較的着実な資産形成の一助とすることが可能であると言えるでしょう。

出典:守泉理恵(2008)「将来人口推計の国際比較:日本と主要先進諸国の人口のゆくえ」(PDF)P.54 

上のグラフは先進諸国の2005年と2050年の人口比較です。日本が2005年の0.74倍まで人口を減らすことが見込まれているのに対し、米国は1.42倍になることが見込まれています。日本に限らず先進諸国は人口減少、高齢化が課題になっている中で米国は特殊と言えるでしょう。先進諸国の中で米国の人口が比較的多く増えていくのには理由があります。



もともとが移民の国で安定的に移民流入が見込めること、その移民の出生率が高いことが理由です。特に、ヒスパニック系の住民に関しては、現在の米国におけるマジョリティである白人層の人口を、今後超えていく見込みもあります。



人口が増えるということは、ほとんどイコールで生産年齢人口が増えることを意味します。生産年齢人口というのは、国にもよりますがおおよそ15歳から65歳までの人口層のことで、この年代が多いということは、何らかの形で労働している層が多いことを意味します。



つまり、社会保障費が少なくて済むのです。財政におけるもっとも多い支出の1つが社会保障費です。そのため、効率的に経済成長に関わる他の分野への投資ができます。



社会保障費が抑えられ、税収が上がり、そして消費も活気づく、こうした流れを人口ボーナスと言います。かつての日本がそうであったように、人口ボーナスが継続する国は高い確率で経済も好調です。



同様に、開発途上国の中にも人口ボーナスの視点で、有望な国がいくつか散見されます。ただ、開発途上国の場合は法整備が追いついていないことが多く、株主が手厚く保護され、尊重されているのはアメリカをおいて他にありません。

米国市場の良いところは市場の扱う商品が豊富なこと

ドルを持ち、ドルで投資するのは非常に便利です。私は投資資産をドル転しはじめたのは2010年頃からですが、徐々に割合と金額を増やしていきました。その理由は、 
1. 外貨でのインカムゲインが欲しかった
2. 米国株の長期上昇が明らかだった
3. 世界中の優れた株、ETFをはじめとする金融商品が買える

1. 外貨でのインカムゲインが欲しかった

これは海外駐在経験から学びました。私の住んでいた、あるいは行った多くの国では自国通貨だけではなくドルも持っている人が多く、日常でも両方を使用していました。これは自国通貨への信認が低いこと、特にインフレが激しいことへの備えになっていました。
今のところ円は安定的ですが、世界の常識として複数通貨に分散させておくのは資産保全の面でも必要だと思っています。また、分散させるだけでなく、配当などの形で外貨を生み出す仕組みを作っていると、より強いと思っています。

2. 米国株の長期上昇が明らかだった

私がドル転をはじめたのはリーマンショック後でしたので、米国が大規模な金融緩和をはじめたころでした。いわば株式の信認を取り戻すというのは国策でもあったわけです。

長期でのS&P 500を見ても分かるように、基本的には右肩上がりです。そのため、確信をもって買い進めることができました。ある意味では結果論ですが、相場に長くいると確信をもって全力買いできる場面が時々あります。

3. 世界中の優れた多種多様な株・ETFが買える

米国市場には世界中の優れた企業がADR((American Depositary Receipt/米国預託証券:米国以外の国の会社のための円滑な株売買取引等を目的とした預託証券))という形で上場しています。また、ETFをはじめとする金融商品の豊富さは他に類を見ません。ドルを持っておくということは、こうした商品がいつでも買えるということを意味します。
ドルで投資をしていれば、配当金・分配金はドルで入金されてきます。その資金を再投資することで、複利の効果も期待できます。



では、どのような商品が良いのか?

弊ブログ「たぱぞうの米国株投資」では以上のことを踏まえて、米国市場に上場するETFでおすすめの商品をいくつか紹介しています。
1つめは「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」です。ティッカーシンボル((日本株の「銘柄コード」にあたるコード名。米国では一般的に会社名の略称であることが多い))はVTIです。このETFはニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場する株式のほとんどを網羅しており、およそ4000株の個別株群から成っています。



私たちが良く知る大型株はもちろん、上場したばかりの小型株も扱っています。いわば、米国市場そのものに投資することが可能なETFになっています。大変分散が効いているので、倒産リスクも無い、比較的取り組みやすいETFと言えます。



2つめは「バンガード・米国高配当株式ETF」です。ティッカーシンボルはVYMです。こちらのETFは、高配当株式に的を絞ったものです。そのため、比較的高い利回りが魅力です。高配当投資を狙うならば、こういった分配金にフォーカスしたETFに投資をするのが良いでしょう。ただし、米国株の場合は配当控除が使えませんので注意が必要です。



3つめはS&P 500に連動するETFである、IVVとVOOです。それぞれブラックロックとバンガードのETFです。信託報酬は0.04%になっており、激しい値下げ合戦を展開しています。ステートストリートのSPYも同様にS&P 500に連動しますが、こちらは信託報酬が0.09%です。そのため、弊ブログではIVVとVOOをおすすめしています。





もちろん、株式ETFは市場動向の影響を受けますので、リスクはゼロではありません。市場が下落するときには同様にETFも下落します。しかし、リスクを取らないリスク、というのも意識されはじめている昨今ですから、投資に手ごろなETFから入ってみるのは悪くない選択だと思っています。



※この記事は2017年7月現在での内容になります

20年近くになる、米国株ブロガー。「たぱぞうの米国株投資」の運営者。

…続きを読む

*1:米国市場での上場投資信託
*2:American Depositary Receipt/米国預託証券:米国以外の国の会社のための円滑な株売買取引等を目的とした預託証券
*3:日本株の「銘柄コード」にあたるコード名。米国では一般的に会社名の略称であることが多い 

関連記事