<夏休み特別企画>2泊3日、食費予算15,000円で美味しいものとお酒を楽しむ旅「高知県~高知市・四万十市~」


食費の予算をあらかじめ決めておいて、その街の美味しいものをできる限り安く楽しもうという旅。今回は少し早めの夏休みをいただいて、以前から見てみたかった四万十川を目指して高知県へ行くことに。夏休み特別企画ということで、いつもより宿泊期間を長く、また予算も増やして「2泊3泊、予算15,000円(食費のみ)」で周遊する。

《1日目》夕食・一軒目「ときわ」 土佐鶴、かつおの酢じめ他 3,000円

羽田空港から約1時間半で高知龍馬空港に着き、空港から約30分バスに乗って夕方前に高知市内に到着した。調べると、四万十川の観光の拠点となる中村駅までは、高知駅からさらに特急で約2時間必要とのこと。そこで初日は高知市内に泊まることにした。

四万十川は今回が初めてだが、高知市内には高校生の頃に訪れたことがある。十数年ぶりに見る街は全てが新鮮で楽しい。


高知といえば飲酒費用が全国で1位になったこともあるくらいお酒好きな人が多い街として有名だ。今回の旅でも、うまいお酒をたくさん飲めることを楽しみにしてきた。まず向かった先は「ときわ」。事前に高知出身の方から聞いたお店の中で特に気になったところだ。「宵まち横丁」と呼ばれる細い通りにお店はある。


予約をしていた17時30分にお店へ行くと、まだ早いからか、お客は自分一人。小さな店のカウンターに座り、飲み物は何にしようと考える。高知に来て最初の一杯はやはり地酒だろうと、土佐鶴を頼んだ。

お通しのところてんは、つるっとした食感に柑橘系の酸味が香る爽やかなつゆがたまらなくうまい。温泉卵がのっていて、これがさっぱりとしたところてんと合う……。とにかくつゆが美味しく、全て飲み干してしまった。


地元でよく飲まれるという土佐鶴。気に入った。


何か料理を注文しようと看板を見ると、どれもこれも魅力的に思えてくる。「どこから来たの?」と気さくに話しかけてくれた女将さんにおすすめを聞いてみる。すると横から「この店初めて? なら、鰹の酢じめかな」と、笑顔が素敵な主人が教えてくれた。タタキや刺身は食べたことがあるが、酢じめは初めてだ。

鰹の酢じめが運ばれてきた。まずは見た目の美しさに感動。「これはうちだけだよ」と主人が言う。一口食べると、薄く切られた鰹に酸味と甘味のバランスが絶妙なタレがよく絡む。にんにくやみょうがを鰹にのせれば、お酒が止まらなくなる……。土佐鶴があっという間になくなり、おかわりをした。


続いて鰹の身だけで作っているという鰹せんべいを注文。香ばしくて甘さのある鰹に塩とゴマがいい塩梅に合わさる。これまたお酒が進む。


チャンバラ貝も頼んだ。高知では酒の肴として定番だという。楊枝を差し込み、くるっと回して身を取り出す。磯の風味が豊かで、食感もいい。次々と身を取り出し、お酒を飲む。途中やけに取りづらいのが一つあり苦戦していたら、「そんなにやったらだめだよ」と主人が見かねて手をかしてくれた。

「いや、これだけ特に取りづらくて……」と伝えてみたが、「そんなことはない」と楊枝を刺し回してくれた。……が、やはりうまく取れないよう。「これは、固いね」と笑う。「でしょ」と一緒に笑う。そんなやりとりが楽しくて、さらにお酒を一杯頼んだ。


ずっと会話をしているわけでなく、飲んでいるときは放っておいてくれる。適度な距離感が居心地よく、あっという間に時間が過ぎる。次第に常連さんもやってきて、気が付けばお店はほぼ満席に。

最初に頼んだ鰹の酢じめは、最後にみずみずしい新玉ネギをのせてサラダにしてくれた。これだけでお酒が飲める。


明日に備えて早めに切り上げようと思っていたが、楽しくて結局お酒を4合飲んだ。飲みすぎたかなとお会計をすると、なんと3,000円。なんだ、この安さは……。もしかしたらサービスしてくれたのかもしれない。

安くて美味しい、そして大満足のボリューム。それから優しい主人と女将さんとの出会い。来て早々に高知は素晴らしい街だと感じた。隣に座っていた常連さんから鯨のすき焼きも美味しいと聞いたから、次に来たときは頼みたいなあ。

ご馳走様でした。店を出るときに「気を付けて、四万十川行ってきてね」と送り出してくれた。

《1日目》夕食・二軒目「呑兵衛屋台」 しじみラーメン 880円

ホテルへ戻る前に、ときわのお客さんから聞いた「呑兵衛屋台」へ向かった。高知で飲んだ後の〆の定番について尋ねたところ、「安兵衛か、松ちゃんの餃子かな。それか呑兵衛屋台のしじみラーメンもしみますよ」と教えてくれた。餃子も捨てがたいが、いかにも飲んだ後に良さそうな名前が気になり呑兵衛屋台へ。


しじみラーメンは一杯880円。たっぷりとしじみが入った白いスープが特徴的。スープは聞いていた通り飲んだ後の胃にしみる優しい塩味。しじみのうまみが存分ににじみ出ている。麺は細く縮れている。箸が止まらず、最後の一滴まで飲み干してしまった。



高知初日。うまいお酒と料理の余韻に浸りながらほろ酔いでホテルに戻った。

《2日目》昼食「四万十屋」 天然うな重 3,980円

今回の旅の目的でもある四万十川を目指して、翌朝は早く起きた。高知駅から特急列車に乗って中村駅へ向かった。約1時間40分で中村駅に到着。ホテルに荷物を置き、借りた自転車(無料)に乗って真っ赤な「赤鉄橋」を渡りながら横を見ると、念願の四万十川が。



四万十川は思っていた以上に大きくて、奇麗だった。中村まで来るときは遠いな……と思ったが、こんな素敵な風景をすぐに見られてしまったらありがたみがない。だから遠くて良かったのかもしれない。

赤鉄橋から川辺まで下りて、座り、川の流れを眺めているだけでも、毎日忙しなく働いている東京と正反対の穏やかな空気に癒やされる。ずっといられそうな気がした……が、お腹も空いてきたし、やや早いが昼飯をとろうと、ホテルの人にすすめてもらった「四万十屋」へ向かった。

お店は赤鉄橋から自転車で約20分。何もない川沿いをひたすら真っすぐ走るのはものすごく気持ちがいい。


四万十屋に着き、数量限定という天然うな重を頼んだ。四万十川で獲れた天然の鰻をパリッと香ばしく焼き、甘いタレをたっぷりとつけてある。値段は3,980円。安くはないが、思わず一気にかきこみたくなるくらいに美味しくて、その価値はあると思う。



何より2階の座敷で四万十川を眺め、気持ちのいい風に当たりながら食べるうなぎは格別。今回は自転車だったから飲めなかったけれど、川を眺めながらうまい鰻をつまみにビールや日本酒を飲む……っていうのもいつかやってみたいなあ。


夕食の前に沈下橋巡りへ

鰻を食べ、元気をつけたら沈下橋巡りへ。

四万十川の沈下橋とは、増水時に川に沈んでしまうように設計された欄干のない橋のことです。
緑の山々に青い四万十、そして沈下橋という風景は、もっとも四万十川らしい風景でしょう。河口からいちばん近い沈下橋は、佐田(今成)沈下橋で、橋を渡るときの気分はそう快です。(四万十川の沈下橋

昨晩、ときわで出会った中村出身の方に、四万十川へ行ったら沈下橋はぜひ行った方がいいと聞いていた。もっとも近い今成橋(通称:佐田沈下橋)ですら四万十屋から10kmほど離れていたが、地元の人がすすめるなら……と無心になって一人自転車をこぎ続けた。進めば進むほどに緑が深くなって、山道に入ると人がほとんどいない。



約30分ほどこぎ続け、今成橋に着いた。低く細い橋の周りには四万十川と山しかなく、その風景に圧倒された。疲れを忘れるくらいの絶景だ。



今成橋も良かったが、個人的にはそこからさらに約4km、より山深いところにある三里沈下橋がより気に入った。ちょうどタイミングが良かったのか自分の他に誰もおらず、絶景を独り占め。しばらく川辺に座って、贅沢な時間過ごした。



本当は観光ポスターやテレビCMなどでよく使われるという岩間沈下橋まで行こうかと思っていたが、あまりにも遠く(さらに約20km)、行けなくはないが帰りが辛いだろうなと思い断念。夜に備えてホテルに戻って休むことにした。

《2日目》夕食・一軒目「味劇場 ちか」 鰹の塩たたき・地酒他 4,806円

しっかり体力を回復させて、夜の中村を歩き始めた。ホテルからも近い天神橋商店街は、左、右を見ればスナックや飲食店の明かりがたくさん。以前行った酒田に近い雰囲気を感じて期待が高まる。


そんな道を歩きながら向かったのは「味劇場 ちか」。「中村行くなら、ちかさん」そんな話を高知に来てから何度か聞いていて、必ず行こうと決めていた居酒屋だ。


味劇場という名の通り、調理風景を客席から眺めることができる。1階もいいけれど2階からの眺めがより劇場らしい。


船中八策、久礼、酔鯨、安芸虎……高知の地酒が充実する中、自分が高知の日本酒で一番好きな文佳人もあった。グラス500円でこれくらいなみなみに注いでもらえる。最高だ……。


料理は愛想のいいお店の女性が次々とおすすめを教えてくれた。まずは、中村ならではという鰹の塩たたき。大きく切られた身の引き締まった鰹に甘酸っぱいタレが絡む。ああ、うまい……。念願の四万十川を見た後に、一人居酒屋で塩たたきを食べながら、大好きな文佳人を飲む幸せさはもう言葉にできない。



鰹の他に気に入ったのが、この川エビの唐揚げ。小さい体の中にエビのうま味が全て詰まっている。カリッと揚がった身、そして濃厚なみそのうま味と香りが最高。止まらなくなる。


青さのりの天ぷらもいい。熱々でサクッとした食感の後に、じゅわっと青さのうまみが溢れる。塩か天つゆで、と聞いて両方試してみた結果、個人的には天つゆが好みだ。



昼に続いてを。ここでは握りでいただいた。


四万十産土佐にんにくの丸焼きもいいつまみに。


そして最後は地鶏の玉子かけごはん。マルサ醤油のさしみ醤油と濃厚醤油を半々に使うのがおすすめ、ということで試した。ああ、幸せ……。



これらの料理となみなみの文佳人3杯で、5,000円以内に収まる。やはり高知の居酒屋は安い。

《2日目》夕食・二軒目「たんたん」 たんたんめんミニサイズ6辛 610円

お腹に若干余裕があったので、中村の夜の〆として向かったのが「たんたん」という担々麺のお店。飲んだ後に食べる辛いものは格別なはず、と思いながらたんたんめんをミニサイズでオーダー。辛さは中間くらいという6辛。


辛味がありつつも、玉子たっぷりでまろやかな味わい。辛さは「6」でも全然大丈夫だったから次はもっと辛くしてみよう。


うまいお酒を飲んだ後に食べる、こういう辛いラーメンはなんでこんなに美味しいんだろう……。そんなことを考えながらホテルへ戻った。

《3日目》昼食・一軒目「ひろめで安兵衛」 樽ハイセット 750円

翌朝、名残り惜しいが夕方の飛行機で帰ることになっていたので、9時台の特急に乗って再び高知市へ戻った。

事前に高知出身の方からおすすめされていた「高知城歴史博物館」へ向かった。ちょうど2017年の3月から「志国高知 幕末維新博」という博覧会が行われていて、この高知城歴史博物館も会場の一つとのこと。坂本龍馬の書状など貴重な資料が展示されていて、楽しめた。


その後、最後に高知らしいものを食べたいと思い、多くの人でにぎわうひろめ市場へ。


目当てはこの「ひろめで安兵衛」の餃子。初日に聞いて以来、絶対食べて帰ろうと思っていた。樽ハイとのセットにして、念願の餃子をいただく。おお、皮が薄くて、具だくさんでジューシーで、これはうまい……。いくらでも食べられそう。そして昼から飲む樽ハイが最高。完璧な組み合わせだ。



《3日目》昼食・二軒目「土州屋」 辛みそそば 750円

餃子を楽しんだ後に向かったのが、ひろめ市場からも近い「土州屋」。高知らしい、鰹だしの中華そばが有名と聞いて寄ってみることにした。

注文したのは辛みそそば。麺がちょうどよいコシでうまい……。スープは聞いていた通り魚介(特に鰹)の風味がしっかり感じられる。後味はすっきりしていて、飲み続きで疲れた胃にも優しく、あっという間に完食してしまった。ご馳走様でした。



お店を後にし、空港行きのバスが停まる高知駅へ戻った。2泊3日で食べた美味しいもの、美味しいお酒のことを思い出してみた。鰹、鰻、川エビ、青さ、それからラーメンに餃子、全て美味しかった。お酒も良かったなあ。それでいて安い。念願の四万十川はとにかく素晴らしかった。それから会う人会う人が皆優しかった……。

8月10日、11日によさこい祭りが開催されるというポスターを見つけた。行ったばかりだけれど、また来るのもありだなあ。今年が無理なら来年でも。ああ、いい旅、いい街だった。


【今回食事に使った合計金額:14,776円】
※本記事に記載のものは2017年6月30日取材時点の情報です
※予算に含まれるものは食事代(全て税込金額)のみです

著者:Taki (id:s06216to)

Taki (id:s06216to)

1987年、神奈川県横浜生まれ。ブログ「ウォーキングと美味しいもの」では日々見つけた美味しいものや歩いた街について書いてます。