ソニー工場の取得で村田製作所はどうなる?

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村田製作所がソニーが所有していた石川県の工場を取得することが発表されました。村田製作所はその工場でiPhoneなどのスマートフォン部品を制作する予定とのこと。

 

鈍化してきているとは言え、未だにiPhoneやスマートフォンの世界的な需要は大きく、その需要に対する部品の供給のためにも、巨額の投資を投入し、生産の場として石川県の工場を取得することにしたようです。

 

さて、そのように工場を増やしてまで作りたいスマートフォン向け部品とはどのようなものなのでしょうか?

 

村田製作所とソニー関係性を紐解きながら、今回の投資により、村田製作所の業績にどのような影響が見られるか見ていきましょう。

 

ソニーと村田製作所の関係は…

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今回の工場取得の前にソニーと村田製作所の間に大きな取り決めが行われました。

それは村田製作所によるソニーの電池部門の買収です。

 

ソニーの電池事業を買収し、リチウムイオン電池などの生産を強化

以前、環境対応車の記事の中で、リチウムイオン電池を最初に商品化したのはソニーだと書きましたが、ソニーは商品化したのは一番乗りでも、それを大きな収益に繋げていくことができませんでした。

 

不採算部門を整理するということで、リチウムイオン電池を含む電池関連部門を手放すことにしたソニー。

その買い手となったのが村田製作所です。

 

電気自動車にも搭載されるリチウムイオン電池ですが、スマートフォン部品としても使用されています。

村田製作所はもともとスマートフォン部品の生産に力を入れており、今回のソニーの電池部門買収により、ソニーが所有していた海外工場も生産拠点とし、さらにリチウムイオン電池を含むスマートフォン部品の生産増強を行う予定です。

 

ソニーが石川県工場を取得する理由とは

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これまでもスマートフォン部品に力を入れてきて村田製作所が今回、石川県にあるソニー工場を取得することとなった大きな理由はなんなのでしょうか?

 

生産能力の増強で高まる需要に対応

村田製作所がスマートフォン向けにどのような部品を作っているかというと、回路の役割を果たす基盤部品です。

独自技術を駆使した部品は薄型のスマートフォンにも搭載できるため、スマートフォン需要が高まる中、富山県の工場などで生産を行ってきましたが、その需要に追いつけていなかったとのこと。

 

そこで今回はその需要に追い付くためにも、設備投資等を含め総額約300~400億円というかなり大きな額の投資をしてでも工場の取得に至ったようです。

 

村田製作所が生産する部品は高付加価値製品です。

他のメーカーには作れない高品質であり続けることができれば、価格が競争により著しく低下することもありません。

 

他のメーカーに類似品を作られ、価格が低下する前に、村田製作所の独自の技術力を駆使した部品がiPhoneを含む多くのスマートフォンに搭載されることが大切です。

そのためにも、生産能力をいち早く増強する必要があるのです。

 

そういったことを考えると、今ソニーの工場を取得し、生産拠点を増やすということは村田製作所にとって非常に有益な決断と言えるでしょう。

工場取得により、18年度には部品の生産量が2倍に増えるということなので、需要にかなり追いつくことができそうです。

 

実際に村田製作所のスマホ部品のシェアはどれくらい?

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村田製作所が生産しているスマートフォン部品としてとしてはRF部品、モジュール製品、マルチバンド対応品をはじめ、機能や操作性を向上させるセンサ、低損失なコンデンサやパワーインダクタなどがあります。

 

スマートフォン | 村田製作所 

 

それぞれの部品にも様々な種類があるため、色々なタイプのスマートフォンに適した部品を提供できるようになっています。 

 

このようにスマートフォン部品を数多く手がける村田製作所。

今回のソニー工場の取得に多額の資金を投じ、さらなる生産能力の増強を図ろうとしている部品の世界シェアはどれくらいか気になるところです。 

 

それはなんと、「1台のスマートフォン(以下、スマホ)に400~800個搭載される積層セラミックコンデンサで世界シェア約4割」とのこと。

 

 ​【村田製作所】スマホ部品で圧倒的な技術力 M&Aで車、医療、エネルギーに展開 | マイナビニュース 

 

なぜ、これほど高いシェアを誇れるかというと、前述したように、村田製作所は高い技術力を駆使した他社につくれない部品を生産しているからです。

それもそのはず、他社にシェアを奪われないためにも、毎年他社の2倍程度の研究開発費を費やしているのです。 

 

そのようにして生み出された部品は様々なタイプのスマートフォンに搭載されています。ソニーの電池部門を買収したことから、ソニーの持っている技術力やノウハウなどを取り入れることで、電池部門での成長も期待できそうです。 

 

村田製作所の経営状況や株価は? 

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2016年度減益からのスマホ部品の好調で増益転換なるか

2016年度の減益から好調なスマホ部品で増益見込み 2016年度の決算報告では、世界政治の先行き不透明感、円高、そして製品価格の低下から、営業利益は前期比26.9%減を報告してました。

 

しかし、それでも村田製作所はスマートフォン部品に関しては今後も成長が見込める分野であるとみています。

というのは、スマートフォン自体の需要は鈍化しているものの、村田製作所の誇る高い品質の部品は1台あたりの搭載数が増加しているからです。

 

 http://www.murata.com/~/media/webrenewal/about/ir/library/business/81j_ful.ashx?la=ja-jp 

 

部品の高い品質がかわれて搭載数が増加することにより、スマートフォン自体の売り上げが減少したとしても、高いシェアを保つことができれば、スマートフォン部品から得られる利益は大きいということです。

 

この高いシェアを今後も伸ばして行くためにも、生産拠点を増やし、生産量も増やすことから、今回のソニー工場の取得に至ったというのは納得がいきますね。 

 

そういった見込みから、2018年3月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比11%増の1740億円になる見通しだと4月に発表しています。

コンデンサーなど電子部品の販売がスマートフォンや自動車向けに増える予想とのこと。スマートフォンだけでなく、世界の環境対応車の需要による、電気自動車に搭載される部品のシェアを伸ばしていければ、さらなる収益拡大が見込めそうです。

 

 村田製の純利益11%増 18年3月期、スマホ部品好調 :日本経済新聞 

 

スマホ部品増強のニュースで株価上昇

ソニーの工場を取得し、スマートフォン向け部品の生産増強を発表したことが影響してか、村田製作所の株価はこの数日間、上昇しています。

この1年でみてもその株価は上昇しており、昨年の7月には10,500円程度だった株価が最近では17,000円台にまでなっています。

 

今年度の業績が昨年に比べて改善する見込みであることや、収益性の高い部門に投資を行うことで、さらなる増益が期待できるということからも株価が上昇していると思われます。

実際に今回取得した工場での生産を始まることで、増益が実現するとしたら、今後も株価が上昇する可能性は大いにあると言えます。

 

新たな工場取得による村田製作所の増益に期待!

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ソニーの工場を取得することで、高いシェアを誇るスマートフォン部品の増産が可能となった村田製作所。

生産増強により、今後も部品のシェアをさらに増大させることができれば、増益につながりそうです。

株価は高い水準ではありますが、今後の成長を考えると、投資対象として魅力的と言えるのではないでしょうか。      

著者:Yuka

元証券会社の営業担当として得た知識を活かしてみなさんにわかりやすい金融情報を紹介します。

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