購買意欲を高める企業のアプローチを行動経済学の側面からチェック!~賢い消費者になるために~

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女性であれば、節約しなければならないとわかっていてもなかなか削れない項目に「服飾費」があります。

興味がなく必要もなければ服飾費について考えなくてもいいでしょう。

しかし、日常生活もしくは仕事上において、大多数の方にとっては費用がかさんでしまいがちな項目です。

 

今回の記事では、自分の気持ちで決めて購入したと思っていても実は心理的なアプローチや企業の戦略によって、合理的な判断ができずに誘導されて起きている結果をいくつか挙げていきます。

 

自分の心理状態を知ったうえで、どう行動することがベストなのか確認していきましょう。

 

購買してもらうために企業が行っている戦略

ブランド力のある企業は定価で商品を売っていますが、ブランドのイメージを保つために広告費に莫大な費用をかけていることも多いです。

反対に、ユニクロやGUを展開しているファーストリテーリングやしまむらは低価格路線での戦略を行っています。

 

対象となるターゲット層を明確になっているため、行われているアプローチも違っています。

まずは企業側の観点に立ってみることで、消費者に購入してもらうためにどのような方法を取っているのかを知ることが、賢い消費者になることの一歩となります。

 

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行動経済学に基づく心理的なアプローチの事例

これから挙げる事例はよく使われている手法なので、一度は見たり聞いたりしたことがあるはずです。

特に服を売っている店舗をイメージするとわかりやすいです。

それぞれ詳しい事例を見てみましょう。

 

・冷静さを失ってしまう「返品可」

手にするまで商品の品質や使ってみないと実感がわからないことはよくあります。

 

そのときに「もし商品が気に入らなかった場合、〇日以内であれば返品・交換に対応します」と提示していれば、購入のハードルが一気に低くなります。

なぜなら、気に入らないと感じたときに返品・交換の対応をしてもらえるため、元が取れない=損はしないと感じて財布の紐が緩んでしまうのです。

 

消費者目線で見ると、「返品をされたら企業の売り上げが減ってしまうのではないか」と考えがちです。

ところが、実際には1~2割程度しか返品はされていないようです。

 

これは、行動経済学でいう【保有効果】が起きるためです。

自分の持っているものは過大評価する傾向があり、いったん保有したものはなかなか手放したくなる心理が働くからです。

 

通信販売では、この保有効果を利用しているケースが多々あります。

いったん「手にする」ことで自分が手にした商品は価値があると感じます。

そして、返品は購入時よりも手間を必要とすることが多いため(梱包・最寄りの発送場所へ持っていく等)、返品率は大きく下がって結果的に売り上げに繋がっているのです。

 

・衝動買いに繋がる「最初の提示価格」

セールの時期によく見られる光景のひとつですが、気に入った服の値札には最初の値段(定価)が「19,800円」と書いてあり、赤線の二重線で修正されて「9,800円」と販売されていることがあります。

 

この修正された金額を見ると、気に入った商品が1万円お得に購入できると感じませんか?

 

これは行動経済学でいう【アンカリング効果】といわれるもので、最初に示された数字に心が影響を受ける心理を表しています。

二重線で消された値札の19,800円が最初のアンカーになることによって、「9,800円は安い」という感覚が生まれます。

 

最初に示された数字がどこまで適切であるのか消費者はわかりません。

正確な価格情報を持たない消費者側は、アンカリング効果によって不利な状況であることを認識しておかなければなりません。

 

・「セール対象外商品」の意図

根本的な話になりますが「セールは店が損をしてもいいから安売りをすることで顧客の日頃のご愛顧に対して感謝する催し」のイメージを持っている人は多いでしょう。

しかし、そういう意図がまったくないとは言えないかもしれませんが、商売なので基本的には企業は損をしないようになっています。

 

正規の価格で売れれば一番良いのですが、売れ残って処分するぐらいなら多少安くても売れたほうがいいはずです。

セール対象外商品を置く意図としては、先ほどの事例で挙げたアンカリング効果をここでも狙っています。

正規価格の商品(アンカー)とセール価格の商品を並べることで、価格差を浮き立たせるためです。

 

また、同時に【おとり効果】も狙っていると考えられます。

人は何かを選択するとき、比較をして「お得感」を感じたときに、購入を決める傾向があります。

選ばれない選択肢を「おとり」として提示することで、購入を後押しするために使います。

 

ところで、「セール専用商品」の存在を聞いたことはないでしょうか。

セールの時期に、客寄せを目的にしたコストや品質を下げた商品を作って店舗に寄ってもらい、正規の商品も抱き合わせで購入させることを目的としていました。

どのブランドでもやっているのかはわかりません。

しかし、セールの目玉となっている商品はセールの時期以外でも売られていた商品なのか、事前にチェックをしていたほうがいいかもしれません。

 

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購入をしたときは満足していても、時間が経つと嬉しさは減少していく心理

わかりやすい例として、高価なバッグや服を購入したときは使うたびに気持ちが高まりますよね。

ただ、1年も経ってくると自分の持っているバッグや服のひとつになっています。

 

どんなに素敵なモノであっても、しばらく時間が経つとうれしさは減少していきます。

それはどんなに高価なものであっても同様です。

 

これは【ウェーバー・フェヒナーの法則】といって、刺激の大きさによって人間の感覚が違ってくるためにです。

モノが発揮している魅力が目に見えてわかるため、買う喜びは手にした瞬間が一番快楽を感じます。

最近は購入することで得られる快感よりも、記憶に残る体験や経験といった「思い出」を重要視する傾向にあります。

旅行や食事などは形としては残りませんが、喜びや刺激を感じた記憶はいつまで経っても忘れにくいです。

モノを消費するよりも、コト(体験や経験)を消費するほうが良いわけではありません。

しかし、「欲しいモノがない」という若者が多くなってきている最近は、得られる満足感を考えるとコト消費の方が高い評価をされやすくなっています。

 

大事なことはどちらかに偏ることではなく、両者のバランスをとることではないでしょうか。

 

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まとめ

購入してもらうための手法を聞いて、まんまと自分は知らないうちに引っかかってしまっていた方はいませんか。

先ほど挙げた事例以外にも、「人間は得をするよりも損を避けることを優先させる」といった心理を利用したアプローチもあります。

最近では店舗に足を運んで購入するだけでなく、インターネットを使った通信販売を利用する消費者が多くなってきているため、さまざまな手法を組み合わせて企業はお金を使ってもらおうとしています。

 

それでは、賢い消費者になるための考え方を一つ挙げます。

欲しいと感じた商品を手にしたとき、商品が「安いから」という理由だけで購入していませんか。

値段だけで購入の判断をするのではなく、着る頻度や使う頻度を考慮して1回当たりのコストを踏まえて購入するべきではないでしょうか。

購入をする前に一呼吸することで、気が付かないうちに損することを避けられます。

 

本当にその商品が良いかどうか、そして自分にとって必要なのかどうかを考えて購入しましょう。

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