老後資金、準備のカギは若さにあり!?

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「老後資金」の話を若い方にすると、そのリアクションは大きく三つに分かれます。

一つは「老後が不安で不安で仕方がないから、もうすでに準備を始めています」という人。
二つ目は、「漠然と不安は感じているけど、他のことにお金がかかるから、全く準備していません」という人。
そして三つ目は、「まだまだ先の話だし、考えてもいない」という人。

考え方は人それぞれですので、様々なリアクションがあるのが当たり前でしょう。

実は、「老後の資金」ということだけに限って言えば、なるべく若いうちから貯めておいた方が良いって知ってましたか?

わかってはいるけど始められていない。
そう思っている方も多いのが老後の蓄えです。

今回は、「始める時期によって、こんなに貯まる金額が違うのか?!」ということを実感していただけるように解説していきます。

1.老後はどれくらいお金がかかるのか?

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「老後資金」という言葉自体はよく聞きますが、はたして老後のためにどれくらいのお金を準備しておけばいいのでしょうか?

インターネットで検索すると、老後までに準備しておきたい金額は「2,000万円」であったり、「300万円で十分」であったり、はたまた「1億円」であったりと、さまざまな説が飛び交っています。
たしかに、人によって生活の水準や住んでいる場所、家をもっているか持っていない、といった条件が異なるため、一概に「このくらいあれば十分だろう」とは言えません。

ただ、金額がわからないのでは「老後のための資金を準備したい!」と思っても、なかなかできるものではありませんし、いたずらに不安を増大させるだけです。

ここでは、総務省が発表している「家計調査年報(平成28年)」をもとに、皆さんどれくらい老後の生活にお金がかかっているのかを見ていきます。
この調査では、実際に高齢無職二人以上世帯(退職後の高齢者のうち、二人以上で暮らしている世帯)にアンケート調査を実施し、各項目について毎月の費用を調査しています。

すると、平成28年の高齢無職世帯の支出額の平均は、普段の消費だけでなく税金や社会保険料の支払いなども含めて月に約26万8千円かかっていました。

その主な内訳としては、以下の通りです。

社会保険料などの支払い 約3万円(支出全体の約11.2%)
食料 約6万5千円(支出全体の約24.3%)
住居 約1万5千円(支出全体の約5.5%)
水道光熱費 約1万9千円(支出全体の約7%)
保険医療費 約1万5千円(支出全体の約5.6%)
交通通信費 約2万5千円(支出全体の約9.4%)
教養・娯楽・交際費 約5万5千円(支出全体の約20.7%)

このように見ていただくと、項目によっては、「こんなに多いの?」や、「こんなに少ないの?」と感じる部分もあるかもしれません。

例えば住居費。
調査の結果では、約1万5千円が平均と出ていますが、賃貸のお宅ではそこまで安くならないでしょう。
これは、家が持ち家か賃貸かに関わらず、住居にかかっている金額を全ての世帯で平均しているためです。
持ち家の世帯であれば、コンスタントにお金がかかるのはマンションの共益費などだと思われます。
賃貸の世帯では、この金額に数万円上乗せをして支出がかかっていると考えられます。

さて、「月の生活費がいくらかかっているのか?」ということはわかりました。
ここで明らかにしたいのは、「老後全体を通して、いくら必要なのか?」ということです。

先ほど算出した生活費の月額に、65歳からの平均余命(現在65歳の人が、平均してあと何年生きるのか?を算出した数値)をかけて、生涯にわたり必要な金額を算出していきます。

平均余命は、男女で大きく差があります。
厚生労働省が発表している生命表によると、現在65歳の男性の平均余命は約20年、現在65歳の女性の平均余命は約24年です。

上に記した一か月あたりの支出は、二人以上世帯の生活費です。
今回は話を単純にするために、夫婦ともに女性の平均余命と同じ期間を生きると想定して計算してみます。

まずは、年間の生活費を算出します。
月の生活費:約26万8千円×12か月=321万6千円

次に、年間の生活費に女性の平均余命(24年)をかけ合わせます。
年間の生活費:321万6千円×24年=7718万4千円

このように、退職後だけで7,718万円もの生活費が必要になります。
「老後資金として1億円必要」と言われる所以はここにあります。

安心してください。
これを全て自分で準備する必要はありません。

老後に安心して生活できるように若いときからコツコツと保険料を支払っているのが、「公的年金(国民年金・厚生年金・共済年金)」です。

2.老後を守る!公的年金制度

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「公的年金は支給開始年齢が繰り上げられたり、支給金額が削減されるのではないか?」と噂されるなど、何かと話題の絶えない制度です。

最近では、受給対象者が拡大されたことでニュースでも話題となっていました。
それでは、そもそも現行の公的年金制度では、どのうような年金がいくら支払われるようになっているのでしょうか?

公的年金制度とその金額は、支給の対象者が自営業か会社員(公務員)かによって大きく異なります。
我が国の公的年金制度である国民年金は、20歳~65歳の方であれば全員加入が義務付けられています。

自営業の方の場合、この国民年金から年金の給付を受けられます。
会社員(公務員)の方であれば、この国民年金にプラスして厚生年金(共済年金)から年金の給付を受けることができます。

それぞれの受け取り金額を見てみましょう。

(1)自営業の場合(国民年金)

自営業の方が国民年金から受け取れる年金額は、加入時期と加入期間(保険料払い込み期間)が同じであれば、全員一律の金額となります。
20歳で国民年金に加入し、その後保険料を毎月必ず支払っていたとした場合、65歳からもらえる年金の額は、一年間で約78万円をになります(平成29年時点での支給水準)。
78万円ということは、ひと月あたり6万5千円の支給です。

夫婦合わせると、年間約156万円、ひと月あたり約13万円が支払われることになります。

(2)会社員(公務員)の場合(国民年金+厚生年金(共済年金))

会社員(公務員)の場合には、(1)の国民年金にプラスして厚生年金(共済年金)からも老齢年金が支払われます。
厚生年金(共済年金)部分については、加入した時期や加入期間(保険料払い込み期間)が同じであっても、現役時代の給与によって支払われる金額が異なります。
ここで言う給与とは、「1年間に支払われる賞与なども含めた賃金」のことです。

ここで一つ、モデルケースを作って考えてみましょう。

現在35歳のAさんは、大学卒業後に厚生年金に加入しました。
年金の計算に使用する現在の給与は、月30万円で賞与は年間で120万円(60万円を2回)を受け取れるとします。
この場合、受け取れる厚生年金は約108万円になります。
つまり、国民年金と厚生年金合わせて約186万円を受け取ることができます。

これにプラスして配偶者がいる場合には、別途配偶者の国民年金、または国民年金と厚生年金も入ってきます。
仮に配偶者が国民年金のみに加入していた場合(専業主婦や自営業者であった場合)には、世帯で受け取ることができる金額は264万円となります。

ちなみに、同じ条件で月40万円、賞与を年間で160万円を受け取れる人の場合、加入者一人分でも受け取れる年金の金額は約220万円になります。
賃金によって受け取り金額が大きく変わってくるのがわかりますね。

このように話すと、「自分の年収だと、どれくらい受け取れるんだろう?」と思われる方もいらっしゃるはずです。
正確な数字は、社会保険労務士などに相談しないと算出することはできませんが、簡易的なものであれば、インターネットでシュミレーションができるサイトがいくつかあります。

気になる方は、「厚生年金 シュミレーション」で検索してみて下さい。
年収や厚生年金への加入期間を入力することで、年金の受け取り金額を試算することができますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

3.若いときから積み立てを!

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さて、2で見たように、自営業の方の場合は年金の受け取り額が世帯で年間約156万円になります。
会社員の方であれば、2のモデルケースの場合だと、世帯で年間約264万円を受け取ることができます。
それぞれ月に換算すると、自営業の方が約13万円、会社員(公務員)の方が約22万円です。

1で見たように、月の生活費は約27万円かかります。
自営業の方であれば、毎月14万円ずつ、会社員の方であれば、毎月5万円ずつ、マイナスが発生してしまうことになります。
そうならないためにも、前もって老後資金の準備が必要になってくるわけです。

前もっていくら準備しておかなければいかないのでしょうか。
自営業の方の場合、支出と年金受給額の差額が14万円になるので、その24年分(65歳の平均余命)とすると、4,032万円です。
また、会社員の方の場合は支出と年金受給額の差額が5万円であり、その24年分(65歳の平均余命)とすると、1,440万円になります。

特に自営業の方は金額が高くなっていますが、これは65歳で仕事を退職すると想定しているためです。
自営業の方であれば、ご自身が望み体が動けば、退職の年齢は自分で決めることができます。
そのため、実際に必要な金額は今回示した金額よりも低くなる方が多くいるかもしれません。

いずれにしても、自営業の方・会社員の方、共にかなりの金額を退職までに貯めておかなければなりません。
この時に大切になってくるのが「とにかく早くから準備を始める」ことです。
その理由は大きく二つあります。

(1)積み立て時の毎月の負担が少なくて済む

先ほど、自営業の方の場合は約4000万円、会社員の方の場合は約1,440万円を65歳になるまでに準備しておかなければならないと記載しました。

この金額を55歳になってから貯めようとすると、とても大変です。
55歳から65歳の間は15年間しかありません。

銀行預金のようなほとんど利息がつかない方法で積み立てを行っていったとすると、65歳に目標金額に到達するためには、会社員の方の場合でも、月12万円を積み立てなければいけません。

しかし、これが35歳の方だったらどうでしょうか?
会社員であれば、月の積み立て金額4万円で、65歳時点で目標金額に到達することができます。
また、25歳の方であれば月3万円の積み立てで65歳時点で1,440万円を積み立てることができるのです。

 (2)心に余裕を持って運用方針を決定できる

そして、若くから積み立てを始めることにはもう一つメリットがあります。
それは、心に余裕を持って積み立てや運用方法を決定することができるという点です。
年齢が上がってから急にお金を貯めようとすると、心の余裕がなくなり、大きなリターンを求めてハイリスクの運用をする方が時々いらっしゃいます。

経験が少ない中での、ハイリスク・ハイリターンの投資はとても危険です。
若い時から積み立てを始めることで、「急にお金を増やす」のではなく、「何十年もかけてコツコツと貯めていく」という気持ちで、積み立てをすることができます。

中には、月4万円や3万円と言うと、少し多いと感じるかたもいらっしゃるかもしれません。
しかし、企業が退職年金や退職金を準備している会社もあります。
将来必要になるであろう金額から、退職年金や退職金の金額を差し引くことで、実際に積み立てるべき金額がわかります。

「退職金なんて全く気にしたことがない」という方もいるかもしれませんが、この機会に調べてみるといいかもしれません。 

4.まとめ

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冒頭で、65歳女性の平均余命は24年と記載しましたが、今後も伸びていくと考えられています。
また、公的年金制度への不安を感じている方も多いでしょう。
このような状態では、「どんなにお金を貯めたとしても、足りなくなってしまうのではないか?」という不安を拭いきれない方もいらっしゃるでしょう。

そのような中で一番効果的な方法は、「老後」が来るのを極力遅くするということです。

・長く働けるように、自分の市場価値を上げておく
・社会が変化しても柔軟に対応できるような考え方と行動力を身に着けておく
・心身を健康に保つ
結局上記のようなことが、老後の不安を払拭するうえで最も大切なことのように感じます。

それ以外に今からでも始められることは、なるべく若いうちから蓄えを始めましょう。
そのためにも、今日のポイントをおさえて早速貯蓄を始めてみてはどうでしょうか。
(1)老後生活費の平均は、月約27万円
(2)厚生年金の場合、年金の受け取り金額は収入によって異なる
(3)自分の収入で確認をしたい方は、インターネットでシュミレーションできるサイトを参考にしてみる
(4)老後資金の準備は、とにかく早くから始めることがカギ