世界の環境規制がパナソニックにとっての追い風となるか

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今年の7月にイギリス政府が2040年にガソリン車とディーゼル車の新規販売を禁止すると発表しました。

その他にも環境への配慮として、イギリス政府は大気汚染を防止するためにバスの改良などを行うよう、地方自治体に多額の資金を投じる予定です。

 

その他フランスも同じようにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止すると決定しており、ドイツでも同じような規制が検討されています。

 

Britain to Ban New Diesel and Gas Cars by 2040 - The New York Times

 

このように各国で環境規制が強化されつつある中、ガソリン車やディーゼル車の販売が禁止されるとなれば、電気自動車などの環境対応車に対する需要が今後ますます伸びてくることは間違いありません。

それに伴い、車産業では環境対応車のさらなる開発及び販売に今後力を入れてくることでしょう。

 

この環境規制に伴って需要が増大する環境対応車に早くも目をつけたのがパナソニック。

「車メーカーではないパナソニックがなぜ?」と思われる方もいるかもしれません。

 

実は、パナソニックは環境対応車にとって非常に重要な車載リチウムイオン電池を生産しているのです。

世界での環境配慮への流れを察知して、そのリチウムイオン電池のさらなる増産を進めるべく、姫路工場で2019年にリチウムイオン電池の生産を開始すると発表しました。

 

車載用リチウムイオン電池の国内生産体制強化について | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan

 

リチウムイオン電池は一体どれほどの環境対応車に搭載されているのでしょうか?

また、パナソニックが生産しているものはどれぐらいのシェアを誇っているのでしょうか?

 

環境対応車やリチウムイオン電池の需要、そしてパナソニックのシェア状況などから、今後の環境規制や今回のリチウムイオン電池の増産がどれほどパナソニックに恩恵をもたらす可能性があるか見てみましょう。

 

リチウムイオン電池ってなに?

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環境対応車に搭載されているリチウムイオンとは一体どのようなものなのでしょうか。

ガソリンを使用せずに車を走らせることができるその機能について、まずは学んでいきましょう。

 

リチウムイオン電池とは「正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池」のことです。

 

リチウムというのは、原子番号3、原子量6.941の元素で、地球上に広く存在していて、主な産出国として挙げられているのはチリやオーストラリア、アルゼンチン、中国です。

 

リチウム電池とは - IT用語辞典 Weblio辞書

 

そのリチウムが電荷を帯びてイオンとなり、リチウムイオン電池ではその移動により充電や放電が行われる仕組みとなっています。

電気自動車はもちろんのこと、電動工具やラジコンなどにも使用されています。

 

リチウムイオン電池の今後は?

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電気自動車には種類がいくつかあります。

電気プラグにつなぎ、充電を行なって走行する二次電池式のもの、水素やアルコールをタンクに蓄え、燃料電池で発電するもの、金属電池を使用して電動機を駆動するものなどがあります。

 

ハイブリッド車である、トヨタのプリウスには水素電池が搭載されていましたが、最近では電池式電気自動車でリチウム・イオン電池が使用される割合が増えてきています。

 

経産省のレポートにもその性能の目覚ましい向上や多くの企業によるその利用増加が記されており、今後の利用の拡大による環境への配慮や電池技術の向上によるコスト低減への期待が示されています。

 

http://www.meti.go.jp/policy/automobile/LEV/battery-report.pdf

 

現在、国内メーカーの作っているリチウムイン電池を使用した車種は、三菱のミーブシリーズ(16kWhバージョン)、日産のリーフなど。

 

今後、リチウム電池に対応した車種はさらに増えてくると想定できます。

電気自動車にはこらまで前向きでなかったトヨタ自動車も電気自動車の開発を進めていく予定です。

 

リチウムイオン電池は今後ますます電気自動車には欠かせない存在となりそうです。

 

パナソニックのリチウムイオン電池のシェアは?

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このように、性能の向上により、今後ますます電気自動車への需要が高まるリチウムイオン電池ですが、今の段階でパナソニックはそのシェアのどれほどを握っているのですしょうか?

 

姫路工場での増産を決定したプレス発表では自身をリチウムイオン電池生産の「リーディング・カンパニー」であると謳っているからには、やはりトップのシェアを誇っているのでしょうか。

 

2016年にパナソニックがトップに!

日本経済新聞社がまとめた2016年における世界の「主要商品・サービスシェア調査」によると、リチウムイオン電池では韓国・サムスンSDIからパナソニックがトップの座を奪ったとのこと。

 

http:// https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ23IA2_V20C17A6MM8000/

 

車載用リチウムイオン電池ではパナソニックだけでなく、サムスンSDIやLG化学も工場を建築している状況です。

 

やはり世界での環境規制に伴う需要が増大するこの絶好の商機を逃すまいと、メーカーがこぞって増産体制に入ってきているということのようです。

 

2016年にトップの座を奪還したパナソニックはその勢いに乗って、国産メーカーだけでありません。

世界の車メーカー用の車載リチウムイオン電池の生産に大きな意欲を見せていると言えるでしょう。

 

他に国内メーカーでリチウムイオン電池の生産を行っているのは、ソニー。パソコンや携帯電話に使用するリチウムイオン電池を初めて商品化したのがソニーなのです。

車載用のリチウム電池の生産で収益拡大を狙っていくのかと思いきや、実は昨年にソニーはリチウムイオン電池部門を村田製作所に売却してしまっています。

なにやらエレクトロニクス事業の収益改善を優先するためのようです。

 

ソニー、リチウムイオン電池を村田製作所に売却 :日本経済新聞

 

ソニーの電池部門を買収した村田製作所は車載用のリチウムイオンの開発にも力を入れているようなので、パナソニックだけでなく、村田製作所の電池にも需要が高まってくるかもしれません。

 

パナソニック株の状況は?

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パナソニックがリチウムイオン電池を姫路工場で増産すると発表したのが9月29日。

その午前中にはパナソニック株が高まりを見せましたが、午後にはやや下落。

パナソニック株価には今回のニュースによる大きな影響は出なかったようです。

 

というのも、最近のパナソニック株の価格は高止まりを見せているのです。今年の9月4日には1,430円台だったのが、同月20日は1,660円台まで躍進しました。

その後も下げる局面はありつつも、高い水準のままとなっています。

 

パナソニックのリチウムイオン電池部門には今後も環境規制が有利に!

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このように世界中で環境規制が進み、電気自動車などの環境対応車が増えていく中、電自動車に搭載されているリチウムイオン電池の需要が高まるとこは間違いありません。

 

そのトップシェアを誇るパナソニックでは、電池部門での収益が大きく伸びてくるはずです。

 

姫路工場での増産も決定していますし、世界における環境規制は引き続きパナソニックには追い風となりそうです。

著者:Yuka

元証券会社の営業担当として得た知識を活かしてみなさんにわかりやすい金融情報を紹介します。

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