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投資商品としての債券に注目!債券に投資するメリット・デメリットは?

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目次

 

債券は、株式と並んで代表的な投資商品です。

しかし株式と比較してみると、その特徴に違いがあるのがよくわかります。

 

債券と株式は企業などが一般の投資家から資金を調達するために発行するものとなっています。

その性質が「資金を調達する」という点では共通していますが、それぞれにはまったく異なる特徴があります。

 

投資商品として見てみると、「株でリスクを負いたくないが、手堅く利益を確保したい」と考えている方には、債券投資がいいかもしれません。

 

債券投資の特徴や投資するメリット、デメリットを理解することが、債券投資への第一歩になります。

 

1.債券と株式

株式の場合、投資家は購入した株式の株価が上昇すると利益を得ます。

反対に、株価が下落すれば損を被ります。

 

儲けも損も投資金額の数倍にも上る可能性があります。

つまり、株式投資はハイリスク・ハイリターンなのです。

 

どこまで株価が上昇するか下落するか決まっておらず、なおかつ将来の収益が不確定であり、元本の返還が約束されていません。

それでも、株価が大幅に上昇した際の収益が大きいことが株式投資の醍醐味といえるでしょう。

 

一方、債券は発行時に利率や満期日などが決められています。

債券を購入すると定期的に利子を受け取ることができ、満期日を迎えると額面金額を受け取ることができます。

満期日に額面金額が受け取れるので、安全性の高い金融商品といえます。

 

2.債券投資のポイント

債券は国、地方公共団体、企業、外国の政府、外国の企業などの発行体や通貨などによって区分けされます。

満期までの期間、発行体の信用力によって利率も異なってくるので、幅広い選択肢があり目的に合わせて選べます。

 

債券は種類が豊富に揃っています。

主な債券を挙げると、国内債券には国債、地方債、政府保証債、社債、転換社債、ワラント債、金融債があります。

外国債券には、公共債、国際機関債、民間債があります。

 

また、外国債券の通貨による区分けで見ると、「円建て」と「外貨建て」があります。

外貨建ては米ドル、ユーロ、豪ドルに加えて、南アフリカ・ランド、メキシコ・ペソ建てといった新興国通貨建てのものもあります。

 

国債は国や地方自治体が発行するので、流通量が多くて売買しやすいという特徴があります。

民間企業が発行する民間債は国債より金利が高めですが、発行体の信用力に注意が必要です。

 

その他にも、利子がない代わりに、あらかじめ額面から一定額を割り引いて発行されるゼロクーポン債もあります。

利払いがない代わりに、額面より低い金額で購入でき、償還時には額面で返済されるので、購入金額と償還金額の差額が利益になります。

 

債券を購入する際には、利率ではなく利回りで投資判断をします。

債券は、利子に、額面金額と購入金額の差額を加えたものが収益になります。

この1年あたりの収益を、購入価格で割ったものが利回りです。

 

債券は、満期になる前に途中で売却することもできます。

途中で売却する場合、時価で売却することになりますので、取引価格が投資元本を下回る可能性がある点には注意が必要です。

 

新規に発行される「新発債」と、既に市場に出回っている「既発債」があります。

新発債は額面金額で募集がかけられますが、既発債は流通市場の状況で価格が決められるので、利回りは変動します。

 

債券価格は金利が上昇するときは債券の利回りが上昇し、債券価格は下落します。

反対に、金利が低下するときは債券利回りも低下し、債券価格は上昇します。

 

債券の手数料は取引価格の中に含まれているので、支払う必要はありません。

また、公社債の利子に対する源泉徴収税率は20.315%(所得税および復興特別所得税:15.315%、住民税:5%)です。

 

3.債券のメリット、安定的な収益

債券は満期日まで一定の利子が支払われるので、安定的に利子収入(インカムゲイン)を得られます。

利子以外にも、償還差益や途中売却によって収益(キャピタルゲイン)が確保できます。

 

例えば、97万円で購入した額面金額100万円の債券が満期日を迎えると、100万円の償還金を受け取ることができるので、3万円が償還益となります。

つまり、債券は満期まで所有すれば、満期日までに債券価格が変動しても、満期日には額面価格が償還されるので安全性が高いのです。

 

4.債券のデメリットとリスクも忘れないで

債券投資は、期限が来れば元本が戻ってきます。

 

ただし、発行体が健全な状態を保っていることが前提となります。

実際、アルゼンチン国債は過去にデフォルト(債務不履行)に陥りましたし、一般企業も経営破綻することがあります。

 

これを「信用リスク」と言います。

債券にもリスクがあることを忘れてはいけません。

 

債券は満期日を迎える前に、途中で売却することもできます。

その際の債券価格は流通市場の状況、その時の金利情勢や債券の需給動向によって変動します。

信用力や知名度が高く、発行量が多い債券ほど流動性が高くなります。

 

信用リスクを示す格付け

「債券は満期に額面価格が償還されるので安全である」と述べましたが、発行体が倒産したりすると、元本の返済や利払いがされなくなる場合があります。

ただ、損失が出るのは最悪の事態に陥った時だけです。

 

しかし、発行体の経営状態が健全であるのか把握しておきたいですよね。

そのために、発行体の信用度を図る「格付け」があります。

 

ムーディーズやS&P、格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)などの専門格付け機関が、定量的に安全性を分析して評価したもので、債券購入する際の信用度を図る際に参考になります。

 

信用格付けは「投資適格」、「投資不適格」などに分類されます。

格付けが高いほど利子の支払いおよび償還金額の返済確実性が高くなり、最も信用力が高い格付けにはトリプルAが付与されます。

 

発行体の信用力が高い、あるいは償還までの期間が短く返済能力が落ちる可能性が低いほど、発行体は低金利での資金調達が可能になるので、債券の利子も低く設定されます。

 

価格変動リスク

債券価格は、金利動向や発行体の経営状況によって変動します。

償還前に売却する場合、投資元本を割り込む可能性もあります。

 

株の場合は株価が下がりそうだと思ったら、すぐに売却することができます。

それとは対照的に、債券はすぐに他の投資家に売却したり、解約すると元本割れすることがあります。

 

債券の金利上昇リスク

市中の金利が上昇すれば、基本的に既発債の価格は下がります。

それは、高利回りの新発債が出回っているためです。

 

満期を迎える前に債券を売却したい場合は、高利回りの新発債よりも条件を良くするために債券価格を下げざるを得なくなり、金利は上昇します。

好条件の新発債に乗り換えしたくても、途中で売却すると取引価格が投資元本を下回る可能性があるので、慎重に判断する必要があります。

 

為替変動リスク

外貨建債券の場合、利金・償還金の受け取りの際に為替の影響を受けます。

購入時より円高に進んだ場合、満期時に受け取る円建ての償還金は当初元本を下回ります。

 

一般的に、「債券の利回りが下がったり、円安になったりすると予想される時が買い時である」とされていますが、債券には満期がありますから、為替差益を狙うのは難しいでしょう。

 

例えば、豪ドル債の償還時に、円ではなく外貨で受け取り、証券会社のMMFにとりあえず入れておくこともできます。

為替の動向を見計らって円に換算するのも一つの方法です。

 

株式と比べると、債券に関する情報は入手しにくいのが難点です。

どの債券がどこの証券会社から発行されるかがわかりにくい上、好条件のものはすぐに売り切れてしまいがちです。

したがって、債券は株式に比べると融通が利かないことは否めません。

 

しかし、株式や預金にはない特徴と魅力も備えた金融商品であることを理解し、目的に応じた投資を心がけましょう。

著者:zodiac

元外資系証券会社で日本株、債券調査を担当。フィナンシャルプランナーとして金融の幅広い分野をカバーしてお伝えします。

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