【初めての債券投資】債券の満期・償還を分かりやすく解説!

国債や社債という言葉を聞いたことがありますか?「債券」とは、それらのことを指します。債券には、満期・償還があります。定期預金ほど身近ではないけれど、実はとっても安全で取り扱いも簡単な債券について、基礎から説明していきます。

 

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債券の満期と定期預金の満期の違い

簡単な比較のために、まず銀行の定期預金が満期になったとき、どんなことが起こるのか確認してみましょう。定期預金といえば、半年、1年、5年、10年など、短期や長期の様々な満期がありますよね。定期預金が満期になったとき、「解約する」ことにしておけば、預けたお金とその利息が振り込まれます。「自動継続する」ことにしておけば、そのまま自動的に定期預金を続けることができます。自動継続の場合の利息は、自動継続の際にこれまでの利息分を受け取る「元金成長型」、これまでの利息も含めて継続する「利息受取型」などを選ぶことができます。

 

 このように定期預金の満期が来たら、元金や利息を受け取ったり、元金や利息を受け取らずにそのまま継続して取引を続けたりという選択ができるのが一般的です。では、債券が満期を迎えた場合にはどんなことが起こるのでしょうか?債券は、国債、地方債、政府保証債、社債、金融債、外債などに分類されますが、どれも同じように満期・償還があるのでしょうか? まずは、一番シンプルな国債から見てみましょう。

 

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国債の満期

財務省によると、現在発行されている個人向け国債には、10年、5年、3年の満期があります。ちなみに、金利は10年が変動型、5年と3年が固定型となっています。この個人向け国債は、毎月、定期的に発行されています。金融機関に口座があり、購入代金、預金通帳、印鑑等があれば、だれでも購入できるとてもシンプルなものです。銀行に使っていないお金があって、「普通預金にしておいても仕方がないから、定期にでもしようかしら?」というのと同じ感覚で、この個人向け国債を購入することができます。なぜなら、個人向け国債は証券会社だけでなく、銀行でも購入可能だからです。1万円単位から始められます。

 

さらに、一般の人がもっと国債を買いやすいようにと販売されているのが、新型窓口販売方式国債(略して「新窓販国債」)です。利付国債とも呼ばれています。新窓販国債の満期は、10年、5年、2年と3種類ありますが、個人向け国債よりも満期が1年短い2年物があるのが特徴の1つです。最低5万円から、5万円単位で購入できます。個人向け国債では、10年物は変動金利でしたが、新窓販国債は10年、5年、2年のどれも固定金利になっています。個人向け国債と違って必ず発行される訳ではないのですが、財務省のウェブサイトによれば、「ほぼ常時購入することができます」。

 

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国債の償還

例えば、10年型の個人向け国債を購入した場合の満期は10年後です。発行日から10年後のほぼ同じ月に満期を迎えると、債券は「償還」されます。利息は購入から10年間ずっと半年ごとに年2回支払われてきましたので、満期には、最後の利息と債券の額面金額が「償還」されます。さきほど見てきた銀行の定期預金と違うところですが、定期預金は満期を迎えても償還という言葉は使いません。また、債券は満期には「償還」されるのであって、「解約」や「自動継続」などはできないということです。つまり、定期預金で言うところの「元金」が満期に支払われるということになります。このように、債券の満期に額面金額が払い戻されることを「償還」と言います。

 

ところで、債券は「解約」や「自動継続」はできないと言いましたが、「中途解約」や「売却」はできます。例えば個人向け国債の場合、新規発行国債を購入してから満期まで保有し続けることもできますが、発行後1年経過すれば、いつでも中途換金が可能です(別途、特例あり)。

 

中途換金とは、個人向け国債を満期まで持ち続けることなく、途中で解約して国に買い取ってもらうことです。中途換金の場合も、債券は額面金額通りに償還されますが、それに経過利子相当額がプラスされ、そこから中途換金調整額がマイナスされます。計算上は、受取金額が額面金額よりも少なくなった、つまり定期預金で言うところの「元金」が保証されていないように感じるかもしれませんが、今までに受け取った利子の部分を含めて考えれば、「元金」分は全額戻ってきたと考えることができます。

 

新窓販国債の場合は、市場でいつでも売却が可能です。このように満期を待たずに売却する場合は、市場の時価によって取引することになるので、額面金額を受け取ることはできません。時価によって売却損が出たり、売却益が出たりします。つまり、新窓販国債を満期を待たずに売却する場合には、定期預金で言うところの「元金」の保証はないというわけです。もちろん満期まで待てば、一般的には額面金額通りに支払われます。

 

既発債の満期・償還

これまでずっと新規に発行される国債を購入した場合についてお話ししてきましたが、既に発行された債券もあります。これを「既発債」と言います。新窓販国債が満期を待たずにいつでも市場で売却可能であるというからには、購入も可能です。これが既発債の市場取引です。新車か中古車かという違いに似ていると言えばよいでしょうか。

 

この既発債を市場で購入して、満期が来た場合はどうなるのでしょうか?購入した既発債が満期を迎えた場合、額面金額が償還されるということについては、新規発行債券となんら変わりはありません。ただ、購入時の金額は時価ということになりますので、償還される額面金額と購入金額の違い、及び受取利子が、所有者にとっての損益ということになります。

 

債券の償還リスク

さて、さきほど「一般的には、額面金額通りに支払われます」と言ったのは、国債であってもデフォルト・リスクはゼロではないという意味です。つまり債券の発行元(国債の場合は国)が、満期に額面どおりの金額を支払わないというリスクは、日本国債の場合だと現状ではかなり低いかもしれませんが、ゼロではないということです。これについては、銀行の定期預金も同じです。満期に解約を申し出た場合、銀行が解約に応じて元金を支払ってくれる確率は大手銀行ならば限りなく100%に近いと思いますが、大手銀行でも過去に倒産した例はいくらでもあります。そして倒産した際に、預金保険でカバーされない部分について、銀行が払い戻しを拒否する可能性はゼロではないということです。

 

債券の満期に、予定通りに償還され額面金額がきちんと支払われるかどうか気になる場合は、その債券の発行者の格付けを調べてみるとよいと思います。格付けとは、その債券の発行者の信用度ということですが、格付けもまた変動します。購入時と10年後では、格付けも変わっているかもしれません。買った時には安全だったとしても、債券が満期に確実に償還される可能性は一定ではないので、発行者の信用度をきちんと定期的にチェックしておくことが大切になってきます。

 

国債以外の債券の満期・償還

最後に、国債以外の債券の満期・償還についても確認しておきたいと思います。地方債、政府保証債、社債、金融債、外債などの債券について、満期・償還の定義に国債との違いはありません。これまで見てきた国債の満期・償還についてきちんと理解できていれば、大丈夫でしょう。

 

国債との違いは、満期や利率が国債よりもバラエティーに富んでいること、社債や外債等は銀行では購入できないこと、様々な発行体があるので償還リスクも様々であること、発行される金額や時期が一定ではないこと、満期を待たずに途中償還が行われること、などが挙げられます。

 

以上、債券の満期・償還とは何か、ご理解していただけたと思いますので、次回は債券投資について、もっと詳しくご紹介できたらと思います。