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いつでもできる確定申告!会社員も確定申告した方がお得って本当?!

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確定申告は、個人事業主の人や会社の社長がやるもの、というイメージの方も多いのではないでしょうか?

「企業に勤めている自分には縁のないこと」と考えている方もいるかと思います。

 

しかし、企業に勤める給与所得者でも、確定申告をすることで一部税金を返してもらえるケースがあります。

しかも、還付を受けるための申告は年間を通していつでも行うことができるのです。

 

もしかしたら、あなたも還付金を受け取ることができるかもしれません。

ぜひ、この機会に確認してみて下さい。

 

1.そもそも確定申告って何?

「確定申告」とは、その年の所得を計算して納税することです。

 

通常、給与所得者の場合は会社を通じて所得税や住民税を支払っています。

そのため、確定申告をする機会はあまりありません。

 

一方で個人事業主や給与所得が一定額を超える方たちは、2月~3月の間に税務署に前年の所得を計算・申告し、税金を納める必要があります。

この、前年の所得を計算・申告することを「確定申告」と言います。

 

さて、一口に「確定申告」と言っても、実は大きく分けて2種類の申告があります。

一つは、今例示したような個人事業主等の方たちが前年の所得を計算・申告する「確定申告」です。

そしてもう一つは、「還付申告」です。

 

給与などから源泉徴収された額が、実際の所得金額から計算した税額よりも多くなってしまう場合に、「還付申告」をすることで、一度支払った税金を返してもらうことができます。

この「還付申告」は給与所得者でも申告をすることができます。

 

給与などから直接一定割合の税金を差し引く「源泉徴収」は、あくまでも「給与所得」の金額に対する税額を差し引いています。

ですので、個別の事情は勘案されません。

 

例えば、「一年を通して多額の医療費を支払った」、「特定の寄附をした」、「住宅ローンが残っている」などの個別事情は、源泉徴収の時点では税額に反映することができません。

そのため、「還付申告」をすれば一度支払った税金が還付されるようになっています。

 

2.確定申告をした方が良い給与所得者とは?

それでは、具体的に「確定申告(還付申告)をした方が良い給与所得者」とはどのような人たちを指し、還付申告でどれくらいの金額が返ってくるのか見てみましょう。

 

 (1)一定金額以上の医療費を支払った人(医療費控除)

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一年間(11日~1231日)の間に、10万円以上(所得が200万円以下の方は、所得の5%以上)の医療費を支払った場合、一定額の還付を受けることができます。

これが、「医療費控除」と呼ばれるものです。

 

医療費控除は、納税者本人だけでなく納税者の家族も対象となります。

この「家族」とは生計が同じ家族が対象となるため、同居していない大学生の子どもが治療を受けた場合にも対象となります。

 

実際に確定申告をして医療費控除を受けた場合、どの程度の金額を還付金として受け取ることができるのでしょうか。

医療費控除の金額は、以下の式で求めることができます。

 

医療費控除の金額=①実際にかかった医療費-(②保険金などで補てんされる金額+10万円(総所得金額が200万円未満の場合は、総所得金額の5%))

 

①実際にかかった医療費

「医師・歯科医師による治療を受けた場合の費用」、「治療のために購入した医薬品の費用」、「出産にかかる費用」などが対象となります。

予防のために購入したサプリメントやビタミン剤の購入費用、入院時に個室や人数の少ない部屋を使用したために発生する差額やベッド代などは対象とはなりません。

 

②保険金などで補てんされる金額

健康保険組合などから支払われる出産育児一時金や、民間の保険会社から支払われる保険金・給付金などを指します。

 

なお、医療費控除の上限額は200万円なので、10万円を超えていれば200万円までの金額が医療費控除として還付されます。

 

東京都在住の給与所得者Sさんの家庭を例に挙げましょう。

1年間にSさんの妻(専業主婦)の出産で60万円、Sさん自身の医療費として10万円の治療費がかかったとします。

この場合、年間の治療費は70万円です。

ここから保険金などで補てんされる金額を差し引いた額のうち、10万円を超える金額が医療費控除の金額になります。

 

出産の場合、健康保険から出産育児一時金と一律42万円が支払われます。

また、帝王切開などを受けた場合には、民間の保険の支払い対象となるケースもあります。

Sさんの妻の場合には、帝王切開を受けて民間の保険から10万円が支払われたとします。

Sさん自身の医療費に対して支払われた保険金や給付金はなかったとします。

 

この場合、70万円から42万円+10万円を差し引いた額のうち10万円を超える金額が医療費控除の対象となります。

つまり、70万円-(42万円+10万円+10万円)=8万円が医療費控除の金額です。

 

しかし、この8万円がまるまる返ってくるわけではないので注意が必要です。

 

所得控除と税額控除

一般的な税金の控除には、「所得控除」と「税額控除」の二種類があります。

 

所得税や住民税は、「所得」に税率をかけて税額を算出します。

 

①税額=②所得金額×税率

 

「所得控除」とは、この式の「②所得金額」を一定額減額できる仕組みです。

一方で「税額控除」とは、上の式を計算して出てきた「①税額」を、一定額減らすことができる仕組みです。

 

つまり、「所得控除」は、税金を計算する前の「収入(所得)」を減らすことで、結果として税金を安くする効果があります。

一方、「税額控除」は直接税金を減らす効果があります。

 

400万円の所得の人が10万円の控除を受ける場合、所得控除であれば最終的な税金の軽減額は2万円(10万円の20%)ですが、税額控除の場合は10万円の税金を減らすことができます。

 

ただし、所得金額を下げることで税率自体も下がる場合があり、良し悪しを決められるものではありません。

 

さて、医療費控除の場合、今出てきた8万円という金額は「税金の計算をする際に所得から差し引くことができる金額」です。

つまり、実際には「所得×税率」を税金として納めています。

そのため、還付を受ける際にも「控除金額×税率」が還付金の額となります。

 

Sさんの所得が400万円だった場合、所得税の税率は20%、住民税の税率は10%となります。

そのため、実際の還付の金額は「控除金額×(20%(所得税の税率)+10%(住民税の税率)」となり、24千円(=8万円×30%)を還付金として受け取ることができます。

 

(2)住宅ローンの残高がある人(住宅ローン控除)

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マイホーム購入時に住宅ローンを組んで年度末に残高がある人は、一定の要件を満たせば期末のローン残高の1%を所得税から控除することができます。

こちらは先ほどの医療費控除とは異なり、所得控除ではなく税額控除です。

 

住宅ローン控除は、適用初年度は確定申告が必要ですが、次年度以降は年末調整で還付を受けることができます。

 

住宅ローン控除を受けるための要件は、以下の通りです。

  1. 新築または取得の日から6か月以内に居住し、住宅ローン控除の適用を受ける年度の1231日まで入居していること。
  2. 控除を受ける人のその年の合計所得が、3,000万円以下であること。
  3. 住宅の床面積が50平方メートル以上で、床面積の半分以上を居住に使用していること。
  4. 住宅ローンは、10年以上にわたって分割返済する方法になっていること。

 

控除額の上限は年40万円(H28年時点)です。

所得税から控除しきれない場合には、住民税からも控除できます。

また、家を新築した際の住宅ローンだけでなく、中古物件を購入した際や増築・リフォームを行った際のローンも対象となります(要件あり)。

 

では、実際にどのくらいの額の還付を受けることができるのでしょうか。

住宅ローン控除は、住宅ローンを組んだ時期によって控除できる期間(還付を受けられる期間)や控除額が異なります。

 

年間所得が400万円で、平成2811日に返済期間35年で3,500万円の住宅ローンを組んだSさんの場合を考えてみましょう。

なお、利息は考慮しないこととし、Sさんは年間100万円を返済するものとします。

 

この場合、平成281231日時点で、Sさんの住宅ローン残高は3,400万円です。

この3,400万円の1%を所得税額から控除できるため、34万円が控除の金額となります。

Aさんの場合、所得税を372,500円支払っていますが、ここから住宅ローン控除分の34万円を還付金として受け取ることができます。

 

これが10年間続くと(Aさんの所得は10年間変わらないものとします)、全部で295万円の税額控除(税金の還付)を受けることができます。

言い換えると、支払う税金が295万円分も少なくなるのです。

 

(3)国や地方自治体、公益法人や認定NPO法人などへ寄附をした人(寄附金控除)

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国や地方自治体、特定の公益法人や認定NPO法人へ寄附を支払った場合には、総所得金額等の40%を上限として、2,000円を超えた金額を「寄附金控除」の対象とすることができます。

 

ただし、寄附金控除はどのような団体に寄附を行ったかによって、その詳細が異なるため注意が必要です。

 

最近利用する方も増えてきている「ふるさと納税」ですが、これは「寄附金控除」を活用した制度です。

ふるさと納税をすると、自治体に支払った金額から2,000円を引いた金額が所得や住民税から控除できます。

 

給与所得者の場合は、ふるさと納税を行った金額を申告することによって、所得税の還付と翌年の住民税の減額を受けることができます。

 

しかしふるさと納税には、確定申告をせずに控除を受けられる仕組みである「ワンストップ特例制度」があります。

ワンストップ特例制度を利用するには、まず自治体から「寄附金控除に係る申告特例申請書」を送付してもらいます。

申請書が送られてきたら、必要事項を記入したうえで「個人番号確認の書類」と「本人確認の書類」を同封して返信してください。

受理されると、翌年6月以降に支払う住民税が減額されるようになっています。

 

給与所得者の場合には、「ワンストップ特例制度」と確定申告のいずれかを選択して、所得税の還付または住民税の減額を受けることができます。

 

3.申告時期と必要書類

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確定申告の期間は、毎年216日~315日と決まっています。

 

しかし、還付の申告は所得を得た翌年の11日以降5年以内であれば、いつでも申告を行うことができます。

つまり、これまで還付申告を行わなかった年があっても、5年以内であれば年間を通して還付申告をすることができます。

 

では、実際の手続きにはどのようなものが必要なのでしょうか。

手続きする際、どの控除でも共通して必要な書類と、還付を受ける内容(控除の種類)によって必要となる書類を用意してください。

 

 (1)共通して必要な書類

   ①確定申告書A(会社員の場合)

   ②給与所得の源泉徴収票(原本)

   ③マイナンバーの通知カードおよび身元確認書類(運転免許証・パスポート等)

   ※マイナンバーカードを持っている場合には、身元確認書類は不要。

 

 (2)控除の種類によって必要な書類

   ①医療費控除の場合

    ・医療費の明細書(国税庁のサイトに添付あり)

    ・医療費の領収証等の根拠書類

 

   ②住宅ローン控除の場合

    ・住宅借入金等特別控除額の計算明細書(国税庁のサイトに添付あり)

    ・建物・土地の登記事項証明書(法務局から入手可能)

    ・建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し

    ・住宅ローンの「残高証明書」(金融機関から送付)

   ※一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合や認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合それを証明する書類が必要となります。

 

   ③寄附金控除の場合

   ・寄附を行った団体から交付される寄附の受領証

  ※寄附を行った団体によって、その団体が適格であることの証明書等の書類も必要になります。

 

以上のように、受ける控除の種類によって必要な書類は異なります。還付の申告を行う際には、必ず控除の対象となる支出の証明が必要です。そのため、領収証や証明書等は、大切に保管するくせをつけておきましょう。

 

4.まとめ

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(1)確定申告をすることによって、税金の還付を受けることができる場合がある。

(2)還付の申告は年間を通して申告可能(通常の確定申告は216日~315日)。

(3)5年以内であれば、さかのぼって還付の申告をすることができる。

(4)申告には、控除対象となる支出の証明が必要となるため、必要書類は大切に保管する。

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