【配偶者控除】どうなる配偶者控除。社会保険との兼ね合いは?

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たびたび廃止の議論が持ち上がっては結論が先送りにされてきた配偶者控除。
2016年12月に決定された「2017年度税制改正大綱」において、2018年1月から配偶者控除の上限が103万円から150万円まで引き上げられることになりました。
また、高い年収を得ている世帯に限っては段階的に配偶者控除が受けられなくなります。

以上のことから、今回の改正で増税となる世帯と減税となる世帯が出てくることが予想されます。社会保険についても2016年10月の時点で配偶者の社会保険料負担の仕組みが変更になっており、今後も配偶者控除の制度は刻々と変わっていきそうな様相を呈しています。

2018年1月からは上限が150万円まで引き上げ

2017年の年末に決定した税制改正大綱により、2018年1月から配偶者控除の年収上限額が150万円に引き上げられることになりました。

目的は103万円の壁をなくして女性の就労を増やそうということのようですが、社会保険の制度が同時に改革されていないので効果は限定的だとの見方があります。

さらに夫(主な家計の担い手。ここでは便宜上主な家計の担い手を夫と仮定して説明)の年収が1120万円を超える世帯では段階的に配偶者控除が減らされていき、年収が1220万円を超える世帯では配偶者控除自体受けることができません。

これは2018年1月から12月までの年収に対して行われ、2018年の年末調整で制度が反映されることになります。

配偶者特別控除の上限額も上昇

現行制度でも妻の年収が配偶者控除の上限額を超えた場合は配偶者控除ではなく配偶者特別控除が適用になり、段階的に控除額が減少していきます。
しかし、今回の改正でその年収の上限も201万円まで引き上げられます。

高収入世帯は増税、中間層や自営業、高齢者の世帯は減税

今回の改正によって「高収入世帯は増税、中間層の共働き世帯は減税」という形になると予想されます。また、年金世帯でも配偶者控除の上限が引き上げられることによって減税となるでしょう。

社会保険の壁は変わらず

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所得税の配偶者控除の額は引き上げられましたが、国民年金や健康保険といった社会保険の免除要件は変わっていません。また、妻が社会保険を払ったからといって夫の社会保険が減額されるわけではなく、働き方によっては世帯年収が下がってしまうこともあるので注意が必要です。

妻の収入がいくら以上なら、妻が社会保険を払うことになるのでしょうか。
妻の勤務する企業の規模によって異なりますので以下にて説明していきます。

大企業で働く場合は106万円以上

妻のパート先が従業員501人以上の大企業であり、勤務時間が週20時間以上、1ヶ月の賃金が88,000円以上(見込み年収106万以上)、勤務期間が1年以上見込みで学生ではない場合、社会保険料を支払わなくてはいけません。

中小企業で働く場合は130万円以上

パート先が中小企業の場合は年収額の上限が少し上がって、130万円までとなります。130万円を超えそうな場合は社会保険を支払う必要があります。
正しくは月収108,334円以上を稼いでいて、1週間あたりの勤務時間が正社員の4分の3もしくは1ヶ月の勤務日数が4分の3以上であれば社会保険を払わなくてはいけません。

働くだけ損になる年収はいくらからいくらまで?

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社会保険は年間ベースで見ると数十万円以上の世帯年収ダウンになります。
もちろん社会保険に加入することによって傷病手当などのメリットを受けることはできますが、「働いた時間が増えたのに手取りが減るのはなんだか納得がいかない」と感じる人も多いでしょう。
では、どれくらい稼ぐと社会保険を払っても損益がプラスになるのでしょうか。

社会保険なしでお得!129万円以下

勤務先が大企業で、106万円を超えると社会保険を払わなくてはいけない場合は、106万円以下に抑えておく方がお得です。
しかし、夫が自営業者でむしろ社会保険に入れたほうがお得の場合はこの限りではありません。

それ以外の中小企業で勤務の場合は、社会保険の加入を免れるギリギリの129万円以下で働くのが一番お得です。

社会保険を払っても手取り額が増える!概ね160万円以上

妻の年収が160万円を超えると、やっと社会保険や所得税を払っても社会保険を払っていない年収129万円と手取り額が同じになります。年収をひたすらアップさせていく方向であれば、160万円以上を目標にするといいかもしれません。
ただし150万円を超えると配偶者控除も減少していくので注意が必要です。

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収入額による壁一覧

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100万円以上稼ぐと妻は住民税が発生します

収入が100万円を超えると住民税が発生します。よって、100万円を越えた時点で妻の手取りは収入から住民税を差し引いた分となります。
ただし、住民税も収入に応じて加算されていくので、年収が100万円であればそれほど高額なものではないでしょう。

106万円以上稼ぎ、夫が大企業勤務だと社会保険

大企業で働いている場合で各条件を満たしている人は社会保険に加入する必要があるため、手取りが一気に下がります。
要件にあてはまる場合は損益分岐の155万円を目指して働くと働いた割りには手取り額が減るという事態を避けることができます。

この106万円の用件は現時点(2017年2月)時点では大企業のみの適用ですが、今後適用範囲は拡大する見込みです。
現在パートで年収がボーダーラインあたりの人は年収を抑えるか一気に拡大させるかを今のうちに検討しておくと良いかもしれません。

130万円以上稼ぐと社会保険

中小企業で働いている人でも年収が130万円を超える見込みなど、社会保険の支払い要件にあてはまる場合は社会保険を払う必要があります。
こちらも損益分岐が155万円なので、社会保険を払いたくない場合は129万円以下に抑えた働き方の方がいいでしょう。

150万円以上稼ぐと夫の所得税が増えます(2018年1月から)

収入を増やしていく場合、2017年2月現在では141万円ですが、2018年1月からは150万円を超えると段階的に夫の配偶者控除が少なくなっていきます。(夫の1,220万円以上の高収入所得者は除きます)

配偶者控除が消えた段階で所得税がどれくらい増額になるかなど、世帯全体での損得を考えながら調整すると「せっかく長時間働いたのにこんなに持っていかれた!」と悔しい思いをすることも少ないのではないでしょうか。
2018年から配偶者控除の年収要件が150万円までに改正。得する人と損する人、働き方への影響 | Money Lifehack

ちなみに住民税の配偶者控除は?

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妻の年収が増えていくと所得税や住民税の控除、社会保険免除がなくなったり、夫の会社の配偶者手当などが減額されることもあります。気をつけて働かないと働いた時間が増えたのに手取りは減ったといった事態になりかねません。
仕事のやりがいや将来への投資というわけでなく、単に収入を増やしたくて働いている場合、1.5倍以上働いているのに得られる金額が同じというのは悲しいことです。

社会保険に加入することで得られるメリットもありますが、それよりも働いた分だけ手取りがほしいという方もいるでしょう。
その場合は、現在の制度や受けられる控除や手当てを考慮して、「どこでどれくらい働くのが一番家計の得になるか」について家族で話し合った方が、賢くお得になるのではないでしょうか。

まとめ

・配偶者控除の上限額が2018年1月からは150万円に
・配偶者特別控除の上限額も201万円に
・社会保険の壁は相変わらず106万と130万なので注意
・社会保険なしでは129万円以下で働くのがお得
・社会保険を払う場合は155万円を目指して働くほうが良い
・各種手当てや控除額を考慮しながら調整して働く