エアコンのつけっぱなしで電気代が安くなるって本当? 関西電力さんに聞いてみた《秋沢もかの暮らしの工夫》

こんにちは、秋沢もかです。
エアコンを使うとき、スイッチのオンオフを繰り返すより、“つけっぱなし”にしておくほうが電気代が安くなるらしいよ。

こんな話を聞いたことはありませんか?

主婦の間では、このような話題になることがよくあります。

▶︎ つけっぱなしがエコって本当?
▶︎ 本当に電気代が安くなるの?
▶︎ 実際に安くなったよ(体験談)
▶︎ 長時間の外出でもつけっぱなしのほうがいいの?
▶︎ 冷房と暖房で違いはあるの?

などといった意見を聞くことが多く、私自身も何となくオンとオフを頻繁に繰り返すよりも、ある程度つけっぱなしにしている方が電気代が安くなるのかな?なんて思っていました。

そこで今回は、私の長年の疑問を解消すべく、関西電力さんに「本当のところどうなの?」とツッコんで教えてもらいました!

つけっぱなし VS こまめにスイッチオンオフどちらが安い? 消費電力を比較してみた(冷房編)

エアコンの運転方法について、

A 冷房運転して室温が安定した状態から120分つけっぱなしで運転(連続運転)した場合
B 室温が安定した状態から30分間エアコンを停止し、その後90分間再運転した場合
C 室温が安定した状態から60分間エアコンを停止し、その後60分間再運転した場合

を比較したのがこちら。

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出典:「家庭用エアコンの連続運転と間欠運転の省エネ性比較」村上洋介(関電),北原博幸(トータルシステム研究所),第30回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス講演論文集,pp.493-496(2014)

これは意外な結果でした。

1時間外出する場合にエアコンを停止させたら24%電気代が上がるだなんて。

“こまめにスイッチオンオフ”(間欠運転)より“つけっぱなし”(連続運転)が有効な停止時間の目安は、60分程度までということになります。
※内部発熱(人や照明、家電機器などからの発熱)が低い条件下では、さらに省エネルギーとなります。

また、エアコンをこまめに停止する実験(30分運転→5分停止の繰り返し)では、つけっぱなしのほうが約30%消費電力を削減できるという結果になりました。
※外気温や室内環境により異なる場合があります。


今度からちょっとした買い物や外出の場合は、冷房はつけっぱなしにしよう……。

つけっぱなし VS こまめにスイッチオンオフどちらが安い? 消費電力を比較してみた(暖房編)

では、暖房ではどうなるのでしょうか?

A 暖房運転して室温が安定した状態から120分つけっぱなしで運転(連続運転)した場合
B 室温が安定した状態から30分間エアコンを停止し、その後90分間再運転した場合
C 室温が安定した状態から60分間エアコンを停止し、その後60分間再運転した場合

を比較したのがこちら。

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出典:「家庭用エアコンの連続運転と間欠運転の省エネ性比較」村上洋介(関電),北原博幸(トータルシステム研究所),第30回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス講演論文集,pp.493-496(2014)

この実験では、“ちょっとの買い物”くらいの30分であっても、電源オフにすることで消費電力は削減できる結果となっています。さらに停止時間が長いほど、節電効果は高くなります。

つまり、暖房使用時に、表にある通り「自動でスイッチオン・オフ」する場合は、“つけっぱなし”よりも“こまめにスイッチオンオフ”のほうが省エネになるという結果が出ています。
※エアコンの機種や家屋の断熱性能などの条件で省エネにならないことがあります。

なぜ冷房と暖房で異なるのか?

つけっぱなしが有効な冷房とこまめにスイッチオンオフが有効な暖房。

同じ使用方法にもかかわらず、消費電力に違いが出るのはなぜなのでしょうか?

それは、エアコンの電力がどこに使われているのかに着目すればわかります。

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出典:「家庭用エアコンの連続運転と間欠運転の省エネ性比較」村上洋介(関電),北原博幸(トータルシステム研究所),第30回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス講演論文集,pp.493-496(2014) (青色の囲みは編者によるもの)


冷房の場合は高い室温を急激に下げるときに最大の電力を消費します。

一方で、一度冷えた室温をキープする場合の消費電力は小さく済みます。

停止時間が長いほど室温は上昇し、エアコン再起動後の消費電力は大きくなります。

ある程度の停止時間(目安60分程度)までは、つけっぱなし運転のほうが消費電力をおさえることができるのです。

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出典:「家庭用エアコンの連続運転と間欠運転の省エネ性比較」村上洋介(関電),北原博幸(トータルシステム研究所),第30回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス講演論文集,pp.493-496(2014) (オレンジ色の囲みは編者によるもの)


暖房の場合は温風を高温に保つためエアコン自体が稼働・停止を繰り返しています。

つまり暖房稼働中は、エアコン内部で常にオンオフを繰り返している状態。

したがって、つけっぱなし運転より、そもそもの運転時間を短くする方が、消費電力は小さくなります。
※1つの実験結果であり、エアコンの機種や容量、家屋の断熱性能などの条件により、自動で間欠運転しない場合は省エネにならないことがあります。

冷房はつけっぱなし、暖房はこまめにスイッチオンオフ。

冷房と暖房の電力の使われ方の違いを理解して、消費電力をおさえるコツはわかりました。

さらに消費電力を減らすにはどうしたらいいのでしょうか?

消費電力をおさえるためにもっともポピュラーなのが設定温度の見直しですね。

▶ 冷房は設定温度を1℃上げることで約13%消費電力を減らすことができる
▶ 暖房は設定温度を1℃下げることで約10%消費電力を減らすことができる

具体的には、冷房の設定温度を27℃から28℃に変更した場合、1シーズンで約710円の節約になります。夏の冷房時の室温は28℃、冬の暖房時の室温は20℃を目安にしましょう。

参考資料:エアコン│関西電力 個人のお客さま
参考資料:えこまめ|環境家計簿 エコeライフチェック(6)[関西電力]
参考資料:えこまめ|環境家計簿 エコeライフチェック(67)[関西電力]

他にもさまざまな工夫で消費電力を減らすことができますよ。

夏の冷房をもっと快適に! 節電のポイントとは?

1. 気密性を高める

低断熱住宅より高断熱住宅のほうが省エネルギー。
外気の温度が高いほどその差は大きくなります。

2. 室外機の運転効率を上げる

▶︎ まわりに物を置かない

室外機の周囲に物が多いと、熱がこもり、運転効率が低下します。
周囲に溜まりがちな雑草や枯葉もきれいにしておきましょう。

▶︎ 背面・前面それぞれ壁との隙間をあける

背面・前面の壁との隙間が狭いと室外機の効率は低下します。
多くのメーカーでは背面間隔について5cm以上を推奨していますが、10cm以上に広げるのがおすすめ。

▶︎ エアコンの室外機には日よけをする

日の当たらないところに室外機を置くといいのですが、住宅の都合でそうもいかないこともあると思います。
日よけには「よしず」(葦(よし)の茎で編んだすだれ)がおすすめ。
よしずの日陰は室外機の温度を下げる効果があり、節電になります。

3. 風向はフラット(水平)に

エアコン運転1時間後のサーモカメラ映像が、こちら。

▼ 風向を下向きにした場合

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<関西電力株式会社提供画像>

風向き(フラップ)を下向きにすると、エアコンから出た冷たい空気が床付近を強力に冷やしてしまい、足元は冷やし過ぎの状態に。消費電力も大きくなり、この状態でエアコンが動き続けることになってしまいます。

▼ 風向をフラット(水平)にした場合

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<関西電力株式会社提供画像>

風向きをフラットにすると、エアコンから出た空気は部屋の上の方を通って、周囲の空気と混ざり合い、人がいる床付近が必要以上に低い温度にならず消費電力をおさえることができます。

4. エアコンと扇風機を組み合わせる

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<関西電力株式会社提供画像>

扇風機を天井に向けたり首振りにしたりすると、非生活空間(天井付近)の暖まった空気が混ざり、室温が上がってしまいます。

扇風機を直接人体に向けて風をあてる、これはタブーなようでいて、実は最も効果的に涼しさを感じることができる方法。

首振り機能を使わずに微風で固定したほうが、快適性が高く省エネを実現できるようです

DC(直流)モーターを搭載した扇風機であれば、風量の細かい調整や微風運転ができ、さらに省エネになります。

5. 部屋入口扉にカーテンを設置する

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<関西電力株式会社提供画像>

扉を閉めたままの状態は、扉を10分に1回開閉する場合より約40%の省エネ。

カーテンをつけると、扉の開閉を繰り返した場合でも2〜3割程度、消費電力をおさえることができます。

家族の人数が多いなど、扉の開閉回数が多くなる家庭ほど効果は高くなります。

6. 窓からの熱(日差し)を防ぐ

窓からの強い日差しを防ぐことで、室内の温度上昇をおさえる効果があります。

カーテンやブラインドのほか、すだれやよしずも効果があります。

7. 定期的なフィルター掃除

フィルターにほこりがたまると運転効率が下がり、電気を無駄に消費します。

2週間に1回のお手入れがおすすめ。

冬の暖房をもっと快適に! 節電のポイントとは?

1. 気密性を高める

冷たい外気を遮断して気密性を高めることで、省エネにつながります。

2. 室外機の運転効率を上げる

冷房のポイントと同じく、「まわりに物を置かない」「背面・前面それぞれ壁との隙間をあける」は気をつけておきましょう。

さらに、冬ならではの対策として……。

▶︎ 防雪対策をする

室外機に雪が付着したり雪が積もったりするとエアコンの運転効率が低下します。
室外機まわりの雪はきちんと除雪しましょう。

3. 風向は下向きに

暖房の風向をなるべく下向きにして、気流の経路を高い家具などで遮らないようにすれば、効率的に暖まって省エネルギーになります。

4. エアコンとサーキュレーターを組み合わせる

エアコンの暖かい空気が、サーキュレーターによって室内の空気と混ざり合います。

「エアコン単独」の場合と「エアコン+サーキュレーター」は、電力消費量はほほ同等。でも、暖かい空気が上空にたまることなく室内で循環し、部屋の温度が均一化して、低断熱住宅でも快適に過ごせます。

5. 定期的なフィルター掃除

冷房使用時と同様に、定期的な掃除によって運転効率を下げない工夫が必要です。

今までインターネットにあふれるエアコンの“つけっぱなし論争”に、本当はどうなのか知りたい! 正確なデータが見たい!と、ずっと思っていました。

突然のお願いに真摯に回答してくださり、資料をご提供くださった関西電力さんには感謝しかありません。

エアコンの仕組みから節電の工夫まで理解が深まり、前向きに省エネ・節電に取り組んでいけそうです。

光熱費がはね上がる夏と冬、みなさんもエアコンの使い方を見直してみませんか?

著者:秋沢もか (id:mocaca)

秋沢もか

買いもの大好きな2児の母。お得なこと、暮らしやすい工夫を見つけ出すのが好き。無印良品を愛するMUJIラーです。

ブログ:家計とお買いモノと。
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