上下水道減免制度を知っていますか?ご両親のためにもあなたに知ってほしい優しい制度

上下水道減免制度を知っていますか?ご両親のためにもあなたに知ってほしい優しい制度

1年で光熱費が最も高くなるのは電気・ガス・水道のうちどれでしょうか?
光熱費というのは年間を通して大きな割合を占めています。
特にガスや電気は一番わかりやすい光熱費で節約をしやすいものの一つでしょう。
電気やガスといった光熱費は、今の冬の時期であればこたつやヒーター、冷暖房といった家電製品を多用するため「高くなる」イメージがあります。

また、ガスもお風呂の追い炊きなどでの利用が増えるため、やはり「高くなる」と気にされている方も多いでしょう。
水道代は夏場によく使うので「高くなる」と感じることでしょうが、電気やガスの方を気にされて、水道料金の見直しは後回しにされている方もいるかもしれません。

ご存知ない方も多いのですが、皆さんは上下水道には減免制度があるというのをご存知でしょうか?
一部の条件を満たした対象者のみですが、この減免制度を利用することで水道代を安くできる場合があるのです。
そこで今回は、上下水道減免制度についてご紹介したいと思います。

そもそも水道料金は地域によって異なる

減免制度のお話をする前に、まずは基本的な事をお話ししましょう。
皆さんが使う電気料金は、特に見直し・申請・変更などの手続きをしなければ古いプラン設定のままだということはご存知ですよね?
たとえば従量電灯Bをご使用のご家庭であれば、使えば使った分だけどんどん高くなっていく設定です。

水道料金も同じように料金プラン・設定は全国同じだと思っていないでしょうか?
ここで東京都と愛知県を例に比較してみましょう。

都道府県 メーター口径 基本料金 使用量 従量料金(1㎥あたり)
東京都 13mm 860円 1~5㎥ 0円
6~10㎥ 22円
愛知県 13mm 800円 1~10㎥ 41円

「全国同じじゃないの?」と思っていた方は驚かれたでしょうね。

皆さんは、引っ越しされる時に重要視するのは何でしょうか?
独身者であれば、駅の利便性、賃料などを一番気にされるはずです。
子育て世帯であれば、スーパーや公園など日常環境を優先されるでしょう。
水道料金の基本料金や従量金額を気にして物件を決められている方はあまりいらっしゃらないですよね。

せっかく良い物件を見つけても、「光熱費が高くなった!」「水道代が上がった!」では引っ越しする意味がないのです。
まず減免制度を知る前に、基本料金・従量計算の仕組みから見直してみましょう。
水道料金・下水道料金の計算方法(23区) | 手続き・料金 | 東京都水道局
水道料金の仕組と料金表|愛知中部水道企業団

上下水道減免制度ってなあに?

さて、前置きはこれくらいにして減免制度についてみてみましょう。
上下水道減免制度は、読んで字のごとく「水道代金を減免できる制度」です。

この言葉を初めて知ったのはちょうど「小悪魔ageha」というギャル雑誌がきっかけでした。
人気現役キャバ嬢の女の子たちが登場する雑誌で、その手のファッションやメイクが好きな若者に大人気の雑誌でした。(一時期廃刊の危機に陥りましたが、現在も発売されています)
当時の筆者も愛読していたのですが、ママになり、年齢も30代となって少しファッションの方向性に悩んでいた時に、同じ出版社から「I LOVE Mama」という雑誌を見つけ、何気なく購入してみました。
その時、あるページにギャルママ情報で「母子家庭は水道代の免除が受けられるよ」というものがありました。
当時も今も、生活にひっ迫している私には目からうろこ。
すぐさま水道局に問い合わせをしました。
しかし返事は「No」でした。
なんだ、ガセかと思っていたのですが、よくよく読むと「市町村によって違う」との事。
実施している地域としていない地域とあったのです。

では、減免を受けられる対象者とはいったいどういった人なのでしょうか?
問い合わせる場合はどうしたらいいのでしょうか?

減免対象者とは

母子家庭の貧困により自殺に至ったというニュースをよく見かけます。こういった制度をきちんと知っていれば防げるかもしれない制度なのですが、残念ながら周囲はこういった制度を教えてくれる優しい人は多くありません。シングルマザーとなり、女手一つで育てると覚悟したのならば、いつか自分で支払えるようになるその日まで、周りに何を言われても甘える勇気も必要でしょう。貧困者を助けることができないのならば、情報だけでも伝えてあげる優しい世の中になればいいものです。

この制度は高齢者世帯家庭にも該当します。もしかしたら、あなたのご両親も対象になっているかもしれません。

「高い」「お金がない」と言っている人ほど、意外とこういった制度にズボラだったりしますので、該当するか一度見てみてみましょう。

対象者は以下の通りです。

・生活扶助受給世帯(生活保護法による生活扶助を受けている方)
・児童扶養手当受給世帯(児童扶養手当を受給している方)
・高齢者世帯(国民年金法による老齢福祉年金を受給している方)但し、その方の属する世帯に満18歳以上満60歳未満の方(身体障害者を除く)が含まれないとき
・障害者世帯(20歳前の障害により、所得制限のある障害年金を受給している世帯主の方)
・障害児世帯(20歳前の障害のある方を監護し、特別児童扶養手当を受給している方)
・生活支援給付受給世帯(中国残留邦人等の円滑な帰国の促進ならびに永住権帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立支援に関する法律による生活支援給付を受給している方)

減免を実施しいている都道府県・市町村

高齢のご両親の光熱費に心配されている方の中には、対象となっている高齢ご両親もいらっしゃるかもしれません。
ただし、こちらも全国一斉実施の制度ではありませんので注意が必要です。

ネット検索する際は「水道料金 減免制度 お住まいの都道府県・市」を入力すると調べられます。

各水道局公式ホームページで「上下水道減免制度」と検索すれば確認できます。
東京都、神奈川、千葉、愛知、広島、大阪、京都は現在実施が確認できています。(2016年現在・一部地域除く)
WEBまたはお住まいの担当営業所でご確認ください。

ちなみに、現在筆者は愛知県に住んでいますが、引っ越しする前は岐阜県でした。
電車でうまく乗り継げば30分で行けてしまうような隣県にもかかわらず、岐阜県の実施はありません。

高齢のご両親と疎遠になっている方も、一度大丈夫かどうか、これをきっかけに声掛けしてあげるのもいいでしょう。
親に頼ることのできない母子家庭の方も、年間を通して考えると、引っ越されたほうが経済状況が楽になる場合もあります。

減額される金額

気になる減免金額ですが、一体どれくらいなのでしょうか?
こちらの金額も、実施地域によって減免金額が異なります。
しかし、決して「タダになるんだ!」「半額になる!」という事ではありません。
減免はあくまでも総合計金額の一部が該当する意味なので、中には「たったそれだけなのか」とがっかりする方もいるかもしれません。
こういった制度を利用する人には、「たったこれだけ」の金額も助かる金額です。
生活がひっ迫した家庭向けの制度と言えるでしょう。

申請の手続き

申請の手続きは実施地域によって異なります。所定の申請用紙に必要事項を記入したら、受け持ちの営業所までお持ちいただくか、郵送で行うことができます。

市区役所の子育て支援課で出来る場合もありますので、一度窓口で確認してみるとよいでしょう。(2016年4月現在の話ですので、年度が替わるたび変更がないか確認しましょう)

筆者は引っ越しした際、子育て支援課にて行いました。手続きは5分程度で済みますので、お子さんを連れて行ってもできるでしょう。こういった制度はこちらから言わないと教えてもらえない場合もありますので、しっかりと見直しましょう。

一般世帯が受けられる減免の種類

上下水道減免制度は、低所得者向けの優しい制度ですが、一般家庭でも受けられる減免はあります。その一つに、漏水減免というのがあります。漏水というのは目に見えて確認できるものと、確認できないものとあります。

ここで指している「漏水減免」とは前者を指します。何らかの原因で異常が見つかり漏水していた場合も対象となります。漏水の原因を発見し、修理の見積もり・相談など依頼している最中も、漏水における水道代はばかになりませんが、こういった場合も「漏水減免対象」となります。

対象とならないのは、漏水しているというのは、わかっているにも関わらず修理を怠っていた場合。こういった場合、お客様責任となるのは誰しもわかることですが、漏水を少しでも発見したらお近くの水道局に問い合わせるとよいでしょう。

筆者も一度だけ古いマンションに住んでいた時、異常に水道代が高かったことがありました。少し漏れた感じにぽたぽたとなっていたのですが、「水の止まり(蛇口の締り)が悪いなあ・・」と思っただけで、さほど気にしてはいませんでした。

引っ越した途端、水道代が下がりましたので、微量漏水をしていた可能性があるかもしれません。このように水道代が高くなってしまう可能性もありますので、少しでも異常を感じた場合は、確認してみるとよいでしょう。

修理をされる場合は、まずは一度水道局に問い合わせされることをお勧めします。

公式ホームページにはお得情報がいっぱい

最近は自由化という言葉が始まり、電気もガスもご家庭に合わせて選択できるようになりました。
電気やガスはCMやニュースでも話題になるので勉強されている方も多いでしょう。
水道料金もきちんと見直せば簡単に節約できるのです。

観光や芸能人など、興味があるものの公式ホームページは色々検索して見るのですが、水道料金を下げたいからと言って水道局や市区役所の公式ホームページを見ることは少ないでしょう。
料金の見直しや減免制度を活用すれば、水道料金を下げることだってできるのです。
上下水道減免制度は母子家庭や高齢者世帯には嬉しい制度ですので、ぜひ活用するとよいでしょう。

もしもの時のための情報を

一見、今回お話しした「上下水道減免制度」は一般家庭には関係ない話に思えますが、どんなに永遠の愛を誓ってもすれ違ってしまうのが男と女というものです。
現代では、昔のように世間体を気にして仮面夫婦を装うよりも、「母子家庭となって女手一つで育てた方がいい」という強い女性も増えています。
「私は絶対離婚しないから関係ない」のではなく、「もしそんな日が来ても大丈夫」という安心材料する程度で覚えておくといいでしょう。

また、今のうちに見直しておけば、高齢の両親の心配も軽くなることでしょう。
結婚してしまうと家庭の事で手いっぱいになり、なかなか実家の水道料金の事まで頭が回りません。
一人暮らしの方でも独身期間が長いと、どうしても連絡が取りづらくなってしまいます。

「お母さん、水道代って高くなっていない?」「老齢福祉年金ってもらってたっけ? 水道代安くなるはずだけどちゃんと手続きしている?」
たとえ対象者ではなかったとしても、こういった話をネタにしてご両親とコミュニケーションをとるのも一つの方法です。

「ご主人のご両親と何を話したらいいんだろう?」
こんな時は減免制度について会話されれば、ご主人のご両親の中で「家計を任せられる嫁」と株も上がるかもしれません。

まとめ:制度はあくまでも自立するための補助でしかない

こう書いてしまうと、「母子家庭になれば生活が楽になる」と安易に考える方も出てきそうですが、決してそうではありません。
そして何より、こういった制度はあくまでも一時的な支援でしかありません。
一般家庭と変わらず生計を立てられ、満足いく経済状況になるまでの補助にしか過ぎないのです。
制度を利用することは経済的にゆとりのない者にとっては死活問題の光といえますが、こういった制度に甘んじてしまうと収支のバランスが崩れてしまいます。

水道料金にしても何にしてもそうですが、私たちは資源を購入している立場です。
永遠にあるわけではない大切な地球の資源。
みんなで上手に使うことが、より良いサービスを生み出すきっかけとなるでしょう。
こういった制度が出来ている事の意味を私たちは考えるべきなのかもしれません。

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