家計の救世主。傷病手当金とは?支給額と申請方法について

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もしかたすると、突然あなたに病気やケガがあるかもしれません。

当然仕事へ行くことができず、今まで行っていた業務ができなくなってしまいますよね。

 

仕事に行けないということは、給与をもらうことができないということ。

つまり、有給休暇などが支給されることを除けば、あなたの収入源が無くなってしまいます。

そうなると、生活費が減り、病院での治療を満足に受けることができなくなるかもしれません。

 

そこで登場したのが「傷病手当金制度」です。

不測の事態に備えて金銭的な助けをしてくれるこの制度について、ここでは申請方法や金額の計算方法などを詳しくご紹介しています。

また、療養したまま退職をしてしまった場合の、その後の対応についてもご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

傷病手当金とは

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傷病手当金とは、病気やケガをした時、長期的に会社を休む場合に支給されるお金のことです。

 

健康保険法に基づいて、協会けんぽ、健康保険組合、共済組合のいずれかの健康保険から支給されます。

国民健康保険に加入している人は対象外となっており、働いている人限定のお金となっています。

 

傷病手当金の目的は以下の2つとなっています。

 

◆治療に専念するため

◆生活に支障がないようにするため

 

今まで得ていた収入が途絶えてしまうと、生活費に困ったり、治療を行えなくなったりしてしまいます。

また、治療を行えないと、復職もできなくなってしまいます。

そこで、仕事を休んでいる間、病気やケガの治療に専念できるようにつくられた制度が、「傷病手当金制度」なのです。

 

傷病手当金は、いつからいつまでもらうことができるのでしょうか。それは、以下の期間となっています。

 

◆支給期間:1年6ヶ月間

 

仕事を休んで連続して3日間経ち、翌日になっても就労できない時、仕事を休んで4日目からが傷病手当金の支給対象日となります。

また、そこから1年6ヶ月間まで傷病手当金を受け取ることができます。

 

1年6ヶ月間、一度も復職しない場合は、期間を過ぎると傷病手当金は支給されません。そして、1年6ヶ月の間に復職した場合は、給与を得ることができるため、支給は停止となります。

 

ここで気を付けていただきたいのは、一度復職し、再度同じ病名で休職してしまった場合です。

再度同じ病名で休職した場合、傷病手当金の支給はされますが、その期間は当初設けられた1年6ヶ月の間だけとなっています。

つまり、再度休職した時、初めの支給対象日から1年6ヶ月を過ぎている場合は、傷病手当金はもらうことができません。

どんな時に受け取ることができる?

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医療保険やがん保険などでは、保険金の対象となる病気などが決められています。

しかし、傷病手当金を受け取ることができる病気やケガに決まりはありません。

美容整形などの病気とみなされないものや、仕事中や通勤途中の「労災保険」の対象となるもの以外は、全て支給の対象となります。

 

傷病手当金をもらうには、以下のような条件を満たす必要があります。

 

◆仕事以外の病気・ケガが原因で、入院・自宅療養している

◆今まで行っていた業務ができない

◆4日以上連続して会社へ行けない

◆休んでいる間の給与が支給されない

                                

病気やケガのなかには、「うつ病」など精神的な疾患も対象となります。

また、入院中でも自宅療養中でも、手当の対象となります。

業務ができない、会社へ行けないというのは、必ず「医師」の判断によるものとなっています。

つまり、自分の判断で傷病手当金をもらうことはできないということですね。

 

普通、風邪などをひいて1日会社を休んだ時、「公休」を使えば有給休暇扱いとなり、給与が支払われます。

傷病手当金が支給されるには、公休がない状態、有給休暇がとれない状態であることが必要です。

つまり、病気やケガなどをして4日以上連続して会社を休んだとき、公休が残っている場合はまず、その消化をすることが優先されます。

 

このように、傷病手当金を支給されるには、様々な条件があります。

受け取るまでの詳しい流れは以下にてご紹介していますが、傷病手当金についての相談は会社側ときちんと行うようにしてください。

気になる金額は?

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傷病手当金の支給額は、人それぞれで違いますが、健康保険法に基づいて計算方法が決まっています。計算方法は、以下の通りです。

 

【支給日額=標準報酬日額×2/3】

 

傷病手当金制度は、平成28年4月1日より健康保険法が改正されました。

したがって、上記の「標準報酬日額」について、以下のような変更点があります。

 

◆旧→【休んだ日に対しての標準報酬月額÷30日】

◆新→【支給開始日前の12ヶ月間に受け取った各標準報酬月額を平均した額÷30日】

 

なお、支給開始日とは、会社を休んだ第1日目ではなく、初めて傷病手当金が支給された日となっています。

 

実際に受け取る給与のうち、標準報酬とは、以下のようなものが含まれています。

 

◆基本給

◆手当(通勤手当、昼食手当、残業手当など)

◆年4回以上の賞与

*年3回以下の賞与は対象外。

 

実際に支給される傷病手当金は、申請後、金額が確定してから、通知を受け取ることで知ることになります。

しかし、生活費や治療費などの補てんとして使いたい時、傷病手当金の支給額が分かる前に、自分で把握しておきたいところですよね。

給与明細を見ていただき、手取りとなっている分から約3分の2が傷病手当金の目安となります。

 

気を付けていただきたいことは、給与のうち、「控除」の分は、通常通り引かれるということです。例えば以下のようなものがあります。

 

◆健康保険料

◆厚生年金保険

◆雇用保険料

◆社会保険料

◆所得税

◆住民税

◆積立金

 

他にも、給与天引きで自動車保険や生命保険、財形預金などの分が引かれている場合も、停止しない限り引かれることとなります。

つまり、傷病手当金を支給されている最中は、通常の給与日に上記のような「控除分」が引かれ、合計額のところは「-」となります。

そして、控除分が引かれるということは、給与振込口座に、その金額分は入れておく必要があります。

申請する時は医師の「診断」が必要・流れをご紹介

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では、実際にどのような流れで傷病手当金を受け取ることができるのかをご紹介しますね。

ポイントは、医師の「診断」が必要だということです。

主な流れは、以下の通りです。

 

◆会社に報告し、傷病手当金の申請書を受け取る

◆申請書を記入する。

◆医師に申請書の記入を依頼する。

◆会社に申請書の記入を依頼する。

◆健康保険組合等へ提出する。

◆普通預金口座に傷病手当金が振込される。

 

まずは、仕事を長期的に休むこと、および医師から休むように言われていることを、会社へ報告します。

その時に、上司や健康保険組合の保健師などに、病状などを報告し、どのようにして休みを取るか相談します。

有給休暇が残っているならば、そちらを優先的に消化することになります。

 

次に、傷病手当金の申請書について、必要な項目の記入をします。

記入事項は名前、住所、電話番号、振込希望口座、保険証の記号・番号などです。

認印で良いですが、捺印も必要となります。

 

次に、治療をしてくれる担当の医師に申請書の記入を依頼します。

これは、病気やケガのことについて、証明をするという意味があります。

病名や病状、受診回数などを記入してもらいましょう。

 

続いて、会社の産業医などにも申請書の記入を依頼します。

会社へ提出することで、会社側が産業医へ依頼してくれるケースもあります。

 

最後に、健康保険組合・協会けんぽなどへ提出をします。

持参しても良いですが、必要な事項が全て埋まっていれば、郵送でもOKです。

 

傷病手当金を申請することができるのは、「過去」の日付となっています。

1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月など、申請ができる単位に決まりはありません。

つまり、自分のタイミングで申請ができるということですね。

 

1ヶ月ごとに申請書の提出をして傷病手当金を受け取ることもできますし、1年6ヶ月後にまとめて傷病手当金を受け取ることもできるということです。

また、会社を休んでいる間に傷病手当金を受け取らなかった場合でも、過去2年以内であれば申請をすることができるので、安心しましょう。

傷病手当金が支給されないのはどんな時?

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普段働いている会社員にとって、突然の収入難を助けてくれるのが「傷病手当金」です。生活費としても、治療費としても、とても助かる制度だと思いませんか?

 

しかし、それが受け取れない場合、または減額になる場合があります。

それは、傷病手当金の他にも「手当金」や「給付金」を受け取る対象となっているかもしれいからです。

 

例えば、以下のようなものがあります。

 

◆出産手当金

◆労災保険からの休業補填給付金

◆老齢年金

◆障害年金

◆障害手当金

 

出産手当金は、「女性」に対しての手当金です。

健康保険に加入している女性が、出産のために会社を休んだ場合に受け取ることができる手当金となっています。

簡単に言うと、「産休」を取った時にもらえるお金のことです。産前42日から、産後56日までの期間が対象となります。

 

この出産手当金は、傷病手当金と同様の計算方法となっており、平成28年4月1日に改正が行われています。

傷病手当金と出産手当金が、どちらも受け取ることができるような状態である時は、「出産手当金」の支給が優先されます。

 

傷病手当金の支給条件に、「仕事以外」という言葉があります。

これは、仕事中に生じた病気やケガは対象外ということになります。

この場合は、労災保険から「休業補填給付」を受け取ることができます。

別の病名として傷病手当金を受け取ることができる場合でも、休業補填給付の支給が優先されます。

また、傷病手当金の金額が休業補填給付の金額よりも多い場合は、その差額分を受け取ることができます。

 

老齢年金とは、健康保険に加入している人が一定の年齢に達した時に支給される年金のことです。

国民年金、厚生年金保険に加入している人が対象です。ここでは、退職をした後に受け取る老齢厚生年金、退職共済年金、老齢基礎年金のことを指します。

つまり、定年退職などをした時、老齢年金を受け取る場合は、傷病手当金を受け取ることはできません。

ただし、傷病手当金よりも年金額が少ない場合(年金額の1/360)は、その差額を受け取ることができます。

 

障害年金とは、病気やケガによって「障害」のある状態となった場合に受け取ることができる年金のことです。

また、障害状態となった時に一時金として受け取るのが障害手当金と言います。

障害年金や障害手当金を受け取る場合も、傷病手当金を受け取ることができません。

ただし老齢年金と同様、傷病手当金の方が多ければその差額分のみを受け取ることができます。

 

傷病手当金の支給対象となった時、上記のように他に公的な給付金などを受け取っていないか、または受け取る予定ではないかということを調べる必要がありそうですよね。

そこで重要なのが、傷病手当金をもらうまでの流れでご紹介した、「会社との相談」なのです。

療養したまま会社を退職。傷病手当は支給される?

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復職しないまま、退職をするというパターンが存在します。

例えば、傷病手当金の支給対象となる病気やケガが原因で退職することになった場合、定年退職などの予定していた退職の場合などがあります。

 

傷病手当金は、会社側の健康保険から支給されるものなので、退職し、会社との縁が切れてしまうと、傷病手当金も受け取れなくなるのではないかと不安が出てくるかもしれません。

 

しかし、安心してください。傷病手当金は、一定の条件を満たせば、退職後でも受け取ることが可能です。

その条件として、以下のようなものがあります。

 

◆就労不能状態で、傷病手当金の受給中、または受給予定である。

◆支給開始から1年6ヶ月以内である。

◆健康保険に加入してから退職日まで1年以上経過している。

◆失業給付を受け取っていない。

 

退職後に受け取ることができるお金として、「失業給付金」があります。

自己都合や会社による都合などで会社を辞めた時、求職中であることを条件に、つまり、働く場所を探すことを条件に受け取ることができるお金です。

 

失業給付金の支給は、「就労可能」であることが条件です。

傷病手当金の支給は、「就労不能」であることが条件ですので、同時に受け取ることはできません。また、差額を受け取ることもできません。

就労可能となった時に失業給付金を受け取りたいならば、失業給付の延長手続きを行う必要があります。 

まとめ

・傷病手当金は、家計の助けとなり、生活の助けとなる。

・対象の病気やケガに決まりはないが、病気とみなされない整形や、業務中、通勤中の病気・ケガに対しては支給されない。

・傷病手当金は、医師による「診断」が必須である。

・傷病手当金の減額、または支給されない場合があるので注意する。

・退職後も、傷病手当金は期間内であれば引き続き支給される。

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