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住宅ローンの保証料について解説!支払い方法や必要ない金融機関についても紹介

住宅ローンの保証料について解説!支払い方法や必要ない金融機関についても紹介

住宅を購入するには多額の資金が必要なことから、「住宅ローン」を利用するのが一般的です。住宅ローンは最長35年間の分割払いで返済しますが、その長い返済期間にはさまざまなトラブルが発生するかもしれません。

そこで金融機関はローン申込み者に対して、返済トラブルによる「滞納リスク」を回避することを目的に、保証会社による機関保証の契約を求めてきます。つまり住宅ローンを利用するには金融機関に支払う利息以外に、保証会社と「保証委託契約」を契約しその費用(保証料)を支払う必要があります。

「保証料」とは金融機関の貸し倒れリスクを防ぐ保証費用であり、住宅ローン利用者と保証会社の保証委託契約の掛け金です。そしてこの保証料はローン利用者を保護するための経費ではなく、あくまで金融機関を守るために利用されます。しかし住宅ローンの保証料は、すべての金融機関で必要ではありません。なかには保証料無料で提供される住宅ローンもあります。

この記事では住宅ローンにおける保証料の特徴、さらにメリット・デメリット、さらに保証料が必要のない住宅ローンを取り扱う金融機関を紹介します。

住宅ローンに必要な保証料とは?

住宅ローンは金融機関が住宅などの購入に必要な資金を融資するもので、長期返済により少ない資金でマイホームが取得できます。住宅ローンの特徴を見てみましょう。

住宅ローンの特徴
  • ローン金額(融資額)が大きい
  • 返済期間が長い
  • 金利が安い

このように融資額が大きく低金利で返済期間も長期である住宅ローンは便利な反面、金融機関にとっても大きなリスクがある金融商品です。そこで金融機関は債務者トラブルが原因の貸し倒れによる「回収不能」を防ぐ目的で、保証会社との保証委託契約を住宅ローンの申込み条件にしています。

つまり住宅ローンの審査を受ける条件として「保証委託契約への加入」が入っており、利用者は金利以外に保証料を支払う必要があります。

保証料は保証会社の費用

一般的な金銭貸借契約では債権者の回収リスクを軽減させる目的で、「連帯保証人」を立てることが一般的です。連帯保証人は連帯して債務の責任を負うことから、債務者が返済不能に陥っても債権者は連帯保証人に債務の返済を求められます。

住宅ローンでも連帯保証人による保証が利用されてきましたが、現在では個人に保証を求めるのではなく保証会社による保証を受けることが多くなっています。「機関保証」は法人である保証会社が連帯保証人の代わりに債務を保証する制度で、住宅ローンの返済が滞った場合に債務者に代わって支払いをおこないます。とくに最近では連帯保証人になりたがらない親族も増えており、住宅ローンを利用するには保証料を支払い保証会社と契約した方がスムーズに手続きが進む側面も否定できません。

過去には「連帯保証人」と「保証会社による保証」を選択できましたが、近年では保証会社との契約が住宅ローンの条件とされている商品が大部分です。

保証料は住宅ローンの貸し倒れリスクを防ぐ

単純に考えて保険は加入者を守るものですが、住宅ローンはその常識は通用せず第三者である金融機関を守るために加入します。金融機関は低金利で長期返済の住宅ローンを安定して提供するために、返済が滞る滞納リスクに対処しなくてはなりません。

しかし金融機関が保証会社を利用する理由は、リスク回避だけではありません。実は住宅ローンの審査の大部分が金融機関ではなく、保証会社によりおこなわれています。つまり住宅ローンの審査を保証会社がおこなうことで、住宅ローンの手続きを簡素化させる効果があります。

つまり住宅ローンで保証会社を利用する理由は滞納による「貸し倒れリスク」を防止することと、住宅ローンの審査を「保証会社へ委託」することが理由です。それでは住宅ローンが滞納した場合に、保証委託契約により、どのように補償されるかを見てみましょう。

補償の流れ

  1. 住宅ローン利用者(債務者)が金融機関への返済を一定期間滞納する
  2. 金融機関から保証会社へ代位弁済を申し立てる
  3. 保証会社から金融機関へ住宅ローンの残債務が支払われる
  4. 住宅ローン債権(残債務分)が金融機関から保証会社へと移管される
  5. 保証会社が債務者へ残債務の一括返済を求める
  6. 債権者と保証会社で話し合いのうえ返済をおこなう

これはあくまで大まかな流れですが、一定期間住宅ローンの返済が滞ると金融機関は、保証会社へ代位弁済(債務者の代わりに返済すること)を求めます。保証会社は金融機関に対して住宅ローンの残額を一括で支払い、住宅ローンの債権を保証会社へ移します。

保証会社が金融機関へ代位弁済することで住宅ローンは完済したと見えますが、実は債務者である住宅ローン利用者の債務は消えておらず保証会社へ返済しなくてはなりません。つまり保証会社が住宅ローンを支払っても、利用者(債務者)の債務は消えずこれからも支払い義務が残ります。

このように住宅ローンにおける保証委託契約は、住宅ローンの利用者を守る保険ではなく金融機関の貸し倒れリスクをなくす効果しか期待できないものです。保証料はあくまで金融機関を守るために必要な経費だという訳です。

保証料の支払い方法と金額

保証料はあくまで金融機関と保証会社で決めており、標準的な規定はありません。保証料を算出する要素は主に「ローン金額」、「返済期間」で決められますが、金融機関の別商品(定期預金、積立)を利用することで安くなる場合があります。

保証料はローン金額に対する「保証料率」により計算されますが、支払い方法により2種類に分類されます。

2種類の支払い方法
  • 外枠方式(一括前払い型)
  • 内枠方式(金利上乗せ型)

外枠方式(一括前払い型)

「外枠方式(一括前払い型)」は住宅ローンの借入れ時に保証料を一括で支払う方法で、返済期間に関係なくローン金額の2.0%程度を融資実行時に支払います。住宅ローンの保証料を外枠方式で支払う場合の価格を見てみましょう。

外枠方式の例
ローン金額
保証料率
保証料(一括払い)
2,000万円 2.0% 40万円
3,000万円 2.0% 60万円
4,000万円 2.0% 80万円

これらの金額は融資実行時にローン金額から差し引かれることが多く、融資額から保証料分が差し引かれることに注意してください。

内枠方式(金利上乗せ型)

毎月支払う住宅ローンの返済額は「元本返済分」と「金利分」の合計が基本ですが、ここに「保証料分」を加えて支払うのが「内枠方式(金利上乗せ型)」です。実際にはローン金利に保証料分を加算させることから、金利が0.2%程度高くなります。それでは住宅ローンの保証料を内枠方式で支払うケースを見てみましょう。

ローン金額
返済期間
保証料率
保証料合計(分割払い)
2,000万円 20年 0.2% 44万円
2,000万円 35年
0.2% 77万円
3,000万円 20年 0.2% 66万円
3,000万円 35年 0.2% 115万円
4,000万円 20年 0.2% 88万円
4,000万円 35年 0.2% 154万円

内枠方式は金利に上乗せして支払うことから、返済期間が長いほど保証料が高くなります。ローン金額が同じ3,000万円の場合、20年返済で66万円、35年返済で115万円の保証料を分割して支払います。

住宅ローンの保証料は内枠方式が高い

外枠方式と内枠方式の保証料の違いを計算しました。3,000万円のローンで見ると外枠方式で60万円、内枠方式で66万円(20年返済)、115万円(35年返済)です。つまり20年返済でも35年返済でも内枠方式が保証料の負担が多くなります。

外枠方式は一括で保証料を支払う必要がありますが、だいたい19年から20年以上の住宅ローンでは金利負担が少なくなるメリットがあります。

住宅ローンには事務手数料が必要

住宅ローンを利用するには保証料や融資手数料などの経費が必要ですが、さらに金融機関の手続きに対する「事務手数料」が必要です。

金額は保証料の支払い方法によらず一律であることが多く、3万円程度だと思ってください。ただし金融機関により金額に違いがあるので、保証料だけでなく事務手数料も含めて比較した方がよいでしょう。

支払い方式によるメリットとデメリット

ここまで解説したとおり保証料の支払い方法は外枠方式と内枠方式の2種類がありますが、それぞれのメリットとデメリットをまとめてみます。まずは外枠方式を紹介します。

外枠方式のメリット
  • 保証料の合計が内枠方式よりも安くなる(返済期間19年から20年以上が目安)
  • 繰り上げ返済で保証料が返還される可能性がある
外枠方式のデメリット
  • 融資実行時に大きな支払いが必要
  • 保証料がローン金額から差し引かれる

次に内枠方式のメリット・デメリットを見てみましょう。

内枠方式のメリット
  • 住宅ローン利用時に大きな支払いがない
  • 分割返済により負担が少ない
内枠方式のデメリット
  • 毎月の返済額が高くなる
  • 保証料の総額が高くなる

それぞれの支払い方法にメリットとデメリットがありますので、自分にあった方法を選択しましょう。

保証料がいらない金融機関がある

住宅ローンのなかには「保証料無料」が特長の商品があります。たとえば有名な「フラット35」は、住宅金融支援機構と民間銀行が提供する住宅ローンですが、公的ローンの立場から保証料は必要ありません。しかしフラット35は申込み条件が厳しく、対象住宅にも基準が設けられています。

民間の金融機関にも保証料無料の住宅ローンがありますが、審査基準が厳格であったり手数料が高かったりとさまざまです。つぎは民間の金融機関で提供する保証料無料の住宅ローンを見てみましょう。

保証料無料の住宅ローンは審査が厳しい

住宅ローンで保証料が必要ないのは嬉しいことですが、反面いくつかのデメリットも存在します。

デメリット
  • 審査が厳しい
  • 高属性が必要
  • 事務手数料が高め

たとえばフラット35は公的な住宅ローンなので、保証会社を介さなくても公的な保証が受けられます。しかし民間銀行単独で販売する住宅ローン(保証料なし)は、公的な保証がないことから審査を厳しくして滞納リスクを減少させる必要があります。つまり保証料なしの住宅ローンは属性がしっかりした人を対象にした商品で、厳しい審査を通過するだけのバックグラウンドが必要です。

事務手数料が高い理由?

手数料無料の住宅ローンは通常の住宅ローンと比較して、事務手数料が高く設定されています。たとえば楽天銀行住宅ローンの事務手数料は「一律33万円」で、一般的な住宅ローンの約10倍です。また事務手数料をローン金額の2.2%程度に設定している金融機関もあります。その場合3,000万円の住宅ローンで「66万円」の事務手数料が必要です。

保証料無料の住宅ローンで事務手数料が高い理由は、「審査を厳格に実施する」ことと「自前で審査をおこなう」ことによります。つまり保証会社つきの住宅ローンの審査は主に保証会社が実施しますが、保証料なしの場合は金融機関が独自の審査基準でおこないます。自前で審査することでより多くの経費が必要です。

また保証料を無料にする代わりに、事務手数料を高く設定する金融機関もあります。

保証料が必要ない金融機関

それでは代表的な保証料無料の住宅ローン商品と金融機関をいくつか紹介します。それぞれにメリットやデメリットもありますので、参考にしてください。

りそな銀行(埼玉りそな銀行)

りそな銀行の住宅ローンは「融資手数料型」「保証料一括前払い型」「保証料金利上乗せ型」と3種類があります。なかでも融資手数料型は保証料無料の住宅ローンで、ローン金利も3種類のなかでもっとも低く設定されています。ただし融資手数料が高く設定されているため、金利が低くても総合的な金利負担が一番大きくよく計算してから判断しましょう。

メリット
  • 都市銀行のなかでは低金利
  • 保証料なしの住宅ローンが選択できる
  • 店舗があるので安心
デメリット
  • 融資手数料がローン金額の2.2%程度必要
  • 保証料一括前払い型が総合的に安くなる
  • 補償がアップしたワイド団信などの保険は有料

住信SBIネット銀行

ネット銀行の住信SBIネット銀行が提供する住宅ローンは、「魅力的な金利「安心の保証が無料」「繰り上げ返済などの手数料が無料」と3つの魅力が自慢です。ローン金利は業界最高クラスの低さで、団体信用生命保険(団信)も無料で付帯されます。さらに全疾病保証ガン診断給付(女性限定)も無料付帯です。

ただし事務手数料としてローン金額の2.2%程度を一括で支払うことが必要です。

メリット
  • 金利が業界最低水準
  • 団信や全疾病保証が無料
デメリット
  • 事務取扱手数料がローン金額の2.2%程度必要
  • ローン相談窓口が少ない
  • 審査内容が公表されていない

ソニー銀行

住宅ローンのなかでも最低水準の金利であるソニー銀行住宅ローンは、ネット銀行のなかでも人気が高い商品です。ソニー銀行の住宅ローンは「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」「住宅ローン」の3種類があり、自分にあったローンを選択できます。

なかでも変動セレクトと固定セレクトは融資事務手数料としてローン金額の2.2%が必要ですが、住宅ローンは保証料がないにもかかわらず融資事務手数料が「一律44,000円」のみで利用できます。

もちろん団信やがん診断給付なども無料で付帯されており、専任のローンアドバイザーに相談できるところも魅力です。ただしソニー銀行の住宅ローンは、申込み条件(年収など)や審査が厳しくなっています。

メリット
  • 金利が業界最低水準
  • 住宅ローンの融資事務手数料は一律44,000円
  • 繰り上げ返済手数料は無料
  • ソニー生命の店舗でローン相談が可能
デメリット
  • 申込みの条件が厳しい(年収制限など)
  • 変動金利の規制がない(変動金利が急に上がる可能性がある)
  • 中古住宅の購入には利用できない

楽天銀行

保証料がない住宅ローンの場合、融資事務手数料として2.2%程度かかることが多く、ローン金額が増えると手数料も高くなります。しかし楽天銀行住宅ローンの融資事務手数料は、一律33万円でローン金額に左右されません。また団信や「全疾病特約つき50%保証がん保険」も無料で加入できます。

3,000万円のローンで2.2%の融資事務手数料は66万円なので、33万円なら半額となりお得に感じます。しかし金利がソニー銀行などと比較して高めなので、しっかりと計算して優劣をつける必要があります。

メリット
  • 融資事務手数料が一律33万円
  • 全疾病特約つき50%保証がん保険が無料
  • 繰り上げ返済手数料は無料
デメリット
  • 審査結果により金利に差が出る
  • 楽天銀行の口座以外の返済は金利が0.3%アップ

住宅ローン保証料のまとめ

住宅ローンには金融機関の貸し倒れリスクをなくす目的で、保証会社との保証委託契約が義務付けられています。この保証に加入するための保険料が住宅ローンにおける保証料であり、ローン利用者が負担する諸費用です。保証料は支払い方法により「外枠方式」と「内枠方式」から選択できますが、長期の住宅ローンでは一括払いの外枠方式が負担が少なくなります。

しかし金融機関や住宅ローンの商品によっては、保証料がかからず無料で保証を受けられるものがあります。ただし融資事務手数料が高額に設定されていることが多いので、住宅ローンを選択するには「金利」「保証料」「融資事務手数料」の3要素をしっかり計算してから判断してください。

上場企業のサラリーマンから会社経営を経てファイナンシャルプランナー(FP)に。FPとして個人資産の相談業務をおこなう傍ら、金融系ライターとして銀行コラムや各種金融商品などの記事を多数制作。その他にも年に数回、お金の講演会や各種学校にて高校生、PTAに対して公的奨学金についての講演もおこなっている。また投資家としての面もあり過去にはFXで大損した経験も…その記憶を忘れないように現在では固い投資を心がけている。

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