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普通の会社員が毎日「チョコレート」を食べ続けて100万円以上投資したら、人生が変わった話

普通の会社員が毎日「チョコレート」を食べ続けて100万円以上投資したら、人生が変わった話

はじめまして、チョコレート狂のちえころと申します。

約3年前の2016年5月からチョコレートを食べ始め、今では「毎日チョコ生活」というブログの運営やチョコレートに関する執筆活動など、チョコレート漬けの日々を送るようになりました。

普段は都内の出版社で勤務する、ごくフツーの会社員です。それもビジネス系の雑誌や本、サイトのマーケティングに、営業、企画販促など、チョコレートとは特に直接関係のない仕事をしています。そんな私が、なぜこんなにチョコレートにハマったのか、どのように人生が変わっていったかをお話したいと思います。

「せっかく何かやるなら……」チョコレート沼にはまったきっかけは、とあるアドバイス

平日はフルタイムで仕事に追われている私ですが、その反動で休日は家の中でごろごろする“干物”と化します。たまに友達と会ったり旅行したりはするものの、基本的にぐうたら昼近くまで寝て、ダラダラ過ごすのがほとんど。さすがにこのままではマズイなぁと、自分でも感じていました。

仕事も人生の一部だと思っているし、大事だけど、年末に「今年も仕事以外、何かやったっけ……」と虚しさを感じるのはやめたい……。何かやりたい、という思いを抱えていたそのとき、とある食事会で、アドバイスをもらったのです。

「せっかく何かやるなら、年間1,000種類達成を目指してやった方がいい。ちゃんとログをつけていけば、そこから見えてくるものがあるよ」

そこで私はハッとしました。「そうか、何が好きかぼんやり探すだけでなく、自分が継続できそうな、達成(ゴール)しそうな視点から考えてみるのもいいかもしれない」と。

早速、その場にいる全員を巻き込んで、私が1年で1,000種類達成できそうなことは何か、考えに考え抜きました。その結果、好きな食べ物の一つで、季節を問わず、日本・世界中にお店がある「チョコレート」をテーマにしようと決めたのです。

まずは、チョコレートのパッケージと実物を1つずつ写真に残し、ブログに掲載していくことにしました。私は忘れっぽいので、かぶりがないように買うための記録として書き残すことにしたのです。

その際に大事にしたのは「味の正直な感想を書く」ということ。もしブログを見てくれる人がいるとしたら、パッケージや広告に惑わされず、自分の中でどう思ったかをきちんと記した方が参考になると思ったからです。

「とりあえず1年くらいは続けてみよう……」とぼんやり思っていた私ですが、まさかそこからずぶずぶと、深い深いチョコレート沼にのめり込んでいくとは、思ってもいませんでした。

目指せ、1年間に1,000種類。チョコレートを淡々と記録する日々

1年間で1,000種類のチョコレートを食べてブログを書く……つまり、1日平均3種類は食べる必要があります。数として見ると多く感じますが、絶対にこの数を食べなければいけないと厳しくルールを決めるのではなく、食べられるときは一気に10種類、逆に食べられないときは1種類に抑えるなど調整すればなんとかなるだろう、と楽観的に考えていました。

チョコレートの画像①

はじめに買い集めたのは、コンビニで売っている「チロルチョコ」です。普段は種類の異なるチロルチョコを一気に買うなんてことはありませんでしたが、お菓子の大人買いは気持ちがいい!

また、想像より大変だったのが、チョコレートの写真を毎回細かく撮っていくことでした。全体の写真を撮るのはもちろん、1個ずつの写真だけでなく、場合によっては違う角度からも撮っていたからです。

また、レポート用にブログも初めて開設しました。何もかも初めてのことばかりでしたが、悪戦苦闘しながら継続していきました。

チョコレートの画像②

レポートを続けていくと、身近なコンビニやスーパーに置いてあるチョコレートはあっという間に買いきってしまったので、次は近くの百貨店や専門店へ行くことにしました。さすが東京、国内だけでなく世界各国のチョコレートが百貨店や専門店に集まっています。私はルンルン気分で買いに行きました。しかし、ショーケースを見ながらチョコレートを選ぶうちに、はた、と気がつきます。

「高い……」

コンビニやスーパーで売っているチョコレートの価格は、高くても1袋数百円。まとめて買うと確かに数千円にはなりますが、それでも相当な量が買えます。しかし百貨店や専門店になると、1粒200〜300円はザラ。さまざまな種類が入ったアソートBOXなどになると、数千円が普通です。ブランドチョコになると、中には1粒で1,000円オーバーも!

なぜ、こんなに高いのか? 疑問に思って調べてみると、高級チョコレートが高い理由は、ブランドのライセンス料だけではないというのを知りました。また、原材料のカカオ豆は世界で限られた地域でしか作れないこと、世界でチョコレートの需要が増えていること、加えて、チョコレート自体も製造に時間がかかるためかなり熟練した技術が必要であること、わざわざ海外から日本に空輸していることも初めて知ったのです。

また、チョコレートは非常に繊細な食べ物で、温度管理が非常に大事です。日本の場合、チョコレートに合う季節は11月下旬から2月下旬までといわれています。日本では当たり前のように年がら年中おいしいチョコレートが食べられますが、それはメーカーさんの新商品開発努力と、冷蔵で運ぶ流通技術の賜物があってこそだというのも分かりました。

このような理由を知ると、チョコレートの価格に対する価値観が変わり、おいしいチョコレートに対して、高いお金を出すことは悪くないと思い始めます。せっかく見つけた趣味でもあるので、自分への投資として、多少高いものでも迷ったら買うことに決めました。買いに行こうと思いながらも先伸ばしにしていたお店に行ったら、季節によってはもうチョコレートを制作していなかったり、日本から撤退していたりしたこともあったからです。

チョコレートにハマって「チョコ貯金」を始めてから、お金と時間の大切さに気づく

高くても買うと決めたら、月々のお給料の中からチョコレート資金を捻出しなければいけません。そこで考えついたのが「チョコ貯金」です。

まず、チョコ貯金用に新たに銀行口座を作り、毎月のお給料から強制的に天引きした8万円を振り込むようにします。すぐに切り崩さないよう、ATMがなくて振込でしか対応できず、月に数回であれば他行への振込手数料がかからない銀行を選びました。他にも、すでにあった貯金の一部を軍資金として確保。生活費は天引きした後の残りでやりくりするようにして、足りなくなったら食費や交際費を節約しました。

このチョコ貯金を運用してから約3年で、チョコに費やしたお金は少なくとも100万円以上。チョコの購入費を目的に始めたチョコ貯金とはいえ、その中でもお金を使う優先順位は考えに考え抜きました。自然と衝動買いは減り、お金の使い方全体を見直す良いきっかけにもなりました。

お金だけでなく、時間の確保も必要です。チョコレートを買いに行き、写真を撮り、チョコレートを味わい、ブログにレポートを書く……。これを毎日続けるのは、なかなか時間がかかります。日々の仕事だけでなく、接待や飲み会、遅くまで残業することもあるので、そんな日は急いで帰ってブログを更新します。

この生活が大変か、と言われたら、正直言って大変です。でも、決して「嫌だ、つらい」という思いはなく、仕事から強制的にチョコレートに頭を切り替えられるので、楽しくて幸せです。良いリフレッシュ効果になっています。また、こうした生活をするうちに、時間に対する意識が変わりました。30分以内で仕上げる、あと5分でSNSへ投稿するなど、ダラダラとした時間の無駄使いが減りました。

最近は豆からこだわる「Bean to Bar」というスタイルが静かなブームになっていることもあり、チョコレートの話題が増え、ネットニュース、SNS、町歩きなどでも情報が広くとれるようになりました。もちろん、コンビニやスーパーなどにもチェーン限定のプライベートブランドがあるので、欠かさずチェックして新たなお店を日々開拓しています。

チョコレートを求めて、国内外を駆け巡る

チョコレートの画像③

旅行のときは、国内外を問わず、必ずチョコレート関連のお店に行くようにしています。「チョコ旅」と称して、チョコレートを買いに行くことが中心の旅行計画も立てるまでになりました。

海外へのチョコ旅は、これまでにバルト三国、キューバ、メキシコ、オーストラリア、タイなどに行きました。特に思い出に残っているのは、バルト三国です。元々、電子政府や音声通話サービス「Skype」が生まれたエストニアが気になっていたときに、フェリシモのチョコレート特集「幸福のチョコレート」でバルト三国が取り上げられていたので、絶対行きたい!と思い立ち、旅行好きな夫を誘っていきました。

旅では、観光名所に行きがてら、チョコレートの専門店やカフェを巡りました。チョコレートのお店は街中やショッピングモールにあることが多いので、ぶらぶらと街歩きをしつつ、休憩を兼ねてお店を訪問しました。地元のスーパーには手頃な価格の板チョコやチョコレート菓子があるので、お土産にもぴったり。メーカーの企業情報を調べて、陳列から勢力図を考えるのも面白いです。

私が旅をするときは、基本的に飛行機と国をまたぐ交通機関、宿泊施設しか予約しないフリープランを申し込んでいるので、比較的時間に余裕があります。地図やガイドブックには書かれていないようなチョコレートのお店があれば、積極的に入って、お店の人と会話し、イートインを楽しみました。

バルト三国はユーロ圏内、かつ地続きなので、国境もパスポートなしでバスに乗りながら越えられます。三国とまとめられるのでそれぞれの国も似ているのかと思いきや、国ごとに地元の食材を使ったチョコレートショップやメーカーがありました。

特にラトビアはドイツ色が強く、ドイツ菓子にチョコレートを組み合わせた商品(プレッツェル×チョコなど)もありました。自分で行って確かめないと分からないことも多いな、と感じた旅でした。

チョコ旅
京都のチョコレート旅の行程とお店の基本情報をまとめた、グラレコ(グラフィック・レコーディング)ならぬ「チョコレコ」。いつどのような手段で行ったか、記録として忘れないようにつけ始めました


ここ最近では、京都に日帰りでチョコ旅に出掛けました。小規模なお店からベルギー王室御用達の「マダムドリュック」まで、京都はチョコレート専門店における日本初出店の場としてよく選ばれています。東京にはないお店が多々あるのです。板チョコのみのお店や、お酒とのマリアージュを楽しめるお店など、ラインアップのみならず、古都の景観となじむ建物もそれぞれ個性的で味わい深く感じられました。

お店が多くて一度では巡りきることができず、季節限定のチョコレートなども手に入れたいので、京都にはまた近々行かねば、と思っています。

また、仕事のタイミングでまだ行けていませんが、ゆくゆくは世界的なチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」の本場であるパリの会場にも行ってみたいと思っています。

沼にハマったきっかけでもある、思い出のチョコレート

チョコレートの画像④

このようにどんどん世界が広がっていった私のチョコレート人生ですが、チョコレート沼にハマったきっかけとなったチョコレートを挙げるとすれば、フランスのショコラトリー「Debauve&Gallais(ドゥボーヴ・エ・ガレ)」が販売する「Pistoles(ピストル)」だと思います。

チョコレートの画像④

マリー・アントワネットが「薬が飲みにくい」と言ったことから、薬を包み込んで飲めるようにと薬剤師が考案したのだそう。現在販売されているものは当時のチョコレートと完全に同じではないものの、今食べられるピストルと近いものを、230年前にマリー・アントワネットも口にしていたという事実……!

私はこのチョコレートに触れて、チョコレートにはそれぞれ歴史があること、またその製法や込められた思いを知るという大切さを学ぶことができました。チョコレートの世界をもっとのぞいてみたい、とアドレナリンが大放出したきっかけのチョコレートでもあります。日本では2019年7月現在、三越日本橋本店で輸入販売されています。

チョコレートの画像⑤

他にも思い出に残るチョコレートは数多くありますが、中でもイタリア・トリノの名店「Barbero(バルベーロ)」のオランジェット「Arancini Ricoperti(アランチーニ・リコペルティ)」は忘れられない逸品。シチリア産のオレンジピールにダークチョコレートがしっかりコーティングされていて、オレンジピールの分厚さとチョコレートのバランスから生まれる甘さが絶妙です。かんだときのサクッとした歯ごたえも好みです。

以前は自由が丘にお店がありましたが、2019年現在は閉店してしまったので、国内での入手は困難です。タイミングが良ければ、バイヤー・チョコ係さんが展開するセレクトショップ「c7h8n4o2」で取り扱われる場合もあります。

チョコレートに携わる人々の情熱が、私の意識を変えた

これだけ日々食べていると、できるだけ周りの方にお裾分けをしていても、明らかに体型に変化がでてきます。ですので、朝仕事に行く前に、週3回以上はジムに通うことに決めました。早起きは非常に気持ちが良いですし、ジムがつらくても「チョコレートを食べるために」と自らを奮い立たせています。

そして、変化としてはこれが一番大きいのですが、チョコレートに関わる方たちの情熱が、私の意識を完全に変えました。

チョコレートを作るショコラティエの方、販売されている方、生産者の方、お菓子メーカーの方々。皆さんプライドをもって仕事に取り組んでいらっしゃいます。中には、脱サラしてチョコレートのお店を作った方、チョコレートが好きで自ら輸入・セレクトショップを始めた方も。本当にさまざまな方がチョコレートに魅せられ、おいしさを伝えようとしています。

私はチョコレートと真剣に向き合ってたった3年ちょっとしかたっていませんが、世の中にはもっとチョコレートが好きで、もっと詳しいプロフェッショナルが多くいます。ありがたいことに、そういう方たちとブログやTwitterで交流しては、勉強させていただく機会も増えました。チョコレートを心から愛している方は、皆さん素敵で、私のように学び始めたてでも親切に教えてくださいます。チョコレートの知識以外でも学ぶことが多いです。趣味を通しての新たな出会いに感謝しています。

それと同時に、心から感謝したいのは、近くにいる家族、友人、会社の方たちが私の趣味を理解し、協力してくれたことです。

チョコレートの画像⑥
お土産でもらったチョコレートの数々


例えば、お土産に珍しいチョコレートを買ってきてくれたり、「こんなチョコレート知ってる?」「こんなイベント開催中みたいだよ」と情報提供をしてくれたりと、私のチョコレート活動を応援してくれます。こうした支えが励みになり、今でもチョコレートを追いかけ続けることができています。

目標は「チョコレート図鑑」制作

私は、チョコレートのおかげで、これまで全く知らなかった世界を広げることができました。また、たくさんの人との出会いに恵まれ、かつ関係を深めることができました。

いつしかチョコレートは「たまに食べる」存在から「行動を変えてくれる」存在になり、コラムや雑誌の執筆など、活動の幅を広げる機会も増えました。

東京ウォーカー画像
「誰かにあげるのではなく、自分に贈ること」を目的としたチョコガイドについて寄稿した雑誌『東京ウォーカー』2019年2月号。チョコレート狂の私が案内人となって、2019年のトレンドチョコや、パケ買いチョコなどを紹介しました


近々の目標としては、2019年に新設されたチョコレート検定の上級(プロフェッショナル)合格を目指しつつ、チョコレート5,000種類制覇を目指したいと思います。また、ゆくゆくは「チョコレート図鑑」を作れるようになりたい、という野望に向かって、狂い続けたいと思います。

よかったらぜひ私のブログやTwitterをのぞいてみてください!めくるめくチョコレートの世界を一緒に旅しましょう。

執筆者のプロフィール
ちえころ
ちえころ

佐賀県出身のチョコレート狂。この3年超でチョコレートを3,200種以上食べている。その日々をつづるブログ「毎日チョコ生活」は、ほぼ毎日更新中。

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編集:はてな編集部