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好きが高じて「盆栽」修行の道へ 手間こそ楽しむ、贅沢な趣味の世界

好きが高じて「盆栽」修行の道へ 手間こそ楽しむ、贅沢な趣味の世界

はじめまして、山崎ちえです。盆栽を販売したり、盆栽の教室を開いたりといった盆栽関連の仕事をしています。

「盆栽」と聞くと、なんとなく老後の趣味をイメージする方も多いと思います。ですが、私は現在32歳。23歳で盆栽の修行に入った後、26歳で独立し、盆栽で仕事をしだして2018年で7年目になります。盆栽と出会ってから、もうすぐ10年がたちますね。

私が盆栽を始めた頃は、周りから「おじさんくさい」と笑われたものだけど、今はどうでしょう。盆栽の展示会や売店では若者の姿をよく見掛けるようになり、恋人や友人と訪れる20~30代の方が目立つようになりました。SNSの広がりを受けて、盆栽の写真や情報をネットで見る機会も増加しました。写真映えもするので、「盆栽、カッコイイかも」と思う人が増えてきたような気がします。

こうして、若い世代の中でも盆栽を楽しむ流れができつつありますが、最初は「盆栽ってお金がかかるの?」「まず何を用意するべき?」と疑問に思うこともたくさんあるのではないでしょうか。そんな「最近、盆栽気になるかも。だけど、何から手を出せばいいの?」と思っている人たちへ。盆栽の魅力と、盆栽と過ごす豊かな時間、初心者におすすすめの盆栽についてご紹介します。

盆栽の魅力に取りつかれ……仕事にするべく「修行」を始める

まずは、私が盆栽に夢中になった経緯についてお話します。

私は子供の頃から山の自然が好きで、大学生時代はワンゲル部(登山の部活)に所属していました。大学を卒業した後は小さな会社の事務員として働き始めますが、慣れない社会人生活を過ごすうちに、だんだんと緑が恋しくなります。そして、ある日立ち寄った書店で、ふと目にした盆栽の本に心を奪われたのです。

力強く張る根、太く荒れた幹肌、生き生きとした枝葉……。盆栽は、鉢の中で自然の凝縮を表現するもの。本の中の盆栽に、私はクギ付けになりました。

五葉松の懸崖樹形。崖から垂れるように枝葉を伸ばしながらも、力強く生きる姿を表す
相模小品盆栽展より


最初に惹かれたのは、盆栽のビジュアルや歴史ロマン。

盆栽は、長い年月生きている樹です。重なった松の樹皮はガサガサとめくれそうになりながらも古さをにじませ、根は大地を噛むように力強く伸びて地面に盛り上がります。樹齢が長いほど樹の迫力や風格が増していくので、見ていてホッとするような、凛とするような気持ちになるのです。

盆栽で一番大切にされる魅力は「古さ」です。古い樹、つまり長く生きている樹ほど尊ばれます。

その最高峰は、江戸幕府の第3代将軍・徳川家光の遺愛の五葉松「三代将軍」です。約400年前に家光によって愛でられた盆栽が今も生きているということに、ロマンを感じずにはいられません。「三代将軍」の樹齢は約550年とされており、今も皇居で大切に管理されています。

こうして盆栽の魅力を知った私は、盆栽の写真を眺めたり木の根元で休む想像をしたりしながら、大好きな自然の香りを思い出していました。そして1カ月後には、盆栽教室へと通うことになるのです。

真柏
白い部分はジン・シャリと呼ばれ、樹皮を剥いで枯らしている。厳しい自然を生き抜く姿
神奈川県小品盆栽連合展より


初めて育てた盆栽は、教室で教材として触れたヒノキ科の「真柏(シンパク)」でした。習った通りに水をやり、土が乾いていないか、剪定するところはないかと、飽きもせず眺める日々。最初はとても一生懸命でした。育て始めて半年たった春、新芽が伸びているのを見つけ、樹が生きていることを実感して感動したのを覚えています。

自分でも育てるようになると、盆栽を維持する技術面の奥深さにものめり込むようになります。針金の掛け方や形の取り方、まるで植物と対話してるような匠たちの腕、樹が健やかに生きられるよう重ねられた工夫……。きれいに仕立てられた盆栽は、人の手が入ってこそなのだというのを知りました。

盆栽は、例えば持ち主が亡くなった後に家族が植木と同じ要領で水やりを続けたとしても、その1年後にはただの荒れた樹になってしまいます。その美しい姿は、人と樹、両方の力で保つことができるのです。

針金を掛ければその通りに形がつき、その形で葉が茂って枝棚*1がこんもりしてくるのを見ていると、自分で作っていく楽しさにも目覚めていきます。慣れた頃には、新しい樹種を育て始めたり、もう少し価格の高い盆栽に手を出してみたりと、いろいろな挑戦をするようにもなりました。

水やりは面倒だという人もいるかもしれませんが、私にとっては自然と触れ合える貴重な時間。気持ちがリフレッシュするので、毎日の至福の時でした。鉢の中で季節を感じることもあり、秋になれば錦色の紅葉狩りを堪能できます。こうした豊かな時間を楽しむうちに、気が付けば盆栽と過ごす日々が当たり前になっていきました。

盆栽教室に通い、盆栽を育てるようになって1年がたった頃、私は仕事について悩んでいました。同じ事務職で転職しようかとも考えましたが、自分が事務のプロフェッショナルになれるとは思えませんでした。

それならば、好きなことを仕事にしたい。そのとき好きだったものといえば、もちろん盆栽です。仕事から帰ってきては盆栽をひたすら眺めていた日々を思えば、盆栽に携わる仕事をしたい! と考えるのも自然なことでした。また、昔から匠や職人といった存在に憧れていたというのも、背中を押すきっかけになったと思います。そして私は仕事を辞め、盆栽の修行を始めることになります。

小さくても古木感のあるお気に入りの黒松
自分で針金を掛けてかっこ良くなると、可愛さ倍増です


盆栽の修行とは、盆栽専門店に毎日通い、水やりや針金掛けといった盆栽の手入れ全般や知識、技術を身に付けることです。私は3年ほど修行しましたが、最初の頃は「盆栽を仕事にするとはどういうことなのか」というのも分からないまま、とにかく教わったことを覚えるのに必死でした。とにかく盆栽にもっと触りたい、もっと知りたい、もっと近くにいたい。そんな気持ちで盆栽を見つめる日々でした。

盆栽という文化がなくなるとは思わなかったし、自分と同じように盆栽が好きな人は周りにいっぱいいる。盆栽の繊細な手入れはロボットにはできない分野だからと、盆栽を仕事にするということに対して楽観的だったのだと思います。

修行期間が終わり、私は独立して盆栽教室を始めたり、売店で売ったりし始めます。一人ではうまくできないことばかりで、途方に暮れ、何度も辞めようと思いました。好きで始めた盆栽を、嫌いになったこともあります。

でも、盆栽を触ると、木の香りが癒してくれました。それは、山登りをしていた頃、そして緑を欲して盆栽をやり始めた頃の記憶を呼び戻してくれます。だから今も、素直に盆栽に惹かれていたあの頃を思い出しながら、仕事として毎日盆栽に向き合うことができるのです。

どうやって盆栽を育てればいい? 初心者へのアドバイス

こんなふうに私がハマった盆栽を、皆さんにも楽しんでもらえるように。興味はあるけど、何からそろえればいいの? という方に向けて、盆栽を購入できる場所や用意しておくと便利な道具などを説明します。

盆栽は「盆栽の素材だけのもの」と「形が整った鉢植えのもの」を選べる

最初に、育てたい盆栽を探しましょう。盆栽の価格は「樹齢」「形のかっこ良さ」「鉢の値段」などで決まります。樹齢が経過しているものは、幹肌に古めいた味わいがあり、風格が漂っています。形の良さも重要で、良い盆栽はしっかりと長い年月をかけて手入れされています。

今回は、初めての人が手に取りやすい小品盆栽(樹高20cm以下)を例にご紹介します。

まず、購入する盆栽の選択肢として「鉢にまだ植えられていない、盆栽の素材だけのもの」「鉢にすでに植えられていて、ある程度形が整ったもの」の2種類があります。

まだ鉢に植えられていないポット苗などの素材は、大体1,000円以下から5,000円までの間で購入でき、大きさもさまざまです。鉢を別途購入する必要がありますが、1点ものではなく量産された小鉢であれば300円程度から用意されています。こうした素材から盆栽を始める場合は、これから形を作り、枝を仕立てていくところに楽しさがあります。

初めて育てる場合は、ある程度形ができていて、自分の好みで「あ、いいな」と思えるものがおすすめです。最初はポットに入ったまま育てても構いません。普段の水やりに慣れた頃合いで、鉢へ植え替えたり、剪定や針金掛けをしてみたりと、段階を踏んでいきましょう。

形がついておらず真っ直ぐな形をしているものが一番安く、1,000円前後で手に入ります。ある程度形が整っていれば、1,000〜3,000円くらいになります。

上野グリーンクラブ常設売店より


すでに鉢に植えられた盆栽の場合、素材より人の手が掛かっているので少し高くなりますが、時間や技術をお金で買うと思ってください。大体3,000〜5,000円くらいで、安くても良いものが見つかります。展示会に飾れるほど仕上がった盆栽だと、それだけの時間と手間が掛かったものなので、高くて数十万円する場合もあります。

私の場合、修行前の1年で育てた盆栽は、教室の教材がほとんどでした。教室の費用は、教材の盆栽を含めて1回6,000円。年間6回通ったので、1年間で3万6,000円になります。他にも売店で小さな盆栽を約1万円分買っていたので、盆栽だけに絞った場合の消費額は、1年間で4万6,000円程です。

購入するときは「外で管理されているか」を見ておこう

購入場所として注意したいのは「置かれている場所」です。元気に育っている盆栽を選ぶために、盆栽を「屋外」で管理している所へ行きましょう。

最近はインテリアとして屋内に盆栽を置いているお店も多いですが、盆栽が元気に生きていけるのは、日当たりが良く、風通しも良い屋外。使われている樹は日本の自然の中で生きている植物が多いので、盆栽に適している環境は、季節を問わず屋外なのです。室内で売っているお店でも、普段は屋外で管理されているか聞いてみましょう。

おすすめスポットは「盆栽園」「盆栽の展示会にある売店」です。都内であれば「上野グリーンクラブ常設売店」もぜひ候補に入れていただきたいです。

盆栽園とは、盆栽屋さんのこと。初めて購入するときは、やはり専門のお店で買うのが一番安心です。重要な購入後のお手入れなどもアドバイスしてくれます。盆栽園と聞くと敷居が高く感じるかもしれませんが、私の知る限り、盆栽屋さんはマジメで植物好きの優しい人ばかりです。

日本小品盆栽組合のサイトでは、ミニ盆栽や小品盆栽の専門店を探すことができます。中には、インターネット通販で盆栽を購入できるお店もあります。

展示会には、安価な素材もの、高価な盆栽、ミニサイズから20cmサイズのものまで、さまざまな盆栽を扱うお店が出店します。また、鉢や道具、飾台などありとあらゆるものがそろいます。大きな展示会になればなるほど、全国から優良店が出店します。

地域の展示会でも、愛好家が増やした素材を販売してくれる場合があるので、積極的にのぞいてみてください。展示会情報は、月刊『近代盆栽』を発行する近代出版のページを見ると分かりやすいです。

都内だと、盆栽協同組合の本部「上野グリーンクラブ」もおすすめです。本部内のイベントスペースでは、本格的な盆栽展が行われています。展示会で開かれる売店はもちろん、常設の売店もあるので、特定の日を除けばいつでも購入できます。

並んでいる盆栽は、2,000円程度の安価なものから1万円台のちょっと良いものまで、さまざま。日替わりで店番をしている売店主に相談しながら購入できるのも良い点です。気軽に購入できる雰囲気なので、思う存分、盆栽のお買い物を楽しんでください。

初心者の方におすすめの樹種は、私も教室で育てていた「真柏」です。樹そのものが丈夫で、日本全国どこでも育てられます。屋外で水やりさえできれば、元気に育ちます。手入れも、初めは手で芽を摘むだけで十分です。慣れてきたら針金掛けで形を作るなど、樹格アップ*2を目指すこともできるので、初めての人から少しこだわりたい人まで、幅広い層が楽しめます。

盆栽を買った後のお手入れと楽しみ方

育てたい樹を見つけたら、次は大事なお手入れです。おすすめの道具などもご紹介します。

水は「乾いたらたっぷりあげる」

盆栽は生きている植物なので、水やりはもちろん、枝が伸びたら剪定を行う必要があります。基本的に、盆栽は屋外で管理して、室内に飾るのは3〜4日程度にしておきましょう。

水やりは、乾いたら、鉢の穴から水が溢れるまでたっぷりあげます。春・秋は1日1〜2回、夏は3回、冬は2日に1回程度を目安にしてください。日中や、旅行などで長期不在になるという場合は、鉢の下に受け皿を置いて、鉢底の穴から水を吸える状態(腰水潅水)にしてあげると安心です。

水やりの道具は、盆栽の数が少ないのであればジョウロを使うか、バケツの水に漬けるという方法が一般的。数が増えてきたら、ホースを使ったり、自動潅水機を設置したりするという人もいます。

肥料は、春と秋に与えます。一般的なのは固形肥料です。虫に食われたり病気になったりもするので、月に1回は殺菌殺虫スプレーを散布します。

これらは基本のことなので、もっとしっかりと学びたいという人は、愛好会や教室へ通ったり本を読んだりしてさらに知識を深めましょう。盆栽園で教室や愛好会を主催している所もあります。

中には、教材を用意してくれる教室や、自分の樹を持参してそのままお手入れができるところも。教室によって値段は違いますが、教材費を含めてだいたい1回につき5,000円〜1万円程度で参加できます。

道具は良いものを買えばストレスが減る

初心者向けおすすめ盆栽道具
左から、針金切り、剪定ハサミ、ピンセット


さらに、お手入れで重要なのは専用の道具。最初に必要なのは「針金切り」「剪定ハサミ」「ピンセット」。盆栽の枝は細いので、庭木用のハサミは不向きです。安いもので、それぞれ2,000円前後で購入できます。

もちろん、道具も盆栽と同じく値段はピンキリです。高いものだと、1万円以上する剪定ハサミもあります。やはり値段の良いものだと、使いやすさや切れ味も良いです。

剪定ハサミの他、植え替えの根切り用ハサミ、葉刈り用ハサミなど、用途によってハサミを使い分けると作業もスムーズです。針金切りも、太い針金を切りやすいものや、細かい作業に適してるものがあります。

ピンセットも先の太さはさまざま。使ってみないと分からないので、気が付いたら工具箱にハサミがぎっしり……となることもあります。私も、他の盆栽業者が使っている道具が気になり、自分でも買って試していくうちに、道具がどんどん増えていきました。最初は安いものに手を出すのですが、だんだんと高いもの、形の違うもの、違うメーカーのものを試すようになります。

道具が良いと作業効率が良くなるので、ストレスが減るというメリットがあります。私にとって特に大事なのは、ピンセットと針金切り。ピンセットは指の代わりになるので一番使いますし、針金切りは切れ味が悪いと枝を傷めてしまうことになります。まだ作業の遅い私は、道具に助けられる場面が多いです。以下は、私がおすすめする盆栽専用の道具店です。

盆栽のことなら喜久和へおまかせください。剪定鋏など、盆栽にまつわる手入道具のことならなんでも揃う盆栽専門店です。
盆栽道具専門店〜高級盆栽道具「兼進作」を筆頭に約500点取り扱っております。刃物の町で有名な「岐阜県関市」から全国にお届けいたします。又枝切、盆栽鋏、針金切、ピンセット、小枝切鋏、芽摘み鋏、接木刀、神作り彫刻刀等扱っております。

ちなみに、日本の盆栽道具は海外の盆栽ファンにも人気。世界各国から盆栽愛好家が集まった2017年の「世界盆栽大会inさいたま」でも、会場内の売店で特に人気だったのは道具店でした。そう、盆栽は海外の愛好家も多いのです。日本の盆栽が輸出されているだけではなく、現地の樹を盆栽に仕立てることもある様子。勢いがあるのは中国で、最近はタイにも盆栽愛好家が増えています。

盆栽棚は個性が現れる場所

秋、色づく盆栽の棚場。身近で紅葉狩りができる。もちろん春はお花見も


盆栽を置く場所は「棚場」「盆栽棚」と呼びます。庭やベランダの地面に直接置くのではなく、日当たりや風通しの良い環境にしてあげるために、各々がDIYするなどして工夫しています。TwitterやInstagramで「#盆栽棚」と検索するとたくさんのヒントが見つかるはずです。人それぞれのこだわりが垣間見える場所でもあります。

一番安く仕上げるのは、コンクリートブロックで足を作った後、木の板を棚板にするという方法。それ以外だと、フラワースタンドを利用したり、パイプを組み立てたりと、工夫次第でいろいろな棚場が出来上がります。

我が家の盆栽棚は、横180cm×奥行き60cm×高さ90cmのパイプで組み立てました。かかった費用は、1台につき約1万円。組んだパイプの上に自動潅水用のトレーを計6枚重ねており、こちらは合計で約5,000円。その他、ホースや散水ノズル(ホースの先のハス口)で3,000円程かかっています。散水ノズルは、銅製で細かな水が出るものだと5,000円以上するものもありますね。

棚場環境維持と水やりは毎日のルーチンワークなので、後のことを考えると、お金を費やしても良いのではと思います。棚場で盆栽が見づらい状態だと手入れをするのがおっくうになるし、水やりもしづらくて毎日のストレスになります。せっかくの趣味なので、快適に楽しめる環境を目指しましょう。

名作観賞や交流の場にもなる展示会に行ってみよう

サンザシの盆栽と黄金シダ
神奈川県小品盆栽連合展より


他の人がどういうふうに育てているのかが気になったら、愛好家の方々が丹精を込めて育てた盆栽が集結する展示会もおすすめです。一席ずつ区切られたスペースに、手間をかけられたきれいな盆栽たちが並びます。慣れてきたら、自分で出展してもいいですね。自分の盆栽に対して「この樹いいね」と褒められたり「どうしたらこうなるの?」と質問されたりすると、嬉しい誇りと自信が湧いてきます。

国内における小品盆栽の最大級の展示会は、(公社)全日本小品盆栽協会が主催する「雅風展」です。内閣総理大臣賞など5つの大臣賞も用意されており、大臣賞を受賞した愛好家は憧れの存在です。

展示会は、愛好家同士の交流の場でもあります。自分よりもはるかに年上の方と知見を共有したり信頼関係を築けたりできるというのも、盆栽という共通の好きなものがあってこそ。盆栽は一人で楽しめる趣味ですが、こうした仲間とのつながりが、より盆栽ライフを豊かにしてくれます。

盆栽は手間がかかる趣味? いいえ、手間を楽しむ趣味です。

盆栽のこと、ご理解いただけたでしょうか。そうです、とても面倒な趣味なのです。水やりは毎日ですし、剪定や針金掛けなどの手入れも月に1度しなければいけません。覚えることもたくさんあって、手入れに慣れるまで3年はかかります。

けれど、盆栽にハマった人は、そのまま40〜50年と続けています。それほど長く楽しめる趣味なのです。樹と共に生き、手入れをしながら盆栽を作り、晴れの舞台でお披露目するという歳月を楽しむことができます。時には1人の時間を楽しみ、時には仲間と盆栽談義に盛り上がる……毎日に張り合いが生まれて、盆栽愛好家はみんな元気に長生きです。

まずは2,000円前後の盆栽を3〜5鉢ほど買って、自分の庭の環境に合う樹種を見定めてみるといいでしょう。複数個あれば水やりも忘れず、習慣化しやすいです。最初は水やりに慣れ、その後に、盆栽棚を作り、ハサミなどの道具をそろえると良いです。なので、最初に用意するのは盆栽と水やり道具。1万円あれば十分始められます。

桜の盆栽でお花見を。自分で育てた桜の開花は、格別の嬉しさです。桜は水の乾きが早いので、実は維持管理が難しい樹。でも、水やりをしっかりして、肥料も春と秋にあげれば、毎年花が咲きます。若木で2,000〜5,000円くらいから購入可能


慌ただしい毎日に潤いを。盆栽のある日々は、人生を豊かに彩ってくれます。あなたもハマってみませんか?

執筆者のプロフィール
山崎ちえ
山崎ちえ

大学卒業後、1年半事務職として勤めるも、山の自然と緑が恋しくなり退職。小品盆栽専門店で3年間修行の後、2012年独立。店は持たず、盆栽教室や売店、盆栽管理の執筆などを行う。 屋号「豆松屋」/盆栽メディア「BONSAIちえ」 2014年:(公社)全日本小品盆栽協会認定講師取得 2017年:世界盆栽大会にて『ミニ盆栽から始める盆栽の世界』講演 2018年:昭和記念公園春風展にて盆栽デモンストレーション 2018年:さいたま市盆栽美術館にて講習会

山崎ちえの記事一覧へ

*1: 枝葉を棚状に整えた姿。ブロックごとに何層か重ねながら、動きと奥行きのある姿にする

*2:盆栽をよく整え、大樹や老木の風格を表現できているかを指す言葉

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