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クレジットカードの約款とは?確認すべき重要な項目と内容をやさしく解説

クレジットカードの約款とは?確認すべき重要な項目と内容をやさしく解説

クレジットカードを契約した場合は、カードと一緒に約款(やっかん)が同封されていますが、そもそも何が書かれているのかをご存じでしょうか。

約款は、カードを利用するうえで重要なカード会社との決めごとが書かれているので、よく読んでおかないと、何かしらのトラブルが起こったときに困ってしまう可能性があります。

今回は、クレジットカードの約款について、とくに重要な項目と内容をわかりやすく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

クレジットカードの約款(やっかん)は契約条項のこと

クレジットカードの約款(やっかん)とは、顧客がカードを利用するにあたってあらかじめ定型的に決められている契約条項(契約時のルール)のことです。

クレジットカードは、顧客とカード会社の間で契約を結びますが、カード契約をする顧客ひとりひとりとカード会社が条件などを決めて契約を結んでいては時間がかかりますし、管理も難しくなります。

そのため、クレジットカードなどの不特定多数の顧客を相手にする場合は、あらかじめ「定型的に契約上の決めごと」を記載して、効率化しているということです。

ちなみに、約款は書かれている内容を認識していなくても、「約款を契約の内容とする旨の合意」があった場合は、法的な効力が発生するので覚えておきましょう。

クレジットカードの約款は、小さな文字で多くの決めごとが書かれているので読むのが面倒という方もいると思います。

しかし、何かしらのトラブルが起こってから「知りませんでした」では済まないので、約款の内容はしっかりと確認されることをおすすめします。

約款と定款(ていかん)、利用規約の違いは?

約款と似た言葉で定款(ていかん)という言葉がありますが、定款は、「会社や協同組合などの社団法人の目的・組織・活動に関する根本的な規則」が書かれたものになります。

つまり、定款は、会社などの組織を運営するためのルールのことなので、顧客の立場では気にする必要はありません。

また、カード会社によっては、約款と書かれていたり、利用規約と書かれていたりしますが、基本的に同じ意味で使われていると考えてよいでしょう。

クレジットカードの約款、利用規約には何が書いてある?

クレジットカードの約款や利用規約は、カード会社によって項目名や細かい部分が異なるものの、主に下記のようなことが書かれているので、覚えておきましょう。

約款、利用規約に書かれている主な内容

  • 会員資格について
  • カードの管理について
  • カード利用代金などの決済方法
  • 会員資格の取り消しや退会など
  • カードによるショッピングについて
  • カード利用代金の支払い区分
  • キャッシングリボや海外キャッシング
  • 個人情報の取扱に関する同意条項

約款、利用規約に書かれている重要な項目と主な内容を確認しておこう

クレジットカードの約款や利用規約は、細かい文字で文章が羅列されているのでわかりにくいというイメージがありますが、ここだけは確認しておいたほうがよいという項目があります。

ここでは、クレジットカードの約款や利用規約に書かれている重要な項目と主な内容をわかりやすく説明していきます。

参考として、三井住友カードの会員規約を使って説明していきたいと思います。

規約の変更、承認

規約の変更、承認の条項は、約款や利用規約に必ず書かれています。この条項があることで、カード会社としては個々の会員に同意を求める必要がなくなります。

また、規約に変更があった場合は、通知を受け取ったあとや新しいカードを受け取ったあとに「カードを利用した時点」で規約に同意したことになることを覚えておきましょう。

三井住友カードの会員規約では、「第5条(規約の変更、承認)」に記載があります。

カードの貸与と取扱い

カードの貸与と取扱いの条項は、「クレジットカードを利用できるのは本人」であることや「クレジットカードの取扱い」について下記のようなことが書かれています。

カードの貸与と取扱いの条項の内容

  • カードが届いたら自分で署名欄にサインする
  • 本人以外の利用はできない
  • カードを使って現金の購入や現金化を目的とした商品の購入は禁止になっている
  • カード情報の使用や保管、管理は原則、自己責任でおこない、第三者への譲渡やカード情報を教えてはいけない

上記に違反してカードを不正利用された場合などは、カード利用者がすべての責任を負うということが明記されているので、しっかりと確認しておきましょう。

三井住友カードの会員規約では、「第6条(カードの貸与と取扱い)」に記載があります。

カードの有効期限と会員継続

カードの有効期限と会員継続の条項は、クレジットカードの有効期限が書かれている場所や会員継続の条件などについて記載されています。

三井住友カードの会員規約では、「第7条(カードの有効期限)」に記載があり、下記のような内容になっています。

有効期限と会員継続(三井住友カード)

  • 有効期限はカード表面に記載した月の月末まで
  • 有効期限の2ヶ月前までに申し出がなく、引き続き会員と認められた場合は自動的に会員継続となり、新しいカードと規約が届く
  • 有効期限通過後のカードは、すぐに切断、破棄する

有効期限切れのクレジットカードは、ICチップや磁気ストライプで情報が管理されているので、読み取れないように切断などしてから破棄することを覚えておきましょう。

カードの利用枠

カード利用枠の条項は、クレジットカードの利用枠が本会員および家族会員のショッピング枠、キャッシング枠の合計になることやクレジットカードの利用枠はカード会社が所定の方法によって定めることが書かれています。

三井住友カードの会員規約では、「第9条(カードの利用枠)」に記載があります。

複数カードの保有における利用の調整

複数カードの保有における利用の調整の条項では、同一のカード会社で複数枚のクレジットカードを保有している場合のカードの規定について記載されています。

カード会社よって異なりますが、三井住友カードの会員規約では、「第11条(複数のカードの保有における利用の調整)」に記載があり、下記のような規定があります。

複数カードを持つ場合の規定(三井住友カード)

  • 原則、すべてのカードを精通して規定が適用される
  • カード保有枚数に限らず、合計でキャッシングは最大100万円、海外キャッシングは最大50万円まで
  • 複数枚保有している場合は、リボルビング払い、キャッシングリボ、海外キャッシュサービスを利用できるカードをどれか1枚に限定できる

上記のように、同一会社のクレジットカードを複数枚保有している場合は、利用できる機能を「カード会社側によって定められる」ことがあるので覚えておきましょう。

カードの再発行

カードの再発行の条項では、基本的に紛失、盗難、破損などによるクレジットカードの再発行に関して、カード会社の判断で発行の可否を決定できることや再発行にかかる手数料について記載されています。

とくに、再発行手数料は、カード会社によって異なるので、しっかり確認しておきましょう。

三井住友カードの会員規約では、「第12条(カードの再発行)」に記載があります。

紛失、盗難、偽造

紛失、盗難、偽造の条項では、まず、クレジットカードの紛失盗難などによってカードを不正利用されたときの責任に関しては自己責任というような内容が記載されている場合が多いです。

ただし、規約をよく読んでいくと、認知していない場合は責任を負わないことやその際は調査に協力することが記載されているので、しっかりと条件を確認しておきましょう。

また、クレジットカードには基本的に盗難保険が付帯しています。そのため、正しい手続きをおこなえば被害額の補償を受けることが可能なので、覚えておいてください。

三井住友カードの会員規約では、「第13条(紛失・盗難、偽造)」に記載があります。

会員保障制度

会員保障制度の条項では、盗難保険やクレジットカードの不正利用に対する保障制度について記載があります。

クレジットカードの不正利用に対して損害額が補填されないケースについても記載があるので、万が一のときのために、しっかりと内容を把握しておくようにしましょう。

ちなみに、基本的に下記のケースに関しては損害額の補填の対象外になるので、参考までに覚えておいてください。

損害額が補填されない主なケース

  • 故意または重大な過失に起因する場合
  • 損害の発生が保障期間対象外の場合(連絡から60日以内までの不正利用)

三井住友カードの会員規約では、「第14条(会員保障制度)」に記載があります。

カード利用の一時停止

カード利用の一時停止の条項は、カード会社の判断によってクレジットカードを一時的に利用停止にできることが記載されています。

とくに、カードの取扱い条項に違反していると判断された場合や支払いの遅延などが発生した場合は、カードの利用停止となる可能性が高いので覚えておきましょう。

三井住友カードの会員規約では、「第15条(カード利用の一時停止等)」に記載があります。

代金の支払いおよび決済日

代金の支払いおよび決済日の条項では、基本的にカードの利用金額や利息、年会費などは、支払い口座として設定した金融機関の口座から自動で引き落とすことを明記しています。

支払い日はカード会社によって異なるので、しっかりと確認しておきましょう。

三井住友カードの会員規約では、「第17条(代金決済口座および決済日)」に記載があります。

残高不足などによる再振替

残高不足などによる再振替の条項では、カード利用料金の支払い日に口座から引き落としにならなかった場合の再引き落としや支払いに関する費用などについて書かれています。

三井住友カードの会員規約では、「第19条(決済口座の残高不足等による再振替等)」に記載があり、下記のような内容になっています。

残高不足などによる再振替(三井住友カード)

  • 任意の日に一部または全額を再引き落としする
  • 再引き落としや口座振替にかかる費用は会員が負担する
  • 再振替などにかかる費用は法令の範囲内で三井住友カードが定める

再支払いに関しては、滞っている状態が続くと信用情報に傷がつくことがありますし、カード会社によって支払い方法などが異なるので、しっかりと確認しておきましょう。

期限の利益の喪失と会員資格の取り消し

期限の利益の喪失の条項では、すぐにカード利用料金などの債務全額を支払わなければいけないケースについて書かれています。主なケースは、下記のようになっているので覚えておきましょう。

カード料金の全額支払いが必要な主なケース

  • 自己破産などの債務整理があった場合
  • 強制退会になった場合
  • カード会社からの催告を無視し続けた場合
  • 規約に重大な違反があった場合

また、会員資格の取り消しの条項は、強制退会となる条件が書かれています。

強制退会となる条件には、規約違反長期間の支払い遅延があった場合などの主なケースのほか、会員が死亡した場合などのさまざまなケースが書かれているので、把握しておきましょう。

三井住友カードの会員規約では、「第22条(期限の利益の喪失)」と「第23条(会員資格の取消)」に記載があります。

リボルビング払い、分割払い

カード会社によっても異なりますが、一般的なクレジットカードは、一括払いのほかにリボ払い分割払いが可能です。

リボルビング払いや分割払いの条項では、リボ払いの際に設定できる支払い金額や分割払いの回数、手数料、繰上返済の可否などについて書かれています。

とくに、リボ払いに関しては定額方式や残高スライド方式などの多数の種類がありますし、事前に登録したり、あとからリボ払いに変更ができたりと複雑なので、しっかりと確認しておきましょう。

三井住友カードの会員規約では、「第32条(リボルビング払い)」と「第33条(分割払い)」に記載があります。

海外キャッシュサービス

海外キャッシュサービスの条項では、海外でキャッシングサービスを利用する際の年率やATM手数料、返済方法などについて書かれています。

三井住友カードの場合、海外キャッシングの年率やATM手数料は下記のようになっています。

海外キャッシングの年率とATM手数料(三井住友カード)
年率 18.0%
ATM手数料(税込) ・1万円以下:110円
・1万円超:220円

海外キャッシングは、借入れをした翌日から支払い期日までを365日(うるう年は366日)で日割り計算した金額が利息としてかかるので覚えておきましょう。

また、海外キャッシングの支払いは基本的に一括払いとなり、分割払いなどはできないので注意が必要です。

三井住友カードの会員規約では、「第42条から第45条」に記載があります。

個人情報の取扱いに関する同意条項

クレジットカードの約款や利用規約には、カード会社がおこなう個人情報の収集、保有、利用などについての同意と個人信用情報機関への情報提供に同意してもらうことが明記されています。

個人情報には申込み時の内容(氏名や職業など)カードの利用状況などがあり、カード会社によってしっかりと保護されているので、基本的に情報が漏洩することはありません。

また、すべてのカード会社は、信用情報機関に加盟しています。信用情報機関は、クレジットカードなどの審査で信用情報を照会する場所ですので、クレジットカードへ申込みをした際は、必ず情報の照会がおこなわれます。

クレジットカードの約款のまとめ

クレジットカードの約款や利用規約は、小さな文字が羅列されているので、読む気にならないという方もいると思いますが、カードを利用するうえで重要な決まりごとが書かれています。

クレジットカードを使った時点で約款や利用規約に同意したことになるので、カードを利用する前に、できれば全文に目を通すようにしましょう。

また、今回紹介した条項に関しては、カードを利用する際に最低限知っておきたい重要な規約となっています。

約款や利用規約の全文を確認することが難しい方は、最低限、今回紹介した項目は把握しておくようにしてください。

この記事のまとめ
  • クレジットカードの約款は定型的に決められた契約条項のこと
  • 約款と利用規約は同じ
  • クレジットカードを使った時点で約款や利用規約に同意したことになる

食品や雑貨商品などを扱うライター・編集を経て、マネ会を担当。クレジットカードのポイント還元や特典だけでなく、各カード会社の戦略やマーケティングにも興味あり。普段使っているクレジットカードはJALカードで、実家への帰省の際には、貯めたマイルを特典航空券に交換している。ヤフオクやヤフーショッピングで買い物をする際には、ヤフーカードも使用。体を動かすことが好きで、定期的にジムで筋トレ。機会あれば、山へハイキングに出かけ、帰りの温泉を楽しむ。

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