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消費税増税で10%に!対策に必要な「軽減税率」や「ポイント還元」をわかりやすく解説!

消費税増税で10%に!対策に必要な「軽減税率」や「ポイント還元」をわかりやすく解説!

いよいよ2019年10月1日から「消費税増税」がスタートしました。今回の改正により消費税率は8%から10%に増税され、ついに「消費税2桁時代」の到来です。

今回の消費税増税の特徴は国民の生活に悪影響を与えないように、いくつかの対策がとられていることです。とくに少子化が進み平均年収も頭打ちである状況下での増税は、消費をおさえ復活傾向にある経済にダメージを与えるかもしれません。

そこで今回の増税では「軽減税率」、「ポイント還元」制度を導入することで消費低下をふせぎ、経済に与える影響を軽減させる措置が導入されています。しかしせっかくの制度であっても内容を理解していないと、それらの恩恵を受けられません。

そこで今からでも遅くない消費税の増税について徹底解説します。

消費税増税のポイントを正しく理解

消費税は2019年9月30日までは8%でしたが、10月1日からは2%アップの10%になりました。上記したとおり今回の消費税増税は今までの増税と違い、国民生活に悪影響を与えないように2つの制度が導入されたことがポイントです。

消費税増税で実施される制度

  • 軽減税率の導入
  • ポイント還元制度の導入

これらの制度は消費税増税にあたり「国民負担を軽減」させるのが目的ですが、少しわかりにくい部分があります。制度の恩恵を受けるためには内容を理解して、使いこなすことも重要なポイントです。

そこで大切なのが消費税をしっかりと理解することです。2つの制度を解説する前に今回の消費税増税の概要について解説します。

消費税増税の歴史

海外では歴史が長い消費税ですが、日本での導入は比較的最近です。日本ではじめて消費税が導入されたのは1989年で税率は3%でした。そののち1997年5%に増税され、2014年には8%に引き上げられました。

実は今回実施された消費税増税は、2015年10月に実施される予定でした。しかし当時の経済状況から増税による悪影響が高いと判断され、1年6ヵ月間の延期となりました。2017年4月に引き伸ばされた消費税増税ですが、さらに経済状況から2年6ヵ月の延期が決まり2019年10月に決定された経緯があります。

つまり今回の消費税増税は2015年10月の開始予定が、4年間も延期されていたことがわかります。その意味では国内経済が増税に耐えられる状況だと判断されたのでしょう。

消費税増税を実施する理由と影響

税金には「直接税」「間接税」があるのを知っていますか? 直接税は「所得税」、「住民税」、「固定資産税」、「自動車税」など、納税者が直接納付する性格の税金です。企業であれば「法人税」も直接税です。つまり納税者が直接税金を納めるのが直接税と覚えてください。

対して間接税は税金を負担する人と納税をおこなう人が違います。消費税であればお店で買いものをして消費税を支払いますが、実際に納税するのはお店であり負担した人ではありません。消費税以外に「酒税」、「たばこ税」、「ガソリン税(揮発油税)」などが該当します。

間接税の消費税ですが、今回の増税による利用目的は多岐にわたります。基本的には「社会福祉」「少子化対策」などに利用されることが決まっています。増税により見込まれる税収は5.6兆円程度であり、大部分が国民へ還元される予定です。

消費税増税の利用目的

  • 将来世代への負担軽減(赤字国債対策など)
  • 少子化対策(幼児・高等教育無償化など)
  • 社会保障の充実

日本は少子化が進行していることから将来世代への負担軽減は急務であり、今回の増税により国の借金が少なくなることは大切な政策です。また少子化対策により子育てがやりやすい環境を作ることも重要です。さらに超高齢者社会である日本は、これからますます社会保障費が必要です。今回の消費税増税はこれらの切迫した理由でおこなわれた措置です。

それではなぜ社会保障費を消費税増税でまかなうのでしょうか?実は間接税である消費税は節税対策ができない「公平な税金」と呼ばれており、商品を購入する人は平等負担しなくてはなりません。その意味では公共の利益を確保する税金としては、もっともふさわしいと考えられます。社会全体で社会保障を維持するための増税だと考えると納得できる改正です。

消費税増税における軽減税率とは?

今回の消費税増税でははじめて「軽減税率」が導入されました。本来消費税は「消費される品物すべて」に課税する税金です。たとえば家を購入する場合、住宅部分は消費税の対象ですが土地は対象ではありません。つまり住宅部分は経年劣化で消費されますが、土地は劣化しないので消費税の対象外です。

しかし軽減税率が適用された特定商品は、消費税増税の対象外です。つまり消費税率は8%のままで、10%への増税はされません。軽減税率の対象は生活必需品である「飲食料品」「新聞」ですが、飲食料品であっても対象と対象外があるので注意が必要です。

軽減税率の対象品目はなに?

軽減税率で増税の対象外になる商品を「特定商品」と言いますが、簡単に説明すると「酒類を除く外食以外の飲食料品」「定期購読の新聞」だと覚えてください。

つまりビールや日本酒などの酒類は飲食料品であっても消費税は10%です。またレストランや飲食店での外食も軽減税率の対象外です。スーパーなどで購入する「生鮮食品(肉類、魚類)」「野菜・果物」「加工食品(冷凍食品)」「菓子類」は軽減税率の対象で消費税は8%に据え置きされます。

それでは実際の軽減税率の例を見てみましょう。

軽減税率の対象品目
軽減税率対象(8%)
消費税増税対象(10%)
飲食料品 精肉、鮮魚、精米、乳製品、菓子類、ミネラルウォーター、コーヒー、ノンアルコールビール、みりん風調味料など 酒類(ビール、ワイン、日本酒、焼酎)、水道水、本みりん、栄養ドリンクなど
飲食料品の外食 テイクアウト(ファストフード、弁当店など)、お惣菜(スーパーやデパ地下など)、学校給食、老人施設での給食など レストランやファストフード店内での飲食、コンビニ内での飲食、出張料理、社員食堂、学生食堂など
新聞の対象 定期購読(週2回以上) 定期購読されない新聞

特定商品はアルコール類を除く飲食料品ですが、「栄養ドリンク」などは対象外です。またアルコールが1%未満の「みりん風調味料」は軽減税率の対象ですが、「本みりん」は酒類として対象外です。また「ミネラルウォーター」は軽減税率の対象ですが、「水道水」は飲食以外での利用も想定できることから対象外です。

「新聞」も同様に週2回以上の定期購買契約がある場合は対象で、コンビニや駅の売店などでの購入は対象外です。ややこしいので慣れるまでは購入時に注意してください。

軽減税率が対象外になる飲食料品の外食とは?

アルコールを除く飲食料品が軽減税率の対象だと解説しましたが、「飲食料品の外食」に該当するものは対象外です。外食は「取引の場所」「取引の様態」により判断され、外食に該当するものは飲食料品であっても軽減税率が適用されません。

軽減税率が適用されない外食の例

  • テーブル、椅子、カウンターなどのスペースで提供されるもの
  • 飲食をともなうサービス
  • 購入した飲食料品を店内で飲食する
  • 顧客の指定した場所で調理・提供する
  • 調理や給仕などサービスを含む出張料理

たとえばハンバーガー店や牛丼店で購入した商品を自宅へ持ち帰る場合は、軽減税率が適用されます。しかし店内で食べる場合は軽減税率は適用されません。これはスーパーやコンビニでも同様で、飲食料品を持ち帰えらずに店内のイートインコーナーで食べる場合は消費税率が10%です。

また蕎麦やピザの出前は軽減税率が適用されますが、自宅で調理をおこなう出張調理やケータリングは適用外です。ただし学校給食や老人施設などの給食は軽減税率が適用されるのでおぼえておきましょう。

消費税増税時に実施されるポイント還元制度とは?

消費税増税を実施することで、国民の生活に悪影響を与える可能性があります。そこで消費税増税のタイミングで、消費者還元対策として「ポイント還元制度」を並行して導入しました。

「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元制度)」は期間限定で購入金額の2%~5%をポイントバックする制度で、消費者に一定金額を還元することで増税の負担を軽減させます。ただしこの制度は「キャッシュレス決済」を推進させる意味合いもあることから、現金決済ではなくあくまでクレジットカードなどのキャッシュレス決済が対象です。

ポイント還元制度の対象決済

  • クレジットカード
  • デビッドカード
  • 電子マネー(プリペイド含む)
  • QRコード決済

ポイント還元制度の実施期間と対象の企業&個人事業者

ポイント還元制度は2019年10月1日から2020年6月30日までの9ヶ月間実施されます。その期間にポイント還元制度の加盟店でキャッシュレス決済を使うことで、購入額の2%~5%がポイントで還元されます。

ただしこの制度は増税による中小企業の支援が目的なので、大企業や全国的な直営チェーン店は加盟店になれません。また加盟店になるには「対象事業者要件」に該当する事業者が加盟店申請をおこなう必要があります。すべての店舗で利用できないことを覚えておきましょう。

またポイント還元制度の加盟店舗であっても会社の形態により「2%還元」「5%還元」の違いがあります。販売価格が同じ商品を購入するなら、2%還元の店舗よりも5%還元の店舗を利用した方が3%おトクです。

ポイント還元の対象事業者要件
業種 資本金または出資金 常時雇用の従業員数
製造業そのほか 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下

ポイント還元制度は対象事業者に該当する店舗が、申請により加盟店登録することで利用できる制度です。対象事業者要件に該当していても申請していない事業者(店舗)では、キャッシュレス決済を使用してもポイント還元は受けられません。

ポイント還元制度の還元率の違い

ポイント還元制度の還元率は「2%」「5%」の2種類です。対象事業者であれば原則5%の還元を受けられますが、大手フランチャイズチェーンガソリンスタンドなどは個人事業者であっても2%還元です。

当初大手コンビニなどのフランチャイズ店はポイント還元の対象外と考えていましたが、多くのコンビニが個人事業者であることから妥協案で2%になった経緯があります。ただしフランチャイズ直営店や大手企業が運営するフランチャイズ店は対象外です。

消費税増税による影響(インパクト)と対策

今回の消費税増税は2%と数字的には少ない印象を受けますが、増税による影響はさまざまなところで出てくるでしょう。とくに企業は仕入価格が上がるだけでなく、複雑化した税率への対応などもおこなう必要があります。

企業、消費者に与える影響と対策を考えてみます。

影響と対策①企業

消費税増税が与えるインパクトは個人消費者よりも企業の方が大きいと考えられます。消費税は間接税なので企業は消費者から税金を預かる形になり、それを一定間隔で納税しなくてはなりません。しかし企業も仕入れなどで消費税を支払っていることから、最終的に納税する金額は「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いた金額です。

今までは消費税が8%に固定されていたので比較的容易にできた計算も、軽減税率の導入で複雑になる可能性があります。さらに会計システムの交換や改修などの費用負担も無視できません。

今回の消費税の増税では軽減税率の対応が必要な中小企業に対して、「軽減税率対策補助金」として3種類の補助が利用できます。

3種類の軽減税率対策補助金

  • 複数税率対応レジの導入支援(A型)
  • 受発注システムの改修支援(B型)
  • 請求書管理システムの改修等支援(C型)

これらの補助金は2019年9月30日までに申請することが条件で、消費税増税が開始された現在は申請できません。それまでに補助金を活用していない中小企業は自腹でシステムを導入する対策が必要です。

影響と対策②消費者

消費税増税が与える個人消費者へのインパクトはどうでしょうか?過去の消費税増税を思い出してみると、駆け込み需要として「液晶テレビ」や「消耗品」が大きく購入されました。また消費税増税後には購入が落ち込み、景気後退へのきっかけにもなりました。

しかし今回の消費税増税ではアップ率が2%であること、さらに軽減税率で食料品が据え置かれることなどの理由で大きな悪影響はないと考えます。実際に消費税が上がる前の9月30日も、とくに大きな混乱はありませんでした。消費者は冷静に対応していることがわかります。

今回の消費税増税の影響が少なかった要因を考えてみました。

消費税増税による消費者の影響が少ない要因

  • 2015年に予定されていた増税なので心の準備ができている
  • 軽減税率により飲食料品が増税されない
  • 増税2%分よりも還元が大きいポイント還元制度がある
  • 増税により社会福祉制度が充実される

消費税増税のまとめ

消費税増税がスタートしましたが、現在のところ大きな問題は見られません。増税前は「日本経済が破綻する」とか「破産者が増加する」などの記事が見られましたが、現状では大きな混乱は見られていません。消費税増税も4回目の改正なので、消費者も賢くなった印象を受けます。

消費税増税のまとめ

  • 2019年10月1日から消費税は10%
  • 軽減税率の導入
  • ポイント還元(キャッシュレス・消費者還元事業)の導入
  • 消費税増税の目的は将来世代への負担軽減、少子化対策、社会保障
  • 軽減税率により酒類以外の飲食料品は8%に据え置き
  • ポイント還元制度で最大5%がポイント還元される
  • ポイント還元はキャッシュレス決済のみ
  • ポイント還元対象事業者は中小企業と個人事業者
  • 今回の増税は子育て世帯に恩恵がある

消費税増税は2019年10月1日からスタートされました。2%の増税を大きいと判断するか小さいと考えるかは各消費者の判断ですが、ポイント還元制度などを利用することで負担を軽減させることが可能です。

キャッシュレス決済を利用していない人は、もったいないので早速利用してみてはいかがでしょうか?

執筆者のプロフィール
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マネ会 編集部

気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。