医療業界のキャッシュレス化は進むのか?遅れている要因や普及の鍵をアルメックスに聞いてきた! PR

医療業界のキャッシュレス化は進むのか?遅れている要因や普及の鍵をアルメックスに聞いてきた!

2019年10月1日、キャッシュレス・消費者還元事業がスタートし、現金払いが主流の日本でもキャッシュレス決済が普及してきました。

しかし、医療業界のキャッシュレス化は依然として遅れています。医療機関でのキャッシュレス決済への対応を待ち望んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は医療業界のキャッシュレス化に取り組んでいるUSEN-NEXT GROUPの株式会社アルメックスの執行役員でメディコム事業部長の鈴木 伸幸さんにお話をお伺いしました。

医療業界のキャッシュレス化は遅れている

アルメックス 鈴木 伸幸さんが話している画像①

―本日はよろしくお願いいたします。医療業界のキャッシュレス化は遅れていると、聞くことが多いのですが実際のところどうなのでしょうか?

鈴木 伸幸さん(以下、鈴木):医療業界のキャッシュレス化は、非常に遅れていると感じています。

厚生労働省が平成31年3月に発表したデータによると、病院のクレジットカード決済の導入率は49.0%と病院全体の半分以下です。さらに電子マネー決済の導入率になると2.2%、QRコード決済の導入率は0.2%と非常に低い数字になっています。

ただ、これはあくまで病院の話です。みなさんが普段よく行くような地元の一般診療所(クリニック)はさらに導入率が低くなります。

ベッドが19床以下の医療機関は病院ではなく一般診療所(クリニック)と分類されますが、クリニックのクレジットカード決済の導入率は16.5%です。
電子マネー決済導入率は1.9%、QRコード決済の導入率は0.2%となっています。

弊社はホテルやゴルフ場にも自動精算機を導入しているのですが、ホテルやゴルフ場のキャッシュレス決済の導入率は80%以上なので、医療機関の導入率がかなり低いと言えます。


―なぜ病院はキャッシュレス決済の導入が遅れているのでしょうか?


鈴木:高齢の患者様が多いのが一番の要因と言えるでしょう病院の入院患者の約7割、外来患者の約5割は65歳以上の高齢者と言われていますが、高齢の患者様はクレジットカードを持っていない方が多いですし、持っていても使い方や暗証番号がわからないという方は未だ少なくありません。

そのため、先程、病院やクリニックのキャッシュレス決済の導入率を紹介しましたが、利用率となるとさらに低くなります。医療機関は飲食店などと比べて、決済手数料は割安になっていますが、利用率を考えると現金支払いが主流なのが現実なのです。

また、利用率が低いと、キャッシュレス決済を導入しても、会計業務の効率化が図れないため、なかなか効果が見えてこないという問題も発生します。

医療業界のキャッシュレス化の鍵は"自然に使える仕組み"を作ること

―現状を踏まえると、今後導入を進めていくのが難しそうですね。

鈴木:今までであればそうかもしれません。ただ、医療業界のキャッシュレス化は進めていくべき課題の一つです。

何故なら医療や介護の分野で問題となっているのが、2025年問題です。2025年には団塊の世代が75歳以上となり、国民の5人に1人が後期高齢者となります。

生産年齢人口が急激に減りますので、今まで経験したことがないような人手不足に陥ることが予想されています。当然、高齢者が増える分、病院を受診する患者様は増えていきますから、その分会計窓口での業務量も増えていくことになり、キャッシュレス化を進めて、効率的な会計処理の仕組みを作っていく必要があります。

キャッシュレス推進協議会はご存知ですか?日本におけるキャッシュレス決済の普及に向けて産官学が連携するための中心的な推進役を担う団体なのですが、医療業界のキャッシュレス化は協議会の中でも非常に注目を浴びています。

そこでは日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、経済産業省、厚生労働省、大手カード決済会社等がプロジェクトに参加し、医療業界のキャッシュレス化について議論をしています。


―その中では、アルメックスはどのような役割を担っているのでしょうか。


鈴木:病院のキャッシュレス化を進めていくために、銀行や大手決済事業者様と協力してさまざまな取り組みを進めています。

ただ、病院のキャッシュレス化で最も重要なのは、キャッシュレスの仕組み自体を導入することがゴールではなく、“たくさんの患者様にお使いいただくこと”です。

病院やクリニックがキャッシュレス決済を導入したからといって、収益が上がるわけではありませんから、たくさんの患者様にキャッシュレスの仕組みをお使いいただき業務の効率化が図れないと、費用対効果が見込めないからです。

当社はその様な観点から、患者様の院内での動線の中で“自然に”キャッシュレスの仕組みをご利用いただき、その結果利用率が上がる。そのような製品を提供することに主眼を置いています。自然な流れでキャッシュレスの仕組みを使えないと、利用率は上がらないということです。

医療業界では後払いのキャッシュレス決済が進んでいる

ーアルメックスではどのようなサービスを提供しているのでしょうか?

鈴木:最近だと診療費後払い(あとばらい)のサービスが好評です。

「Sma-pa CHECKOUT」という製品を提供しているのですが、受付時や診察待ち時間の間に後払いの登録をすると、診察後、すぐに帰宅することができるというサービスです。実質会計の待ち時間はゼロになります

「会計待ち時間が長い」、「診察終了後にすぐに帰りたい、仕事に戻りたい」という、患者様の声をよく耳にしていました。「Sma-pa CHECKOUT」はそのようなお客様から大変好評をいただいています。

また、肝心の病院側から見たメリットですが、まず計算スタッフの適正配置が可能になることが上げられます。後払いの仕組みを使う患者様が増えれば増える程、会計に関する業務を省くことができるため、スタッフの省力化が可能になります。

一般的にキャッシュレス化は利用者(患者様)のメリットばかりが注目されがちですが、バックヤードで働くスタッフの現金管理業務や釣銭の補充、集計作業をはじめとした効率化・生産性向上などの働き方改革にも寄与する点を見逃してはいけません。


―キャッシュレスで決済できるだけでなく、診察後の待ち時間がなくなるのは嬉しいですね。


鈴木:このような自然と使いたくなってしまう仕組みを作り、結果的に医療業界のキャッシュレス化を実現することによって、効率化・働き方改革を推進していきたいと考えています。

キャッシュレス化の先は「究極の『手ぶら診療』」

―「Sma-pa CHEKOUT」以外にも便利なサービスを提供しているのですか?

鈴木:同じSma-paシリーズの「Sma-pa TERMINAL」という多機能型次世代受付機を提供しています。

こちらを導入すると、この受付機ひとつで、初診登録から再来受付、保険証確認、会計、面会受付等の業務をすべて済ませることができます。

さらにSma-pa TERMINALには顔認証機能やサーモカメラも搭載しています。受付時に熱発検知をしアラートを上げることができますので、麻疹やインフルエンザなどの院内感染防止にも寄与すると考えています。


―受付機ひとつで全て完結するのは、患者様側も病院側も非常に便利ですね!


鈴木:ありがとうございます。ただ、今後は人手不足が深刻になり、さらなる省力化が必要です。

病院の入口から出口までの一連のフロント業務に対して、今までは、単品の製品に置き換えることで効率化を実現してきましたが、今後は病院の運用全体の最適化を考えていく必要があります。

上述した「受付時に会計も済ませる」といった仕組みが一例ですが、そうすることによって飛躍的な効率化を図ることが可能となるでしょう。

最終的には「究極の『手ぶら診療』」を目指していきたいですね。


―「究極の『手ぶら診療』」とは一体どういうことでしょうか?


鈴木:来院時に病院のゲートを通ると、顔認証により診察の受付が自動的に完了し、診察後はゲートを通り帰宅すると、精算などがすべて完了するという環境が理想です。

病院側は業務効率を非常に高めることができますし、患者様もストレスを感じることなく、病院で過ごすことができます。

その第一歩となるのが先ほど紹介した「Sma-pa TERMINAL」です。

テクノホスピタリティを世界へ

アルメックス 鈴木 伸幸さんが話している画像②

―本日のお話から今後の医療業界の発展が非常に楽しみになりました。医療業界のキャッシュレス化、効率化の実現を非常に楽しみにしています。

鈴木:ありがとうございます。私たちアルメックスでは「テクノホスピタリティを世界へ」という言葉を経営理念としています。

"テクノロジーを駆使してホスピタリティーを実現していく"という考えを表したものなのですが、2025年問題等の今後医療業界が抱える問題に対処していくためにも、我々の持っているソリューションは重要な役割を担うことができると考えています。

中でもキャッシュレス化を可能とする「Sma-paシリーズ」が医療業界に貢献していくという未来図を描いています。

日本全国の医療機関を支える唯一無二の存在として、製品やサービスを提供していき、「病院の経営・スタッフ・患者様」の三方良しを目指して、誰もが幸せになる世界を作っていきたいと考えています。是非期待していただきたいと思います。


ー本日はありがとうございました!

株式会社アルメックス 執行役員 メディコム事業部長
74年三重県生まれ。98年アルメックス入社。メディコム事業部の立ち上げに携わり14年執行役員。17年医業経営コンサルタントを取得。

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2019年に株式会社サイバーエージェントに入社。 クレジットカード、キャッシュレス、カードローンの記事作成を担当。 愛用クレジットカードは楽天ゴールドカードでネットショッピングでは楽天市場を利用するようにしている。楽天ペイ、楽天Edyも使っており、楽天のダイヤモンド会員を維持している。最近はスマホを楽天モバイルに変えるか悩んでいる。 ヤフーカードやPayPay、Kyashなども利用しており、お得にポイントを貯めることが趣味。

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