カードローンの利用ってやばい?返済できないときのリスクや相談先をご紹介

カードローンの利用ってやばい?返済できないときのリスクや相談先をご紹介

便利にお金を借りられる商品、カードローン。しかし、いざ利用するとなると、「本当に大丈夫?」、「やばいことになるのでは?」と不安になる方もいらっしゃいますよね。

そこで、この記事ではカードローンの利用によって生じるリスクを解説し、読者の皆様の不安を解消していきます。さらに、「やばい」ケースも具体的に紹介しますので、後悔しないカードローン利用にお役立てください。

カードローンは本当に「やばい」のか?

結論からいうと、カードローンは「正規の業者を計画的に利用すればやばくない」といえるでしょう。

しかし、非正規の業者を利用したり、計画なしに借りまくったりすると、たしかに「やばい」といえるような状況に陥ることがあります。下記で詳しく解説していきます。

計画的に利用できればカードローンは怖くない

実際には、正規の銀行や貸金業者から借入れをして、きちんと計画的に借入・返済をしていれば、「返済できない」、「利息がどんどん増える」といった借金地獄に陥る可能性は低いといえます。

また、正規の業者が脅しまがいの強引な取り立てをすることはありません。そのため、ドラマのように借金のせいで命が脅かされるような「やばい」状況は、正規の業者を利用している限りは起こりにくいといえるでしょう。

ただし、正規の業者であっても返済できなくなってしまうと、それなりの代償を払わなくてはいけなくなります。詳しくは、「カードローンは返済できないときのリスクがやばい!」の章で解説します。

「ヤミ金」の利用は確実にやばい

ただし、正規の貸金業者ではない「ヤミ金」と言われる業者を利用すると、違法な高い金利で貸し付けられたり、強引な取り立てをされたりと、大きなトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。

したがって、カードローンを利用するときには、確実に正規の銀行や貸金業者を選ぶようにしましょう。

専門家からのコメント

中村 将士
中村 将士

貸金業をおこなうには、国(財務局)又は都道府県の登録を受ける必要があります。

上記の「正規の貸金業者」とは、この登録をしている貸金業者を指し、「ヤミ金業者」とは、この登録をせずに貸金業をおこなっている者を指します。

正規の貸金業者であれば、利息制限法や出資法等の利率の上限や取立の規制を守らなければ,金融庁による行政指導や業務停止等のペナルティーを受けることになりますが、闇金業者にはこのような抑止力は働きません。

この違いは非常に重要ですので、しっかりと認識する必要があります。

カードローンは返済できないときのリスクがやばい!

カードローンを利用している際には、計画的にきちんと借入・返済している分には問題ないものの、どうしても返済できなくなったときは、いわゆる「やばい」結果になることもあります。

返済できないときの「やばい」リスクとしては、下記のようなものが挙げられます。

返済できないときに生じるリスク
  1. 返済に遅れると遅延損害金が高額になる
  2. 返済のために多重債務を抱えると借金地獄になる
  3. 金融事故になるとローン・クレジットカードが利用できなくなる

1.返済に遅れると遅延損害金が発生する

返済に遅れると遅延損害金が発生するので、通常の利息よりも高い金額を支払う必要が生じます。

遅延損害金は、日割りで増えていきます。そのため、長期間返済に遅れ続けていると、どんどん遅延損害金が増加してしまいます。

返済に遅れ続けて遅延損害金が莫大になったとしたら、それは「やばい」状況の1つだといえるでしょう。

2.返済のために多重債務を抱えると借金地獄になる

カードローンの返済額を用意することが難しくなったとき、「返済額をほかのカードローンで借りたらよいのでは?」と思う方もいらっしゃることでしょう。

しかし、「返済額をカードローンで借りる」という自転車操業を始めてしまうと、複数の会社に返済しなくてはいけない多重債務の状態になります。多重債務は利息が増えやすく、返済管理も煩雑になりやすいので、返済不能になりやすい危険な状態です。

令和元年に金融庁・消費者庁・厚生労働省(自殺対策推進室)・法務省によってまとめられた「多重債務者対策を巡る現状及び施策の動向」では、下記のような多重債務者の悩みが紹介されています。

消費者金融3社から借金をしている。毎月の返済が苦しいので債務整理したい。

上記の方は、多重債務によって返済不能に陥り、債務整理をしなければならなくなっています。債務整理をすると信用情報に大きな傷がついてしまうので、このような事態は避けたいですよね。

夫がカード会社2社からキャッシングをしているが返済出来ない。車のローンも滞っており、裁判所から通知が届いている。

返済遅延が続くと、裁判所から通知が届くことがあります。車のローンに加えて2者のカードローンという多重債務を抱えたことで、返済できなくなってしまったのでしょう。

このように、返済するために新規の借入先でお金を借りたり、闇雲に複数のカードローンを利用したりすると、返済がいつまでも終わらない借金地獄になる可能性があります。

なお、同資料によると、多重債務を原因とみられる自殺者数は減少傾向にあるものの、平成30年には703人と決して少ない数字ではありません。

このように、借金が原因で生活を続けられなくなってしまう可能性もありますので、カードローンを利用する前には十分に返済計画を立てておく必要があります。

専門家からのコメント

中村 将士
中村 将士

借金を借金で返済していくというのは、最初は1社の借金を他の1社の借金で返すという、金額は増えるものの構図としては単純です。

しかし、次第にその額が増えていくと1社からの借金では賄えず、2社、3社と複数のところから借金をしなければいけなくなります。

借りる先が違えば、契約条件も違ってくるでしょう。その構図は次第に複雑になっていきます。

返済しても返済しても借金は減らない、どんな条件で借金をしているのかも把握できない、これらが多重債務の怖さです。

3.金融事故になるとローン・クレジットカードが利用できなくなる

カードローンの返済に遅れると、信用情報に延滞の記録が残ります。さらに、返済遅れが長期化すると金融事故になり、いわゆる「ブラックリスト」入りしてしまうこともあります

この状態になると、原則として新規でローン・クレジットカードを利用することは一切できなくなります。さらに、既存のローン・クレジットカードを利用停止になってしまうこともあります。

この記録は約5年間は保有されるので、しばらくの間はかなり不便な思いをすることになるでしょう。

金融事故について徹底解説!金融事故の原因や事故にならない事例もご紹介!

カードローンで「やばい」事態を避けるための3つのポイント

カードローンを利用するうえで「やばい」事態を避けるためには、次のようなポイントに注意する必要があります。

「やばい」事態を避けるためのポイント
  1. 返済シミュレーションを利用する
  2. 必要以上の金額を借りない
  3. 複数の借り入れはまとめる

1.返済シミュレーションを利用する

しっかりと返済計画を立てて利用すれば、カードローンは怖いものではありません。そこで活用したいのが、各社の公式サイトなどに用意されている返済シミュレーションです。

借りたい金額や、毎月返済できる金額などを入力するだけで、簡単に返済期間・返済総額・利息総額などのシミュレーションが可能になります。

自分で利息を計算しようとする方もいらっしゃいますが、カードローンの多くは残高スライドの返済方式を採用しているので、単純計算で利息を求めることは難しくなっています。

ぜひ公式サイトのシミュレーション機能を利用して、返済計画の策定に役立てたいところです。

【口コミ】「シミュレーションしておけばよかった!」後悔の声をご紹介

マネ会に寄せられた口コミのなかには、「返済シミュレーションを事前におこなわなくて後悔した」という内容のものも散見されます。皆さんがどのような状況に陥ったのかを確認するために、利用者の生の声を見ていきましょう。

まずは、大手消費者金融のアイフルを利用した方の口コミです。

(20代男性 / 会社役員 / 年収400〜600万円未満 / 借入金額10~50万円未満)

借りる前に金利の計算はほとんどしませんでした。金利の計算方法は知っていましたが、給料が入ったらすぐに返す予定だったので金利はそこまで問題にはならないだろうと高をくくっていたためです。また、金利の計算サービスがあることも知っていましたが、こちらも利用しませんでした。金利の計算をしなかったことは後で後悔しました。

金利の計算サービスとは、返済シミュレーションのことでしょう。この方のようにあとで後悔しないために、事前に利息を試算しておきたいですね。

次に、プロミスの口コミをご紹介します。

(20代男性 / 会社員 / 年収200〜400万円未満 / 借入金額10~50万円未満) 

金利の計算はまったくしていなかった。とにかく急いでいたこともあり、また、計算方法もあまり理解できていなかったので、完全に後回しになってしまった。実際の返済額を確認したが、金利だけで20万円は多く支払うことになり、正直かなりもったいない気はするので、できるだけ繰り上げ返済できるようにしようと考えている。

上記の方は金利の計算を後回しにして借入れ、利息額の高さに「もったいない」と感じてしまったそうです。もしかすると、他社のシミュレーションも活用すればもっと利息を低く抑えられたかもしれません。

次に、レイクの口コミをご紹介します。

(20代男性 / 会社員 / 年収200〜400万円未満 / 借入金額50~100万円未満)

借りる前の金利については計算したことはありません。借入れの契約時にその計算方が記載されていましたが、借り入れのみを考えて使用していたため、その差額についての損得も考えていなかった。金利方法はもちろん考えもしなかった為、知るよしもなく、借り入れが不可能になった時に冷静になり弁護士に説明してもらった時であった。

この方は、事前にシミュレーションしておかなかったことで借入れが不可能になり、弁護士に相談するはめになったそうです。このように、しっかりと返済計画を立てずに借入れると、返済できなくなってしまう可能性が高まります。

さらに、アコムの口コミもご紹介します。

(20代男性 / 学生 / 年収200万円未満 / 借入金額10万円以下) 

正直言うと金利の計算はしていませんでした。だから返済には苦労しました。金利の計算方法についても、恥ずかしながら知りませんでした。ただ返済は、自分が想定していた期間よりも長くかかってしまいました。その理由としては、金利や金利の計算方法などを知らないままお金を借りてしまったことなどがあげられると思います。

どの口コミの方も、「金利を計算しておかなかったせいで返済できなくなった」、「後悔した」といった感想を抱いているようですね。

事前にシミュレーションして返済計画を立てておけば、あとで後悔する確率は格段に低くなります。

難しく聞こえるかもしれませんが、公式シミュレーションで利息を計算する所要時間はわずか数秒! 数点の情報を入力するだけで、簡単に返済額・利息額を確認することができます。

カードローンの利用で失敗したくないなら、公式サイトでシミュレーションを活用することは必須といえるでしょう。

2.必要以上の金額を借りない

カードローンでは、借りる金額が大きければ大きいほど、支払う利息は高額になります。また、返済期間が長くなるほど利息総額も膨らんでいきます。

そのため、借りるお金を最小限にして、必要以上の金額を借りないようにしましょう。無利息サービスなどが展開されていても、無利息期間を過ぎれば結局は利息が発生するので、浮かれて借り過ぎないようにすることが大切です。

3.複数の借入れはまとめる

どうしても計画通り返済できなくて、カードローンで多重債務になってしまったときは「おまとめローン」を利用することが可能です。

おまとめローンを利用すれば、返済負担が軽くなったり、金利が下がったりする可能性が高くなります。


多重債務で苦しんでいる方は、おまとめローンを利用することで、返済不能を回避できる場合があります。

なお、貸金業法に基づくおまとめローンなら、貸金業者からの借入れでも総量規制の対象外となります。借入額が年収の1/3を超えてしまった方でも、諦めずに返済できる方法を探してみましょう。

おまとめローンおすすめランキング45選を比較!低金利で審査が通りやすい銀行は?

どうしてもカードローンを返済できないときの相談先は?

どうしてもカードローンで返済ができない事態になった時には、まずは、利用している金融機関の相談デスクに相談するとよいでしょう。

場合によっては、返済日を先延ばしにしてくれたり、事情を考慮してもらえたりすることがあります。

そのうえで、どうしても返済できないときには、下記のような相談先を検討する必要があります。

それでも解決できないときの対処法

返済不能に陥り、自分では解決できない状態になってしまった場合には、下記のような機関での無料相談が可能です。一人で悩まず、まず相談してみましょう。

解決が難しい場合の相談窓口
  • 国民生活センター(独立行政法人)
  • 日本司法支援センター(法テラス)
  • 日本貸金業協会
  • 日本弁護士連合会
  • 金融庁(財務局) など

なお、債務整理や自己破産といった解決策は、金融事故として信用情報に大きな傷が残ってしまうので慎重におこなう必要があります。

まずは自力で返済できるように尽力し、最終手段として債務整理や自己破産などの方法を検討するようにしましょう。

まとめ〜カードローンの利用は計画的に!

やはり、お金を借りるからには、きちんと返済する必要が生じます。無謀に借入れたり返済を怠ったりすると、自分の首を絞めることになりかねません。

しかし、正規の業者を選び、きちんと計画的に利用するなら、カードローンは決して恐ろしいサービスではありません。むしろ、簡単・スピーディーに資金を調達できる便利な仕組みだといえるでしょう。

カードローンを利用したいなら、まずは業者選びに注意しましょう。そのうえで、公式シミュレーションを活用したり、必要最低限のお金を借りたして計画的に返済すれば、「やばい」状況になる可能性は低いといえます。

この記事を読んでくれた方が、問題なくカードローンを利用してくださることを祈っています。

<参考記事>
多重債務者対策を巡る現状及び施策の動向

中村 将士

専門家からの一言

中村 将士

カードローンを利用しようかなと考えたとき、それが「正しい借金の仕方」なのか「間違った借金の仕方」なのかも考えてみるようにしましょう。ここで大事なのが、感情を挟まないことです。

「多重債務」の章で紹介された資料によると、多重債務相談者が借金をしたきっかけでもっとも多いのは「低収入・収入の減少」(7538件)で、「商品・サービス購入」(3553件)、「ギャンブル等」(869件)と比べると圧倒的に多いです。

本人からしてみれば、生活費を補うために仕方のないことだったのかもしれませんが、「正しい借金の仕方」だったのか「間違った借金の仕方」だったのかを問われれば、多重債務に陥っているわけですから間違った借金の仕方だったといえます。

「正しい借金の仕方」と「間違った借金の仕方」の違いは、実行可能な返済計画を立てているかどうかです。感情論は必要ありません。

それどころか、感情が入り込むと、間違っていても正しいと思い込むおそれがあります。間違った選択をしないためにも、このことはぜひ心に留めておいてください。

新東綜合開発株式会社代表取締役。CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。講師として企業主催のセミナー講師や専門学校の非常勤講師を務める傍ら、webのライターとして「お金」についての情報発信をしている。FPの啓蒙普及のため、日本FP協会愛知支部の支部活動にもボランティアとして参加。2020年4月には日本FP協会愛知支部の副支部長に就任。イベントの企画運営に携わっている。「分かりやすく、丁寧に」をモットーに、一人でも多くの人の金融リテラシー向上に寄与すべく活動中。

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長く1部上場の消費者金融で経営企画課長をして、カードローン事業にかかわってきました。経営計画の担当が中心でしたが、カードローンのスコアリングシステムなどを担当するリスク管理や審査、回収などをおこなう集中センターの構築にも携わった経験があり、比較的カードローンに関しては詳しいと自負しております。また、子会社のクレジットカード会社に行っていたことがあり、カード事業の方面もいろいろ情報を提供できるかと思います。宜しくお願い致します。

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