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グレーゾーン金利の歴史と現在の法制度について詳しく解説

グレーゾーン金利の歴史と現在の法制度について詳しく解説

消費者金融がグレーゾーン金利でお金を貸していたため、会社の存続が危ぶまれるほど会社の収益にインパクトを与えたと同時に、違法な金利で借りていた人に対しては、金融会社が多く受け取っていた利息を返還してもらえると騒ぎとなっています。
今回は、その騒動の原因となったグレーゾーン金利について解説していきます。あなたが使っている消費者金融は法律に則った金利を適用しているのか、確認してみましょう。

出資法と利息制限法

グレーゾーン金利を理解するためには、2つの法律の理解が必要となります。その2つの法律とは「出資法」と「利息制限法」です。

【1】出資法
1954年(昭和29年)に制定されたとても古い法律で、お金を貸す業者が強い立場を利用して、不当に高い利息を得ることができないように規制をしたものです。年20%を超える契約をした場合には、5年以下の懲役もしくは1,000万円の罰金を科せられることになります(出資法第5条「高金利の処罰」)。
このように、現在は「年20%を超える契約」という条件になっていますが、2000年代の出資法では、「年29.28%を超える契約」と明示されていました。

【2】利息制限法
出資法と同じ年の1954年(昭和29年)に制定された法律で、出資法と同じように貸し出しができる実質年利率の制限をしています。こちらは、出資法よりも厳しい実質年利率となっており、

・借入額が10万円未満:20.0%
・借入額が10万円以上~100万円未満:18.0%
・借入額が100万円以上:15.0%

とされています。ただ、当時は利息制限法は守られず、ほとんどの場合、規制の緩い出資法の実質年利率が適用されていました。
その理由は、出資法では法律に違反すると厳しい処罰が待っていますが、利息制限法では特に罰則は設けられていなかったからです。これがグレーゾーン金利の根本となる問題でした。

出資法と利息制限法の差で生まれたグレーゾーン金利

・出資法での実質年利率:年29.28%
・利息制限法での実質年利率:年20.0%

2つの法律には上限金利に差があり、低いほうの利息制限法には罰則規定がなく、出資法には罰則がありました。そのため29.28%から20.0%の間で、融資を行う貸金業者があり、そのゾーンがグレーゾーン金利と呼ばれる部分になります。

大打撃を受けた消費者金融

2010年(平成22年)に出資法の上限金利が20%に引き下げられることになりました。このことによりグレーゾーン金利で多く徴収をした利息については、企業から個人の利用者に対して返還をしなくてはならなくなりました。その返還を求めることが昨今話題となっている過払い金請求ということです。
このように企業の資本への影響が大きく、また消費者金融へのイメージが非常に悪くなったこともあり、消費者金融は次々と大手銀行の子会社となっていった背景があります。

グレーゾーン金利の時効は?

グレーゾーン金利で必要以上に支払っていた利息の返還請求はいつまで可能なのでしょうか?民法で定められているように、グレーゾーン金利の時効は、契約して借りたお金を完済してから10年間と言われています。ここでのポイントは「完済してから」という期間の起点となる部分です。

キャッシングの契約を平成10年に行い、すべて完済した時期が平成20年だと仮定すると、時効は平成30年までということになります。まだまだ時効までには時間がありますが、もし契約した時点から10年と勘違いしてしまうと、すでに時効を迎え、返還請求ができないと思い込んでしまいます。時効の起点は完済した時点であるということは認識しておきましょう。

今も違反している業者はいるの?

法律の改正により、利息制限法の実質年利率を上回る条件でお金を貸し出す業者は減りました。ところが、大手消費者金融ではなく、街の電柱などで広告を出している業者には注意が必要です。
大手消費者金融であれば、貸し出し条件などを多くの人の目に触れられているため、法律に違反するような契約を行うことができません。一方、あまり目をつけられていない業者では、法外な実質年利率で契約を迫ってくる可能性があります。その時には、断固として断るか、断ることが難しいのであれば、「法テラス」など公共機関へ相談するようにしましょう。

まとめ

・利息制限法と出資法の上限実質年利率が異なったため、グレーゾーン金利が発生した
・法律が改正され、現在は上限金利が20%となっている
・グレーゾーン金利の時効は完済日から10年間
・街の貸金業者には要注意